日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『楓』 スピッツ ~ 意味深でありすぎることは、深い意味は無いに近しい

スピッツの歌詞の世界は、かくも意味深であって 深読みしようとすればするほど、各々聴き手の妄想の世界に突入していってしまう。 タイトルにしたって、物語のどこに楓が登場するかっていう問題に対し、 歌詞の中に木立の一本も見えないところを見ると*1 僕…

『ロカ』遊佐未森 ~ 変拍子をもクリアに透きとおらせる濾過装置

なにもこんなマイナーな曲を採り上げなくても、と思いつつ、 もしかしたらマニアックな層の来客を期待するスケベ心も持ちながら*1、 物陰からコッソリと声を大にして言いたいのは、 この歌がまれにみる5拍子の歌であるということ! 数少ない5拍子の曲として…

『One more time, One more chance』 山崎まさよし ~ 待ち人来たらず。だって待ち合わせていないので。

個人的願望としては、ここに歌われている「君」には なんとしてでも、生きていてもらいたい。 亡くした人に対して遂げられなかった思いを 夢のような奇跡の物語で叶えるなんて話は もはやあらゆるジャンルの物語で、手を変え品を変え語りつくされており 正直…

『ALICE』My Little Lover ~ 時計の針も逆さに回る、文字化けの森のアリス

たしか中学2年の時だったと思う。 英語の授業において実にトンデモないことが流行した。 たとえば、日本語訳が『Aが~すると、決まってBは…になる』 という英語構文があったとする。 この「~」や「…」を「ピー」とか「プー」などと読むのだ。 『Aがピーする…

『グロリアス』 GLAY ~ あの頃の俺選手権、いつまでも夢見ていたい代表

ちょっと面白いことに、 この曲、一聴してシンプルな印象を受けるのに 聴きこんでいくと、意外に展開していることに気づく。 要は、構成が凝っているのだ。 わかりやすいところで例を挙げると、 曲のタイトルである「グロリアス」 これが歌われるのは1番のク…

『借金大王』 ウルフルズ ~ 胸の中で毒づくけどホントは声に出して言いたい日本語

ドコを切り取っても、純度100パーセント、 混じりっけナシのロックンロール。 そりゃあもう、『完全無欠のロックンローラー』(1981年/アラジン/※試聴環境がないようです by) なんか、まるっきりメじゃないほど完全無欠なロックンロール。 チャック・…

『DA. YO. NE』 EAST END×YURI ~ だってラッパーちゃんだから、何でもありだYo。

あえて小難しい言葉でいうならば、 この曲が「ラップ」なる音楽的指向の 市井における嚆矢であることに関して是非に及ばず、 といえる。 難しい言葉にすることには、自己満足以外の意味がないので、 解るように砕けた言い方をすると、 やっぱ、どーあがいて…

『まゆみ』 KAN ~ 無償の愛、受ける側には結構ありがたくない

たぶん守秘義務があるので、詳しいことは言えないが ときどき仕事で有名無名のミュージシャンの動向を知ることがある。 世間的には、『愛は勝つ』(1990年/※試聴環境がないようです by)で 一発屋として知られるKAN(失礼)が 「弾き語りばったり」とかいう…

『YAH YAH YAH』 Chage&ASKA ~ 宗教勧誘と見紛うばかりのポジティブリード

ずいぶん紆余曲折をするグループだよなと思っていた。 谷村新司と堀内孝雄のダブルボーカルグループ・アリスのような、 歌謡曲風のフォークロック 『ひとり咲き』(1979年/※試聴環境がないようです by)でデビューし、 あからさまなアジアンテイストの 『万…

『WOMAN』 アン・ルイス ~ 刺激的なコト言っちゃうし。難解なコトやっちゃうし。

てっきり昭和の歌だと思っていたが、案外平成の歌だった。 といっても昭和も明けたてホヤホヤの平成元年のこと。 イケイケに唸り上げるエレキギターのイントロに導かれ 飛び出した言葉は、「♪つわものどもが夢の跡だね」。 思いもかけず芭蕉の句が飛び出てき…

『涙のリクエスト』チェッカーズ ~ 呪いの言葉を隠したリクエスト

ウルフルズにとってのそれは、 古きよきロックンロールに、現代の演奏テクニックを導入することであり、 ゆずにとってのそれは、 古きよきフォークソングに、ポップスのリズムを導入することであり、 チェッカーズにとってのそれは、 古きよきロカビリーに、…

『与作』北島三郎 ~ 実はこれが描きたかっただけだったりする。

「♪与作は ペェ*1 を 切る~」 「♪対々トイトイ和ホゥ*2~」 「♪対々トイトイ和ホゥ~」 *3 「♪(ンカァァァァァァ・・・・!!)」 *4 おしまい。 シングルジャケット/amazonより 与作千昌夫演歌¥250provided courtesy of iTunes これは千昌夫によるバージョ…

『駅』 竹内まりや ~ 別れても好きな人、にならなくて本当によかったと思う

メロディーを無視して伴奏だけ聴いていると、 なんだかものすごく不穏な空気が流れていることに気付く。 ドッド、、、、ドッド、、、と、 ゆっくり迫りくるようなバスドラムの音や、 時折不協和音のように1拍だけ挟まれる、違和感のあるコードなど、 まるで…

『アメリカン・フィーリング』 サーカス ~ 滑川市民に告ぐ!今こそ立ち上がれ!

なぜだ。なぜなんだ。 昔からずっと疑問だった。 誰も気づかないのか。 気づいていても馬鹿らしくてやらないのか。 それとも著作権者の許可が下りないのか。 それとも実はやったけど不発だったのか*1。 富山県、蜃気楼で有名な魚津市の隣に、滑川なめりかわ…

『上を向いて歩こう』 坂本九 ~ ハヒフヘホ母音が生んだ日本唯一の奇蹟

楽曲自体、それほど突出した印象のものとは思わないけれど、 これを挙げないわけにはいかない。よね? 後にも先にも、全米の総合シングルチャートで 1位を獲得したことのある日本の曲はこれだけなのだから。 米ビルボード誌3週連続1位、年間13位という、 ど…

つづく。

いやいや、長かったよぅ百名曲。 ほぼ2年かかりました。 ここまでの全体を見渡すと、意識的にバラードを排除したおかげで なかなかバラエティに富んだ選曲になったと思う。 「名曲」っていうと、とうとうと歌い上げる系の 楽曲を集めてしまいがちだからね。 …

『虹と雪のバラード』トワ・エ・モワ ~ おおらかな時代の、希望に満ちた色とりどりの夢物語

生まれるよりも前の話なので、まったく世代ではないのだが、 個人的にオリンピック・ソングといえばこれ。 なんと言っても、歌詞に「オリンピック」が出てくるではないか。 ・・などというつもりはないが、 権利関係がややこしい現代では、歌詞にもタイトル…

『My Revolution』 渡辺美里 ~ 明日のためにすべてのフラグを立てる超感覚

ようやくコツをつかんだ、 きっとそんな状況なんだろう。 「♪わかり始めたMy Revolution 明日を乱すことさ 誰かに伝えたいよ My Tears, My Dreams 今すぐ!」 本人は何か決定的なポイントを掴んだつもりなんだろうが、 周りからすれば、何を言っているのかわ…

『B・BLUE』 BOØWY ~ Bの意味するところ。考える人の数だけ答えはある

“作者のもっとも言いたかったことは何か?” というかなりの無茶問題が、しばしば国語のテストに見受けられる。 「知るかボケ」 が最も適切かつ適格な答えだと思うが、 今も昔もそんな答えは許されないようなので テストに於いてはそれっぽい回答を用意しなく…

『even if』平井堅 ~ 妄想は心に思う分には無害だが口にするとキモイ

女を酒に酔わせて、どうこうしようという妄想を抱くお話。 解説、おしまい! いや、、、これで終わっては身も蓋もない。 もう少し具体的に内容を詰めていこう。 彼氏持ちの女友達。ひそかに思いを寄せる相手を この主人公、どういう手を使ったか、 事前にリ…

『appears』 浜崎あゆみ ~ ぜいたくな悩みだよね。本人は深刻なんだろうけども

曲の終盤にあらわれる、しつこいぐらいの念押しが 主人公の今の心のありようを物語っている。 「♪まるで全てが そう、まるで何もかも全てが 全てのことが」 曲の進行を捻じ曲げてまで、 しつこく、しつこく、しつこく。 「♪うまくいっている かのように 見え…

『花葬』 L'Arc~en~Ciel ~ 失われたものは美しいが、残ったものはただの無残

ラルクことL'Arc~en~Cielの存在自体は 結構早い段階から認識していた。 というのも、うちの弟が地元*1ミュージシャンの黒夢とセット(?)で インディーズのアルバムCDやビデオを所持していたためだが、 それらのジャケットの雰囲気のせいだろう バンドや…

『今宵の月のように』 エレファントカシマシ ~ 醒めつつも前向き、な感じがカッコイイと思うお年頃

街灯もまばらな夜道。 妙に輪郭のはっきりとした自分の影を足元に見つけ 思わず背後を振り仰ぐと、そこには ぽっかりと満月が浮かんでいたりする。 月の光って意外と明るいんだよね。 いつか、今夜の月のように光り輝くんだ、という なんだか少し遠慮がち聞…

『田園』 玉置浩二 ~ 本当にみんないるのかな。自分だけハブかれてない?

『田園』という、本文中にカケラも登場しないタイトルもさることながら 歌詞にしたって、結論として何が言いたいのか正直よくわからない。 難しい言葉なんて全く使われていないのに。 「僕」は、石ころを蹴飛ばし、夕陽に泣き、 陽だまりの中、がむしゃらに…

『名もなき詩』 Mr.Children ~ プライドを捨てきれていないのは、自分。

なんでこの歌には名前が無いんだろう。 そんな本質とは離れた、比較的どうでもいいことを深く考え始めると 思考はドツボにはまっていく。 名前がない状態というのには いくつかパターンがあると思う。 ひとつは、まだ名前が付けられていない状態。 出生届を…

『Hello, Again ~昔からある場所~』 /My Little Lover ~ 君と、僕と、冒険心と、ほんの少しの郷愁と。

詩と、小説との一番の大きな違いは、 周囲の状況や、登場人物が誰であるか、 そういったことが具体的に語られないところにあると思う。 小説だったら、光景がぱっと眼前に浮かぶような風景の描写から始まり、 名指しで書かれた主人公が、いま何をしている、 …

『KNOCKIN' ON YOUR DOOR』 L<->R ~つたなさがにじむ青い応援歌

「♪あのきむにゅどぅ~」 いや、言えてないし(笑)。 個人的に、テレビの音楽番組というものを全く見ないため、 歌は知ってても、誰のなんていう曲か まったく知らないなんてことがざらにある。 L<->Rとかいう妙な名前のバンド*1の、 「Knokin' on your doo…

『夏を待ちきれなくて』 TUBE ~ 覆水盆に還らず、という言葉を知らんのか。

いいよ、君が望むなら別れよう。 だけどまたすぐに恋人同士に戻れるさ! もうすぐ夏がやってくるからね! 「♪サヨナラから始めよう 燃えるような恋してみよう」 「♪もう一度やり直せそう 夏を待ちきれなくて」 ポジティブ・シンキングにもほどがある。 何の…

『世界中の誰よりきっと』 中山美穂 & WANDS ~ オマエの日本語ってなんだか変だよな。イヤ解るけどさ

キャッチ―でメロディアスなんだけど、 なんだかとっても捉えどころのない曲。 なにより歌詞の意味するところが曖昧で ちっとも直接的でない。 歌ってて小恥ずかしくなるようなラブソングでもなければ、 心揺さぶる熱いメッセージソングでもない。 身近な恋に…

『Diamonds』 プリンセス・プリンセス ~ 偏見に突き付けた、若き挑戦状

知っててワザと勘違いされるように言っているとしか思えない。 「♪私を動かすのは ダイアモンド」 時代の熱気に浮かれまくった若き女性たち。 とびっきり高価なものをちらつかせない限り、絶対になびかない。 そんな偏見に満ちた世の中に、挑戦状のように あ…