日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『東京』 マイ・ペース ~ 東京東京うるさいんだよう

『東京』の名を冠した歌は多くあれど、

個人的にもっとも好きな曲がこれ。

 

「東京」という言葉の繰り返し頻度でも群を抜いている。

連呼すればいいってもんでもないが。*1

 

 

おそらく遠距離恋愛という言葉も定着していなかった頃だろう。

曲は印象的なフルートの音色で始まる。

 

淡々としたメロディーの中、

東京、東京、と繰り返しているうちに感極まったように

切なく力強いサビに突入し、

最後はどのパートがメロディーラインか

わからなくなるような

ハーモニーで締めくくられる。

 

 

東京 [EPレコード 7inch]
シングルジャケット/amazonより
東京

東京

  • マイ・ペース
  • J-Pop
  • ¥250
 
  • >作詞・作曲 森田貢、編曲 穂口雄右
  • 1974年(昭和49年)10月25日、日本ビクターより発売
  • オリコン最高位28位(年間53位/1975年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:東京 マイ・ペース 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:東京 (マイ・ペースの曲) - Wikipedia
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    出発する列車が、二人を猛烈な速度で遠ざけていく。

     

    シチュエーションはイルカの『なごり雪』(1975年/試聴はこの先から)に似ているが、

    マイ・ペースの『東京』の方が1年ほど前。

    それを言うのであれば、オリジナルの

    なごり雪』(かぐや姫/1974年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)は『東京』よりも半年くらい前だが、

    情報やレコードの制作過程のゆったりとした当時のこと、

    実際にはどちらが先とも言えない。

    時代の帰趨による必然ともいえる、単なる偶然の一致ではないかと思う。

     

    当時の地方出身者、作り手たちから感じる東京は

    こういった、汽車が東京を出発するところで

    初めて離れがたいと認識する街だったのかもしれない。

     

    いや、今でもそうなのかもしれない。

    行きは揚々と、帰りは後ろ髪引かれる街、それが大都会。

     

    東京から、もしくは東京への距離と、

    人の絆とを絡めた曲は多く、

    木綿のハンカチーフ』(太田裕美/1975年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード

    あずさ2号』(狩人/1977年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード

    『大阪で生まれた女』(BORO/1979年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード

    『帰ってこいよ』(松村和子/1980年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード

    上・京・物・語』(シャ乱Q/1994年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード

    など、枚挙にいとまがない。

     

    そして、そこで終わってしまう恋の歌もまた同じくらい多い。

     

     『東京』の二人の物語は

    この先、どこまで続くのだろう。

     

    既定路線のような破局の予感が、いやがおうにも

    物語を盛り上げる。

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    淡々としたAメロの部分、ここの出だしの

    メロディーライン、特に歌いだしのタイミングが

    毎回すいぶんと異なる。

    おそらく歌詞の文字数が全然違うせいだろう。

     

    「♪さいしゅうでんしゃで きみにさよなら

                  いつまたあえると きいたきみのことばが」

    「♪なにもおもわず でんしゃにとびのり

                  きみのとうきょうへ とうきょうへと でかけました」

    「♪きみはいつでも やさしくほほえむ

                  だけどこころは むなしくなるばかり」

    「♪きみにわらって さようならいって

                  でんしゃははしる とおいみちを」

     

    フォークの歌詞というのは、

    えてしてこんなものなのかもしれないが、

    実はこれの示すところは、文字数とは別のところにある。

     

    詞と、曲と、歌と

    それぞれ分業でやっているとこの現象は起こりにくい。

    ある程度の約束事の元分担しないと

    作る段階で行き詰ってしまうからだ。

     

    詞が先にあるとき、1番、2番、3番と

    同じような文字数にしないと、曲をどう作ればいいかわからない。

    完全な散文にしてしまうと、

    ボヘミアン・ラプソディ』(クィーン/1975年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)のように

    どんどん展開していく曲にならざるを得ない。

     

    歌い手の音域を考えないで、異常に高低差のある曲にしたり、

    早すぎて演奏・歌唱できない曲にすることもできない。

     

    一方、自ら作詞作曲・歌唱を行えば、

    自分たちの限界を試しながら曲を作ることができる。

    これは大きな差だろう。

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    走馬燈

    なんだかすっかりと、今際の際に見るものというイメージが定着してしまったが、

    元は筒状のスクリーンに、内側から連続する影絵をスクロールさせて映し出す灯りのこと。

    馬が走る絵柄で有名になったことからこの名になったのだろう。

    ロウソクの熱による上昇気流を利用して風車を回して回転させるので、

    灯りがついている間はエンドレスで同じ場面がめぐり続ける。

    いろんな場面が、幻想的にめぐるめぐる現れるさまを言う言葉なので、

    決してこのときの主人公が死にかけているわけではない。

     

    現在入手可能な収録CD 1曲目/視聴可能

     

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    ▼マイ・ペース
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。

    脚注

    *1:『セクシャルバイオレットNo.1』(桑名正博/1979年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)じゃあるまいし。あれは連呼のおかげでCMソングに採用されたとかなんとか。