日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『たそがれの銀座』 黒沢明とロス・プリモス ~ 数え歌になり損ねたかムード歌謡

日本のポピュラー・ソングの王道が

ロック・ポップス*1に移り代わり、

その傍流として

フォーク*2やニュー・ミュージック*3が台頭してきた。

 

そして、古いタイプのうたは

「歌謡曲」という

新たなジャンル名を頂戴して、

独自の進化を遂げていく。

 

その中に、「ムード歌謡」という名を与えられた

枝葉的なジャンルが発生した。

大雑把に定義するならば、ラテンのリズム*4に乗せて、

コーラスグループが歌う歌謡曲を指すものと思う。

 

歌詞の分類でさらに2系統に分かれ、

おっさんらのグループがが女心を歌うものと、

特定の地域を題材にしたものとがあり、

後者は「ご当地ソング」とも称される。

 

ムード歌謡の歌い手は、

この『たそがれの銀座』や『ラブユー東京』(1966年)を代表曲に持つ

黒沢明ロス・プリモスや、

 『長崎は今日も雨だった』(1969年)、『東京砂漠』(1976年)の

内山田洋とクールファイブ

 『星降る街角』(1972年)、『よせばいいのに』(1979年)の

敏いとうとハッピー&ブルー、といった面々にはじまって、

 

末は『さよならイエスタデイ』(1991年)、『ガラスのメモリーズ』(1992年)のTUBEと、

意外なところに至ってしまう系譜である。

 

 

・・・ジャンルの説明は、ある種無意味だ。

細かく分ければきりがないし、果てには

「B'zというのは、それで一つのジャンルである」

のような極論まで飛び出してしまう。

 

しかし、カテゴリ分けされることで、

まだ見ぬ次なる曲を見出すきっかけにもなるし、

何より説明が容易になる。

 

 

前置きが長い。

 

この『たそがれの銀座』は、

そのジャンルのうち、「ご当地ソング」の

どストライクに位置する。

 

 

ゆったりとした軽いリズムに乗って

暮れゆくの銀座の、ネオンサインがともるまでの

わずかな時間の情景を歌う。

 

気ままに生きる女たちの情景を。

 

銀座という地名は飾りに過ぎない。

あくまで主役は彼女たちだ。

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

銀座の1丁目から始まって、八丁目までの

ありふれた情景を歌うこの曲、

 

元々は数え歌のような歌詞を目指していたのかもしれない。

「♪六丁目の ナ(七)ツコは・・・」

「♪八丁目の ク(九)ラブで・・・」

などにそれらしき名残が見て取れる。

 

歌いだしも

「♪ふた(二)りだけのところを だれかにみ(三)られ」

から始まるしね。

 

そんなことを考えているとあれもこれも

「三丁目の サ(三)ロン」のように

そこかしこが数字に関係しているように見えてしまう。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「たそがれ」

漢字で「黄昏」と書くが、本来の字は「誰そ彼」。日が暮れて人の顔かたちが判らなくなる時間帯のこと。「黄昏」は漢語に同じような意味を持つ日本語の読みをあてた宛字。「百日紅」を「さるすべり」と読むのに似ている。

 

「数寄屋橋は消えても銀座は残る 柳とともにいつまでも」

数寄屋橋はかつて江戸城(皇居)の外堀が埋められる前に存在した橋。現在は地名にのみ残る。『東京行進曲』(1929年/佐藤千夜子)や『東京ラプソディ』(1936年/藤山一郎)など、数々のうたに歌われた柳は、消えては復活を繰り返しつつ現在に至る。

 

 

amazonで現在入手可能な収録CD 2曲目/試聴可能
ロス・プリモス 40周年記念・ベストヒット

ロス・プリモス 40周年記念・ベストヒット

 

 

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たそがれの銀座 (MEG-CD)シングルジャケット(復刻)/amazonより

作詞 古木花江、作曲 中川博之、編曲 小杉仁三

1968年(昭和43年)5月1日、 クラウンレコードより発売

 

歌詞は歌ネットへ

たそがれの銀座 - 黒沢明とロス・プリモス - 歌詞 : 歌ネット

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

ロス・プリモス - Wikipedia

 

オリコン最高位 7位(年間32位/1968年)

あの時代のヒット曲Vol.25!1968/6/24付オリコンチャート | ORICON STYLE

 

 

脚注

*1:諸説あるが、ロックとポップスは本質的には同じもの。4拍子の2拍目と4拍目にアクセントが入る楽曲の総称

*2:アメリカ民謡から派生した、電気音を使わないアコースティック楽器をメインにした楽曲

*3:フォークとポップスの融合した日本独自のジャンル名。井上陽水荒井由実の楽曲などに称された。現在J-POPと称されるものとだいたい同じあいまいな分類名。

*4:主に中南米の楽曲を指す。サンバやマンボ、タンゴ、レゲエ、ボサノバなど多様にわたる。