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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『東京』 マイ・ペース ~ 東京東京うるさいんだよう

1971~1975

『東京』の名を冠した歌は多くあれど、

個人的にもっとも好きな曲がこれ。

 

「東京」という言葉の繰り返し頻度でも群を抜いている。

連呼すればいいってもんでもないが。*1

 

 

おそらく遠距離恋愛という言葉も定着していなかった頃だろう。

曲は印象的なフルートの音色で始まる。

 

淡々としたメロディーの中、

東京、東京、と繰り返しているうち感極まったように

切なく力強いサビに突入し、

最後はどのパートがメロディーラインか

わからなくなるような

ハーモニーで締めくくられる。

 

 

出発する列車が、二人を猛烈な速度で遠ざけていく。

 

テーマはイルカの『なごり雪』(1975年)に似ているが、

こちらの方が1年ほど前。

それを言うのであれば、オリジナルの

なごり雪』(かぐや姫/1974年)はさらに半年くらい前だが、

情報やレコードの制作過程のゆったりとした当時のこと、

どちらが先とも言えない。

時代の帰趨による偶然の一致かもしれない。

 

当時の地方出身者、作り手たちから感じる東京は

こういった、汽車が東京を出発するところで

初めて離れがたいと認識する街だったのかもしれない。

 

いや、今でもそうかもしれない。

行きは揚々と、帰りは後ろ髪引かれる街。

 

東京から、もしくは東京への距離と、

人の絆とを絡めた曲は多く、

木綿のハンカチーフ』(太田裕美/1975年)

あずさ2号』(狩人/1977年)

『大阪で生まれた女』(BORO/1979年)

『帰ってこいよ』(松村和子/1980年)

上・京・物・語』(シャ乱Q/1994年)

など、枚挙にいとまがない。

 

そして、そこで終わってしまう恋の歌も多い。

 

 『東京』の二人の物語は

この先、どこまで続くのだろう。

 

破局の予感が、いやがおうにも

物語を盛り上げる。

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

淡々としたAメロの部分、ここの出だしの

メロディーライン、特に歌いだしのタイミングが

毎回すいぶんと異なる。

おそらく歌詞の文字数が全然違うせいだろう。

 

「♪さいしゅうでんしゃで きみにさよなら

              いつまたあえると きいたきみのことばが」

「♪なにもおもわず でんしゃにとびのり

              きみのとうきょうへ とうきょうへと でかけました」

「♪きみはいつでも やさしくほほえむ

              だけどこころは むなしくなるばかり」

「♪きみにわらって さようならいって

              でんしゃははしる とおいみちを」

 

フォークの歌詞というのは、

えてしてこんなものなのかもしれないが、

実はこれの示すところは別のところにある。

 

詞と、曲と、歌と

それぞれ分業でやっているとこの現象は起こりにくい。

ある程度の約束事の元分担しないと

作る段階で行き詰ってしまうからだ。

 

詞が先にあるとき、1番、2番、3番と

同じような文字数にしないと、曲をどう作ればいいかわからない。

完全な散文にしてしまうと、

ボヘミアン・ラプソディ』(クィーン/1975年)のように

どんどん展開していく曲にならざるを得ない。

 

歌い手を考えないで、異常に高低差のある曲にしたり、

早すぎて演奏・歌唱できない曲にすることもできない。

 

一方、自ら作詞作曲・歌唱を行えば、

自分の限界を試しながら曲を作ることができる。

これは大きな差だろう。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

走馬燈

なんだか、今際の際に見るものというイメージが定着してしまったが、元は筒状のスクリーンに、内側から連続する影絵をスクロールさせて映し出す灯り。馬が走る絵柄で有名になったことからこの名になったのだろう。ロウソクの熱による上昇気流を利用して風車を回して回転させるので、灯りがついている間はエンドレスでめぐり続ける。

いろんな場面が、幻想的にめぐるめぐる現れるさまを言う言葉なので、別にこのときの主人公が死にかけているわけではない。

 

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ゴールデン☆ベスト マイ・ペース

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東京

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  • マイ・ペース
  • シンガーソングライター
  • ¥250

 

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東京 [EPレコード 7inch]シングルジャケット/amazonより

作詞・作曲 森田貢、編曲 穂口雄右

1974年(昭和49年)10月25日、日本ビクターより発売

 

歌詞はうたまっぷ

マイ・ペース/歌詞:東京/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

東京 (マイ・ペースの曲) - Wikipedia

 

オリコン最高位28位(年間53位/1975年)

 
脚注

*1:『セクシャルバイオレットNo.1』(桑名正博/1979年)じゃあるまいし。あれは連呼のおかげでCMソングに採用されたらしい。