日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『appears』 浜崎あゆみ ~ ぜいたくな悩みだよね。本人は深刻なんだろうけど

曲の終盤の、しつこいぐらいの念押しが

主人公の今の心のありようを物語っている。

「♪まるで全てが そう、まるで何もかも全てが 全てのことが」

 曲の進行を捻じ曲げてまで、

しつこく、しつこく、しつこく。

 

「♪うまくいっている かのように 見えるよね」

 

第三者の視点のように言っているけど、

ここでいう「恋人たち」はもちろん主人公とその彼氏のこと。

 

うまくいっているハズなのに、

当然のごとく発生する波風はあるものの

ほんとうに順調に日々を重ねて行っているハズなのに

どこまでも付きまとう不安。

順調な日々だと思っているのは実は自分だけなのかも。

考えれば考えるほどに不安が募って行く。

 

幸せそうに見えるよね?

大丈夫そうだよね?

幸せそうだよね?

 

 

はじめは「♪二人しかわからない」といっていたのに

最後には「♪誰にもわからない」に陥ってしまう。

 

 

イントロの、洞窟の中をさまよっているようなサウンドや

浜崎の泣きそうな鼻にかかった歌声が

余計に出口のない負のスパイラル感を演出(?)している。

 

 

だけど、

だけどだよ?

 

どうみても、この二人って幸せだよね。

幸せだからこそ、その幸せを失うことが怖くてしょうがない。

 

神田川』(かぐや姫/1973年)と一緒。

「♪ただ あなたのやさしさが 怖かった」

優しくされているのは、実は何か裏があるんじゃないかという、

ひねくれた意味ではもちろんない。

 

そして、『ら・ら・ら』(大黒摩季/1995年)と似た

シチュエーションながら、もっとラブラブ期のお話。

 「♪人の心 裏の裏は ただの表だったりして」

裏か表か、表か裏か。

なんて変な方向に至らない、お幸せな時期のお話。

 

 

「♪今年の冬は二人して 見れるかな、過ごせるかな、言えるかな」

うわぁもう、幸せ妄想いっぱいじゃないですか。

 

見ようによってはものすごく贅沢な不安。

真冬にコタツでアイスを食べながら

糖分の摂り過ぎを憂いているに近い。

 

 

本人は不安でいっぱいでも、

ひとはそれをノロケという。

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

同時代の、宇多田ヒカルの楽曲についてもいえることだけど

浜崎の歌って、アレンジと歌唱が卑怯だよね。

いえ決して悪い意味ではなく。

 

この曲のことではないけども、

ぱっとしない楽曲でさえ、テクニックで

ヒットソングに押し上げてしまう。

 

だから正直悩むのよ。どの曲を採り上げたらよいのか。

浜崎の曲で一番売れたのは『Seasons』(2000年)らしいんだけど

それが一番かといえば、今ひとつピンと来ないというか。

売れた曲といい曲が合致しないというのではなく、

どれも一定水準を保っているせいで、あとは聴き手の好みと

その時々の心境や置かれている状況によってしまうのだ。

 

結果的に自分の最も好みの歌を選ばせていただいた。悪しからず。

 

こういうのも「ぜいたくな悩み」、なんだろうけど、

まとめて聴くとメリハリがないとつまらなく感じてしまうのは

自分がひねくれているせいなんだろうな。

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「appears」

~のように見える。の意。まんまですね。

まんまだけど、歌詞に1回も登場しないからタイトルと歌が全然結びつかない。

「恋人たちはとても幸せそうに」の歌、といった方が通りが良いのが困りモノ。

 

 

「それでも去年は離れていたよ」

この部分が非常に難解。

前の歌詞が「白く輝く雪がとても大好きで」なので、

文脈からすると、「大好きだけれど離れていた」のは「雪」になる。

去年は雪を見に行けなかったけど、今年は二人で行こうね!

なんていう無理解釈ができなくもないが

全体の流れからするとあまりにも唐突過ぎる。

 

離れていたのはやはり彼氏だろう。 

理由は不明だが、去年は一緒に過ごせなかったクリスマスを

今年は過ごしたいと願う一文であることは間違いない。

 

 

「薬指に光った指輪」

「恋人たち」なので、薬指の指環の意味するのが結婚指輪でないことは確か。

かなりピュアな付き合い方をしているので、

結婚指輪をしている同士の指輪→不倫ということでもないだろう。

 

普通に考えて婚約指輪か。

これは現実の指輪と考える必要はなく、

愛の誓いを「薬指の指輪」に例えていると考えてもよい。

 

お互い、何度も愛の約束を破ろうかと思ってきた。

これはそのたびに乗り越えてきたことの証明である。

 

もしかしたら、マリッジブルーの歌か?これ。

 

  

 

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LOVEppears

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appearsシングルジャケット/amazonより

作詞 浜崎あゆみ、作曲 菊池一仁、編曲 佐藤あつし

1999年(平成11年)11月10日、エイベックスより発売

 

歌詞はうたまっぷ

浜崎あゆみ/歌詞:appears/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

appears - Wikipedia

 

30万枚限定のシングル売り上げが、31万枚と書いてあるのが

なんとも微笑ましい。誰だこれ書いたの(笑)

 

 

オリコン最高位2位(年間81位/1999年)

脚注