洋楽ポップスのカバーを中心に活躍してきた
双子のデュオ*1、ザ・ピーナッツ。
やがてぽつぽつと出し始めたオリジナルソングが、この曲で大ヒットに至った。
洋楽メインでやってきたグループが、オリジナルソングでヒットを飛ばすのは
後のブリリアント・グリーンみたいな感じだと思うが、
ちょっとイメージちがうかな?
どちらが主旋律ともとらえきれないツインボーカルは、
声質こそ旧態依然とした「歌謡」の雰囲気を漂わせているものの、
曲全体をつつむ雰囲気が、新たな時代の音楽を予感させるものとなった。
ふたりのボーカルのほかは、
ウッドベースと、エレキギターと、ドラムスと、ブラスアンサンブル。
最低限の編成とも思える、それらの要素*2が奏でる、軽快なリズム。
作・編曲の宮川泰は、のちには
『宇宙戦艦ヤマト』(ささきいさお/1974年/ by
)や、
紅白歌合戦フィナーレの『蛍の光』における指揮をはじめとする、
雄壮なクラシック系のイメージが強くなるが、
むしろ、表題曲をはじめとする、ピーナッツと組んで発表した曲の数々や
『ズームイン!朝』メインテーマ( by
/1979年)のような、
底抜けに明るく軽快な曲にこそ、らしさがあると思う。
そして、開放的な歌詞。
「♪裸で恋をしよう 人魚のように」
文字にすると結構直接的でいやらしい歌詞だが、
開放的でカラッと明るい曲調が
むしろ、隠すことなく潔い、さっぱりとした健全な恋に印象を転化させている。
プラトニックで牧歌的な恋物語ではなく、
大人のいやらしさを感じるドロドロした愛憎物語でもなく。
あっけらかんとした、若者の憧れの混じったラブストーリー。
J-POPの歴史は、まさにここから始まったといっても、過言ではないと思う。
さぁ、いよいよ
日本のポップスの幕開けだ!
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
バラ色
バラ色という言葉は、そもそも色彩を表す言葉ではない。
文字通りの薔薇の色、主に薄紅や桃色系の色を指すとする解説が多いが
薔薇のように、色とりどりの花が存在する花を指して、色名とするには
各々が思い浮かべる色が違いすぎて、はっきり言って不適切と言わざるを得ない。
ここでいう「色」は、カラーではなく雰囲気。
「敗色」とか、「反省の色」とか、「色めく」という、
特定の色彩ではなく、状況をあらわすイメージを表現する語だ。
バラ色とは、「輝かしく明るいイメージの表現」と言えばいいだろうか。
バカンス
フランス語で「休暇」のこと。英語でいうとVACATION(バケーション)。
同名の歌*3のおかげで辞書を引かなくても綴りがわかる。♪楽しいな
現在入手可能な音源
ライブはもう見ることができないので、映像をどうぞ
脚注
*1:【デュオ】2人組の意。二人で歌う歌はデュエット。「コンビ」という言い方の方がなじみが深いが、それは和製英語なので、英語と間違えて使用しないように注意。
ちなみに3人組はトリオ、4人でカルテット、5人でクインテット。グループ名では、てんぷくトリオ、玉川カルテットなどお笑い系でときどき見かける(どちらも古い)が、デュオとかコンビがつくグループは見かけないな。ビューティー・ペア(これも古い)がそれに近いか。クインテットは、、、大好きなゲームメーカーだったのにな。・・・脱線が過ぎる。
*2:【最低限の編成とも思える、それらの要素】実際は、プラス男性コーラスが入っているが、個人的にはこれが邪魔だと思う。