日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『ジョニィへの伝言』『五番街のマリーへ』 / ペドロ&カプリシャス ~ 人を介さないとお互いコミュニケーション不能らしい

すっかり、シングルのA面・B面曲*1だと信じ切っていた。

 

そんな、初めからひと組の楽曲として

作られたのじゃないかと思ってしまうくらい、

見事な対比をみせているこの2曲。

別々に作られたものと知ったのは後になってからのこと。

 

 

何も具体的な描写はないが、

どこかヨーロッパの古都を思わせる雰囲気の中、

踊り娘のマリーと、素性不明の男ジョニィの

終わった恋を歌う切ない歌だ。

 

ヨーロッパの、といったものの、主人公たちの名前以外に

それを思わせるものはほとんどない。

むしろ名前の響きとしてはアメリカ的かもしれない。

 

しかし、クラシックギターの音色に誘われるがままに

聴き手の心は、いずことも知れぬヨーロッパの地へといざなわれる。

 

 

ジョニィへの伝言 [EPレコード 7inch]
シングルジャケット/amazonより
ジョニィへの伝言

ジョニィへの伝言

  • ペドロ & カプリシャス
  • J-Pop
  • ¥250
 
  • 作詞 阿久悠、作曲・編曲 都倉俊一
  • 1973年(昭和48年)3月10日、芸音レコードより発売
  • オリコン最高位24位(年間85位/1973年)もっと売れていたと思っていた。意外・・!
  • 歌詞はうたまっぷへ:ジョニィへの伝言 ペドロ&カプリシャス 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:ジョニィへの伝言 - Wikipedia
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    ボーカルの高橋真梨子(当時の芸名は高橋まり)の芯の強い歌声が

    両者の切ない想いをひしひしと綴っている。

     

    ・・・といってもこの二人を

    “ジョニィ”と“マリー”の二人だと

    結びつけるものは、

    実は、何もない。

     

    『ジョニィへの伝言』で、伝言を残していく名もなき女は、

    “ジョニィ”という恋人を酒場で2時間待ち続けていたが、

    バーテン*2に伝言を残して街を出る。*3

    「♪西でも東でも」という歌詞からして、あてのある旅ではない。

     

     

    五番街のマリーへ』の主人公である、これも名もなき男は、

    かつて暮らした五番街に向かうという人に、

    昔の恋人、“マリー”の消息を尋ねている。

    「♪もしも嫁に行って 今がとても幸せなら 寄らずにほしい」

    未練たっぷり。

    なぜあの時追いかけなかったのだろう。

     

     

    五番街のマリーへ[EPレコード7inch]
    シングルジャケット/amazonより
    五番街のマリーへ

    五番街のマリーへ

    • ペドロ & カプリシャス
    • J-Pop
    • ¥200
     
  • 作詞 阿久悠、作曲・編曲 都倉俊一
  • 1973年(昭和48年)10月25日、芸音レコードより発売
  • オリコン最高位18位(年間68位/1974年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:五番街のマリーへ ペドロ&カプリシャス 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:五番街のマリーへ - Wikipedia
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    片や女、片や男、それぞれ視点から、人を介して

    相手にコンタクトを取ろうとしているのは共通。

    別々の曲でありながら、

    「女」はマリーで、

    「男」はジョニィであると、

    -この二人の物語であると-

    いうことを疑う余地がない。

     

     

    この確信犯は、

    このあと日本の歌謡史に一時代を築く、阿久悠その人。

    ピンクレディーを擁して、同じ都倉俊一とのコンビで

    非日常の世界を作り上げていくのは、もう少し先の話。

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

     「♪今度のバスで行く西でも東でも」から「♪寂しげな街ねこの町は」までの

    高橋真理子のボーカルは圧巻。

    寂しいはずの場面に、

    この力強いボーカルをもってこられては

    いや、まいった。

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    ペドロ&カプリシャス

    カプリシャスは英語でcapricious。「気まぐれ」「移り気」の意。

    バンド名にある「ペドロ」はリーダーのペドロ梅村のこと。

     

    ペドロと気ままな仲間たち、くらいの意味か。

     

    ボーカルが一番目立つので、ボーカルの名前と思いがちだが

    ペドロ梅村はバンドの主軸楽器を受け持っているわけでもないので、

    珍しい存在かも。

    ちなみに、高橋まりは、バンド2代目のボーカル。

    初代の前野曜子の時代には『別れの朝』(1971年/ by)をヒットさせている。

     

    似たような(?)バンドの例に、敏いとうとハッピー&ブルーがある

     

     

    「根っから陽気にできてるの」

    「気が付けばさみしげな街ね」

    どちらも強がりから来ている言葉と思われる。

    自分は楽天的だから心配いらない、と自らを励まし、

    思えば大した街じゃなかった、とこの街への未練を断ち切ろうとしている。

    自分でも強がりを言っていることに気付いているのか、

    「そこのところうまく伝えて」としている

     

    「今度のバス」

    何故「バス」か不明。「汽車」でも良かった気がするが。

    母音が「あ」で始まる言葉の方が響きが良いという選択が大きいのかもしれない。

    ヨーロッパのバス事情、誰かわかりますか。

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 1・2曲目/試聴可能 

     

    脚注

    *1:当時のレコードは盤の表裏に録音されており、それぞれの面に曲を収録していた。「A面」がメインで、「B面」はオマケの要素が強かった。CDシングルでいうならC/W(カップリング・ウィズ)の関係。

    *2:注:「酒場」も「バーテン」も雰囲気からの、あくまで連想でしかない

    *3:後の高橋真梨子の曲『あなたの空を翔びたい』(1978年/ by)にあるような「♪まさか追いかけて来ないなんて思わずにいたから・・」のような状況だろうか