日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『ちいさい秋みつけた』 ボニー・ジャックス ~ 胸に沁みる秋のうたは、病床のうたか

この美しい曲を挙げるのをすっかり忘れていた。

 

『想い出の渚』(ザ・ワイルド・ワンズ/1966年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)の回でふれたように、

夏のうたがノスタルジィ*1であるのならば、

秋のうたはロンリネス*2だろうか。

同じ回想でも、懐かしさよりも寂しさが先立つ。

 

主人公は、めかくし鬼さんの遊びに参加しているのではなく

窓越しに聞こえてくる音を頼りに、秋の情景を見ているのだろう。

病床にでもあるのだろうか、

おもわず物語「最後の一葉」(オー・ヘンリー)のワンシーン*3を思い浮かべてしまう。

 

 

f:id:outofjis:20170925231301j:plain
ジャケット/ネット上での拾い物(いけません)
ちいさい秋みつけた

ちいさい秋みつけた

  • ボニージャックス
  • J-Pop
  • ¥250
 
  • 作詞 サトウハチロー、作・編曲 中田喜直
  • 1962年(昭和37年)4月10日、キングレコードより発売のLP「サトウハチロー童謡集」に収録
  • 歌詞はうたまっぷへ:ちいさい秋みつけた ボニージャックス 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:ちいさい秋みつけた - Wikipedia
  •  

     

    元々は、NHKの番組企画の童謡として作られた歌だそうだが、

    その数年後にボニー・ジャックスが歌ってヒット。

    秋のうたの代名詞のひとつとなった。

     

    物寂しげな前奏から、効果的な繰り返しの歌詞をへて

    こころ寂しくも美しいサビに突入する。

     

    「♪お部屋は北向き曇りのガラス うつろな目の色溶かしたミルク」

    病棟では、硝子だけでなく、目の色もうつろに曇りがちだ。

    そんな病室に、そとで遊ぶ子供たちの声がかすかに聞こえてくる。

    見える景色はわずかだが、風音や鳥の声、

    古ぼけた風見鶏に引っかかった、たった一枚の葉に

    主人公は、かすかに季節の手がかりを見い出している。

     

    病室で季節の変わり目を見るということは、

    ひと月やふた月の療養生活ではないのだろう。

     

     

    ん、沁みるね。

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    同じフレーズの繰り返しの多いこの歌、

    「♪誰かさんが・・・」は音程もまったく同じなので

    それぞれ少しずつ歌い方を変えないと、

    レコード針が飛んでいるようになってしまう。

    その気になればこの部分をエンドレスにして

    ギャグにすることも可能。

     

    次に来る「♪ちいさい秋・・・」は同じようでいて

    微妙に音程がかわっていく。

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    「めかくし鬼さん」

    鬼ごっこのひとつ。子供の遊びなので決まったルールはないが、「鬼さんコチラ、手の鳴る方へ」と手を叩きながら四方へ後ずさりする。目隠しした鬼にタッチされたら負け。

    逃げる側は、走ったり遠くへ行ったら反則だが、相手が目隠ししていることをいいことに、結構卑怯なふるまいをするため、一つ間違えたらいじめのようになりかねない。鬼は年長者などの強めの者がやるのが、遊びが成立するコツ。

     

    「入日色(いりひいろ)」

    漢字で書くと解説はあまりいらない。夕焼けの色。

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 7曲目/試聴可能 

    そして葉桜のとき~ボニージャックスこころのうた

    そして葉桜のとき~ボニージャックスこころのうた

     

    脚注

    *1:Nostalgie フランス語らしい。日本語でいえば郷愁

    *2:loneliness これは英語。孤独。物悲しさ。

    *3:あの最後の葉っぱが落ちたら私の命も終わるんだ、というのは最近はギャグでも見かけなくなった