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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『even if』平井堅 ~ 妄想を心に思う分には無害だが口にするとキモイ

女を酒に酔わせて、どうこうしようという妄想を抱くお話。 解説、おしまい! いや、これで終わっては身も蓋もない。 もう少し具体的に内容を詰めていこう。 彼氏持ちの女友達。ひそかに思いを寄せる相手を この主人公、どういう手を使ったか、 事前にリサー…

『appears』 浜崎あゆみ ~ ぜいたくな悩みだよね。本人は深刻なんだろうけど

曲の終盤の、しつこいぐらいの念押しが 主人公の今の心のありようを物語っている。 「♪まるで全てが そう、まるで何もかも全てが 全てのことが」 曲の進行を捻じ曲げてまで、 しつこく、しつこく、しつこく。 「♪うまくいっている かのように 見えるよね」 …

『花葬』 L'Arc~en~Ciel ~ 失われたものは美しいが、残ったものは無残だろう

ラルクことL'Arc~en~Cielの存在自体は 結構早い段階から認識していた。 というのも、うちの弟が地元*1ミュージシャンの黒夢とセット(?)で インディーズのアルバムCDやビデオを所持していたためだが、 それらのジャケットの雰囲気のせいだろう バンドや…

『今宵の月のように』 エレファントカシマシ ~ 醒めつつも前向きな感じがカッコイイと思うお年頃

街灯もまばらな夜道。 妙に輪郭のはっきりとした自分の影を足元に見つけ 思わず背後を振り仰ぐと、そこには ぽっかりと満月が浮かんでいたりする。 月の光って意外と明るいんだよね。 いつか、今夜の月のように光り輝くんだ、という なんだか少し遠慮がち聞…

『田園』 玉置浩二 ~ 本当にみんないるのかな。自分だけはじかれてない?

『田園』という、本文中にカケラも登場しないタイトルもさることながら 歌詞にしたって、結論として何が言いたいのか正直よくわからない。 難しい言葉なんて全く使われていないのに。 「僕」は、石ころを蹴飛ばし、夕陽に泣き、 陽だまりの中、がむしゃらに…

『名もなき詩』 Mr.Children ~ プライドを捨てきれていないのは、自分。

なんでこの歌には名前が無いんだろう。 そんな本質とは離れた 比較的どうでもいいことを深く考え始めると 思考はドツボにはまっていく。 名前がない状態というのには いくつかパターンがあると思う。 ひとつは、まだ名前が付けられていない状態。 出生届を出…

『Hello, Again ~昔からある場所~』 /My Little Lover ~ 君と、僕と、冒険心と、ほんの少しの郷愁と。

詩と、小説との一番の大きな違いは、 周囲の状況や、登場人物が誰であるか 具体的に語られないところにあると思う。 小説だったら、光景がぱっと眼前に浮かぶような風景の描写から始まり、 名指しで書かれた主人公が、いま何をしている、 そんなところからス…

『KNOCKIN' ON YOUR DOOR』 L<->R ~つたなさがにじむ青い応援歌

「♪あのきむにゅどぅ~」 いや、言えてないし(笑)。 テレビの音楽番組というものを全く見ないため、 歌は知ってても、誰のなんていう曲か まったく知らないなんてことがざらにある。 L<->Rとかいう妙な名前のバンド*1の、 「Knokin' on your door」という…

『夏を待ちきれなくて』 TUBE ~ 覆水盆に還らず、という言葉を知らんのか。

いいよ、君が望むなら別れよう。 だけどまたすぐに恋人同士に戻れるさ! もうすぐ夏がやってくるからね! 「♪サヨナラから始めよう 燃えるような恋してみよう」 「♪もう一度やり直せそう 夏を待ちきれなくて」 ポジティブ・シンキングにもほどがある。 何の…

『世界中の誰よりきっと』 中山美穂 & WANDS ~ オマエの日本語ってなんだか変だよな。イヤ解るけどさ

キャッチ―でメロディアスなんだけど、 なんだかとっても捉えどころのない曲。 なにより歌詞の意味するところが曖昧で ちっとも直接的でない。 歌ってて小恥ずかしくなるようなラブソングでもなければ、 心揺さぶる熱いメッセージソングでもない。 身近な恋に…

『Diamonds』 プリンセス・プリンセス ~ 偏見に突き付けた、若き挑戦状

知ってて勘違いされるように言っているとしか思えない。 「♪私を動かすのは ダイアモンド」 時代の熱気に浮かれまくった若き女性たち。 とびっきり高価なものでもちらつかせない限り、絶対になびかない。 そんな偏見に満ちた世の中に、挑戦状のように あえて…

『川の流れのように』 美空ひばり ~ 平成は昭和の大きな残響から始まった

時系列から整理してみよう。 時は平成元年。 1月8日に始まった、平成のわずか4日目に この曲はシングルカットされた。 平成元年(1989年)1月11日のこと。 以下、昭和と平成の境目を反復するように時をたどる。 さかのぼって、およそひと月前。 この曲の初出は…

『スシ食いねェ!』 シブがき隊 ~ 寿司ネタの定番。ネタはネタでも話のネタ。

「江戸っ子だってねェ。」 「おぅ、神田の生まれよォ。」 どこの誰だか知らないけれど 誰もがみんな知っている*1この有名なセリフ。 そしてトドメはもちろん、 「寿司食いねェ!」。 長い話のなかの、ほんの一場面なんだろうけど*2、 セリフが独り歩きして幾…

『愛・おぼえていますか』 飯島真理 ~ ところで、愛って旅立つとどこに行くのだろう。

当初からこれがアニソン*1だとは 全く認識していなかった。 だが、出自を知った今になっても、 決してその認識は変わっていないと思う。 アニメソングという枠組みを超えて、純粋な楽曲としてもヒットした 『銀河鉄道999』(ゴダイゴ/1979年) 『CAT'S EYE…

『恋の予感』 安全地帯 ~ 恋に臆病な女は、キレイになる必要ないはずなのに。

ブラームスの交響曲第4番*1を彷彿とさせる 2音による構成が、何とも言えず物悲しい。 行間を読む、というか、 休符に込められた意味まで感じ取るように 求めてくるようだ。 なぜ・・・なぜ? 第三者による問いかけのようにも見えるが、 おそらくは、自らへの…

『天国にいちばん近い島』 原田知世 ~ とんでもねえ、あたしゃ神様じゃないよ

なんの予備知識も持たずに、ひとつの楽曲として聞くと、 なんだかいろいろと意味不明な部分が見え隠れする。 「♪二人には目印が光る」 これはおそろいの結婚指輪だろうか。 そうであれば、南の島に新婚旅行に訪れたカップルの物語、 と捉えるのが一番自然な…

『初恋』 村下孝蔵 ~ 覚えているのは名前だけ、エピソードなんてそんなもん。

先に謝っておく。 たぶんいろいろ失礼なこと言ってしまうから。 ごめんなさい。本当にごめんなさい。 村下孝蔵。以前より、 絶対、名前で損してるよな、と思っていたけど、 今回この稿を書くにあたり、初めてご本人の尊顔を拝見し、 ああ、容姿でも損をして…

『もしも明日が・・・。』 わらべ ~ 大げさなんだよ、今生の別れでもあるまい・・・し?

前作、『めだかの兄弟』(1982年)に引き続いての新作童謡。 習作のようなアレンジで大ヒットした前作とうって変わって、 凝ったアレンジを引っ提げての登場となった。 大ヒット曲の次に多いんだよね。こういうの。 いやらしい話、金と時間がかけられるもの…

『Yes-No』 オフコース ~ 心の中での問いかけだとしたら、答えは返らない。

遠くかすかにこだまする、草笛のような音色*1。 風に乗ってほのかに聞こえてくるかのようだ。 あまりに静かな、そんな印象の立ち上がりに、 「無音」と判断した車載のFMトランスミッター*2は 情け容赦なく省エネモードを発動、 音の出力をOFFにしてしまう。 …

『チャンピオン』 アリス ~ 不思議の国ジャパンの汗臭いアリス。

いやになるくらい、汗臭い。 そいでもって、男臭い。 そんなイメージのアリスの曲の中でも とびっきりの汗臭さと男臭さを持つ曲。 「チャンピオン」 翳があって、暗くて、 それでいてどこかカッコよくて、 なんだかもうすっかり、あしたのジョーの世界。 ア…

『わかれうた』 中島みゆき ~ 私小説的な物語。お笑いの自虐ネタではありません。

ねぇよ! 反射的に突っ込みたくなるくらい強烈な、 そんな問いかけから歌はスタートする。 「♪みちに倒れて 誰かの名を 呼び続けたことは ありますか?」 すごいね、これ。 名作と呼ばれる小説の多くは、 その書き出しが最も印象的だったりするが それらに勝…

『津軽海峡・冬景色』 石川さゆり ~ もはや条件反射。津軽海峡といえば、上野発。

暗転した舞台に、 三味線と鼓による『天城越え』(1986年)の カッコいいイントロに導かれて スポットライトを浴びた、石川さゆり登場。 途中、新曲や、自らの持ち歌以外のスタンダードを交えつつ、 『能登半島』(1977年)のようなヒット曲や 『ウイスキー…

『花嫁』 はしだのりひことクライマックス ~ 来ちゃった(てへぺろ)。まさかそんな嫁入りか!

小気味よい軽やかなリズムに乗せて 異様なほど伸びやかなボーカルが紡がれる。 そして歌詞を見て驚く。 これだけ?*1 そう。たったこれだけの文章。 言葉を発するたびにやたら空白があるわけでもない。 曲のテンポがスローなわけでもない。 曲の半分をも占め…

『帰って来たヨッパライ』 / ザ・フォーク・クルセイダーズ ~ 元ネタいくつ、みつけられるかな?

巡り合わせとはいえ、 これがオリコン史上初のミリオンセラー。 といっても、それまで100万枚売れた曲がなかったわけではなく オリコンが集計を開始した1968年以降で最初、 というだけのものだが、 選りによってしょっぱながこれ。 ・・・なんて幸先のいいス…

『星のフラメンコ』 西郷輝彦 ~ 情熱的とは程遠く。消極的なフラメンコ

なぜに? 「♪好きなんだけど 離れてるのさ 遠くで星を見るように」 なぜに? 「♪好きなんだけど 黙ってるのさ 大事な宝隠すように」 なんという消極さ! 情熱的なはず*1のフラメンコに乗せて 「♪壊したくない 無くしたくない」 同じ内容の歌詞を、言葉を替え…

『高原列車は行く』 岡本敦郎 ~ 日本のフニクラ・フニクラ、というわけではないらしい

「♪穿こう 穿こう 鬼のパンツ!」 のとんでもない邦訳(というより替え歌か?)でもおなじみの 『フニクラ・フニクラ』*1と同じような、 観光PRソングだとばかり思っていたが、 どうも違うらしい。 また、歌のモデルとなった鉄道は、 かつて長野県の軽井沢と…

『東京ラプソディ』 藤山一郎 ~ 華やかさの裏に忍び寄る影

そもそもラプソディとは何ぞや、 という疑問が先に立つ。 この、1936年の『東京ラプソディ』をはじめ、 『ボヘミアン・ラプソディ』(クィーン/1975年) 『新しいラプソディ』(井上陽水/1986年) 『ラプソディ・イン・ブルー』(DA PUMP/1998年)*1 など…

『東京音頭』 小唄勝太郎・三島一声 ~ 1932年生まれ、今なお現役。20世紀最大のヒット曲

「♪ハァ~」で始まる曲は数多くあれど、 その最高峰に位置し、いまだに盆踊りの代表曲であるこの曲は、 なんと1933年(昭和8年)のリリース。 三味線と小太鼓、合いの手の掛け声という、お座敷唄の様式をベースに、 太鼓と管弦楽伴奏を加えて音に厚みを持た…

『夏祭り』 whiteberry ~ 実のところ一発の花火だって打ちあがってはいないのだ

甘えるような猫なで声が、歌詞と相まって、 幼さの残る年頃の、恋物語を引き立てている。 男目線の歌を女性がボーカルをとることで、 さらに主人公の幼さを想像させる。 たぶん、中学生くらいなんだろうな。 「♪友達見つけて離れて歩いた」 男女二人っきりで…

『花火』 aiko ~ 泣いてまで諦めなければいけない恋とはいったい何か

つまりは、この「花火」っていうのは、 恋心のことなんだな。 理由はわからないけど、 どうしてもあきらめなければいけない恋。 「♪夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」 一歩引いた位置から俯瞰するように、客観的に自分の恋心を眺めてみた。 …

『So Young』 The Yellow Monkey ~ 坊やだからさ。あれ、自分で言っちゃったよ。

あぁしまった!そうだった! と関西弁で叫んでいるようにしか聞こえないが、 「そぉや~ん!!」こと、So Young。 The Yellow Monkeyの曲を ああ、これ凄くいいな、と最初に思った曲。 弟の持っていたベストアルバムに入っていた この曲をきっかけに、時代を…

『おなじ星』 Jungle Smile ~ 盛り上がりすぎて一方通行にならなければいいと願う。

カラオケでこの曲を選曲した人がいたら、 ぜひとも勝手にハモりパートを歌って迷惑がられたいと 日々思っているのだが、 ついぞその機会に巡り合わない。 というより、今まで一度も、 この曲やこのグループの話題が 会話に登場したことも 街角で巡り当たった…

『硝子の少年』 Kinki Kids ~ 少年に少年時代を振り返らせるナンセンスかな

歌い出しに現れる無音の瞬間にゾクっとくる。 随所にみられる、こういう ”古臭い”テイストがこの曲のキモ。 古臭いといっても、世代を超えた大昔ではなく、 ひとりの人間が、ふと余裕をもって 振り返ることができる程度の過去。 雰囲気からして、おおよそ10…

『強く儚い者たち』 Cocco ~ 悪魔のささやきの裏には、報われない恋の悲しみがある

時は大航海時代。 何かの物語の主題歌ではないことが不思議なくらいな、 なんとも寓話的なシチュエーション。 それにしても視点が斬新。 主人公の役どころは、 「悪魔のささやき」。 自分が悪女と思われることもいとわず、 余裕をもった口調で、 すべてお見…

『そばかす』 Judy and Mary ~ イイ思い出になるには、ちと時間が足りない模様

何とも奔放なギターが、ある種ほほえましい。 YUKIのヘタウマ*1なボーカルの後ろで、 ちょこまかと動き回るさまは、 テレビ中継のレポーターの後ろで、 映り込もうと跳びはねる悪ガキどものようだ。 リズムとか音程とか本当にこれでいいの? と疑ってしまいそ…

『誰より好きなのに』  古内東子 ~ 男女の親友関係が成立ってのも、あやふやなものだ

せつない内容の歌なのに、なんだかオシャレ。 ピアノを中心として、ベース、ギター、ドラムスといった アコースティック*1の楽器をそろえ、 トランペットを中心にしたブラスアンサンブルと ストリングスで、“大人な感じ”を演出している。 個人的にはストリン…

『Love Phantom』 B'z ~ 自分の作り出した亡霊に振り回され自暴自棄になるお話

B'zの松本孝弘というギタリストは、 自分で作曲とアレンジを行っていて、 かなりのテクニックを誇示しているクセに、 なぜか、一歩引いている印象を受ける。 自己顕示が少ないんじゃないかと。 わかる人にだけわかってもらえれば、OK。 少なくともレコードで…

『太陽が燃えている』 ザ・イエロー・モンキー ~ 妙に説得力のある骨太サウンド

まったくの個人的観点からすれば、 バンド・サウンドのベストはイエモンだと思う。 おそらく意識的に高音と重低音を排除し、 中低音にどっかと据えた骨太のサウンドに、 話し言葉のような日本語を載せている。 そのせいか、歌詞カードがなくても 何をしゃべ…

『ロビンソン』 スピッツ ~ 意味不明の雰囲気先行曲

日本の流行歌史上、大きな位置を占めるこの曲は 「君」を何と解釈するかによって、 大きく意味が変わってくる。 そもそも全体に抽象的で、暗喩のようなキーワードばかりで 何を言っているのかさっぱりわからないのだ。 普通にラブソングとして考えれば、 「…

『歩いて帰ろう』 斉藤和義 ~ レールからの脱却へのささやかな第一歩

歌詞を見ると案外愚痴っぽいのに、 なんだかとってもハッピーなうた。 みんなでワイワイと適当な楽器を持ち寄って、 せーので演奏してみるだけで、たぶんきっと 下手なりにもみんなハッピーになれる。 タンバリンをシャリシャリ鳴らしているだけでもいい。 …

『夏の日の1993』 class ~ 時代の粋を集めたバカップルの一発曲

好くぞ名付けたり、『夏の日の1993』 これで1993年の夏のヒット曲でなければ 嘘を通り越してペテンである。 リアルタイムの年を冠した曲はいくつかあれど*1、 実際は歌詞に登場しない記念碑的タイトルがほとんどで、 そのままズバリをメインの歌詞に据えてヒ…

『島唄』 ザ・ブーム ~ さとうきび畑、現代沖縄語訳

沖縄音楽の最大のヒットが、 このヤマトンチュ*1による『島唄』だったのは、 ちょっとした皮肉だったろうか。 しかし、 『ハイサイおじさん』*2(1976年)や 『すべての人の心に花を』(1980年)の喜納昌吉らが 長年かけてコツコツと浸透させてきた沖縄音楽…

『君がいるだけで』 米米クラブ ~ 移り気男の本命アピールタイム。そう、例えば、、、

おそらく本人たちも意図せぬままに、 トップまで登り詰めてしまった偉大なるマイナー、 米米クラブ*1。 この歌も、もしかしたら元々は トレンディー路線のポップスに対するパロディだったのかもしれない。 例えば、『君がいるだけで、心が強くなれる』 なん…

『悲しみは雪のように』 浜田省吾 ~ どんなに積もっても、いつかは解けるんだ

心の叫びを絞り出すような、心に響くメロディーに おもわず勘違いしそうになるが、 「♪心の底から誰かを愛することができるはず」 「♪誰もが Wow.. 愛する人の前を気づかずに通り過ぎてく」 自分の思いに気付いてくれない人に対して 遠回しに愛を伝えている…

『さよなら夏の日』 山下達郎 ~ 勝手な解釈は聴き手の自由(くれぐれも自己責任で)

毎回、もっともらしく歌詞の解説をしているが、 実はシチュエーションの設定次第で 解釈はどうとでもなることも多い。 こういうのを曲の懐の広さともいう。 懐の広さがあるからこそ、人は曲の中に 自分の実体験や、見聞きした物語との共通点を見出し (たと…

『花咲く旅路』 原由子 ~ 花びらの紫色は人生の色

ときはまだバブル景気の絶頂を引きずっている時期。 すべてが浮かれまくって 「♪24時間戦えますか?」なんて歌が流行った時代だが、 (『勇気のしるし』(牛若丸三郎太/1989年)) どういうわけかこの時代は、ノスタルジックな曲が特に目立つ。 浮かれすぎた…

『少年時代』 井上陽水 ~ 憧れを覚えていますか。いいえ忘れたことにしました。

和製ボブ・ディラン、といえば吉田拓郎のことだが、 いや和製ディランだったらむしろ 井上陽水のことだろう、と常々思っている。 どうやら自分の持つボブ・ディランのイメージと 世間の持つボブ・ディランのイメージに隔たりがあるらしい。 自分のイメージす…

『真夏の果実』 サザンオールスターズ ~ 夢の中にのみ残る、行きずりの恋物語

なんといっても、小林武史によるアレンジが秀逸。 トーンチャイム*1とハープのような音の 静かなイントロから導かれる 桑田佳祐のつぶやくような歌い出し。 切なさがあふれている。 ゴテゴテした装飾の一切ない、 シンプルアレンジの一本鎗で、 桑田のボーカ…

『未来予想図II』 ドリームズ・カム・トゥルー ~ シンプルで強い夢は、きっとかなう。

あらかじめ回数を決めた ポンピングブレーキ*1はやめましょう。 危ないし。 「♪ブレーキランプ5回点滅 ア・イ・シ・テ・ルのサイン」 かくいう自分も、実は何回かやったことはあるが、 去り際にやってもその場で相手の反応を知ることはできないので ただのミ…

『M』 プリンセス・プリンセス ~ 想いがブラックホール化している。立ち位置の問題か

あらためて歌詞をみて初めて気づいたのだが、 別れた相手を想い出にできなくて苦しい、 という単純な歌では、どうもないらしい。 彼に言われた別れの言葉が、 いつまでも頭の中でリフレインしていて、 逃れられない。 だけどなぜか、愛しさを忘れることがで…