日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『ペッパー警部』 ピンク・レディー ~ 過去記憶の捏造は、果たして曲による洗脳なのか

時々びっくりするのだけれど、

自分の記憶にある年代と、この記事を書くために調べて分かった年代に

結構なギャップがあることがある*1

 

 

ペッパー警部

幼少のころにテレビで見た記憶があるために

事細かに覚えているのだと思っていたが、

どうやら世代的に、リアルタイムで見てはいないようだ。

 

テレビで懐かしの映像などを見ているうちに、

その強烈なインパクトとともに

刷り込まれてしまったものなのだろう。

 

wikipediaの記述を見て、そうそう、曲の最後、

「♪ペッパー警部よッ! ジャンジャンジャンジャン!」って終わってたよなー、

でもレコードにはこの部分ないんだよなー、と自分の記憶との一致に膝を叩いたものだが、

これはまがい物の記憶だったらしい。

 

ペッパー警部[ピンク・レディー][EP盤] シングルジャケット/amazonより
  • 作詞 阿久悠、作曲・編曲 都倉俊一
  • 1976年(昭和51年)8月25日、ビクターレコードより発売
  • オリコン最高位4位(年間14位/1977年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:ペッパー警部 ピンク・レディー 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:ペッパー警部 - Wikipedia
  •  

    小さい頃は、リアルタイム映像と、そうでないもの、

    はたまた本当も嘘も、何もかも区別せずに

    すべてを今目の前にある現実として受け止めてしまう。

     

     

    それでもなぜか、練習したわけでもないのに、

    「♪ペッパー」と、親指と人差し指を正面から頭上にかざして

    「♪ケーブッ」と、顔の横で指で作った拳銃を構えるしぐさは

    下手くそながら見よう見まねでできると思う。

     

    幼少期の刷り込みとは、かくも恐ろしいものだ。

     

     

    それにしても、子供がみても、ただただ明るく楽しい。

    意味もなく、真似したくなる魅力にあふれている。

     

    これがいやらしく見えてしまうのだとすれば、

    どちらかといえば、それは受け止める側の問題だよな。

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    サビのベースライン*2が、

    何度聞いても、TVアニメ・タイムボカンのエンディングテーマ

    『それゆけガイコッツ』(ロイヤルナイツ/1975年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)を連想させてしまう。

    ・・・というか、よくよく年代見てみるとガイコッツのほうが前なのか。

    これも知らなかった。

     

     

    それはそうと、この『ペッパー警部』、

    いわゆるビッグバンドでやったら

    相当カッコいいのではないかと思う。

    ベース、ギター、ドラムスのリズム隊を中心に

    ブラスアンサンブルが駆け巡る的な感じに。

     

    それとは反対に、このまだ成熟していない時代のダンスミュージックを、

    下手に洗練されたものに仕上げようとして

    現代のダンスミュージックに寄ってっちゃうと

    かなり陳腐になるよね。きっと。

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    ペッパー警部

    おそらく深い意味はない。

    サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(ビートルズ/1967年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)の「ペパー軍曹」との関連性も指摘されるが、

    それよりもほぼ破裂音と長音のみで構成された「ペッパーケーブッ」という響きが、

    ノリで採用されたものと思われる。

    そういった意味では、別に「ジャッカーチョップ」や「脱藩勝負」などでもよかったはずだ。

    それらではまったくもって意味不明だが、それを言うのであればペッパー警部も大差ない。

    亜久悠であればそんな、プロレス技とおぼしき物語でも、

    お家騒動のようなテーマでもしっかり料理したに違いない。売れるかどうかは別として。

     

    「その時なの もしもし君たち帰りなさいと」

    「その時」は、たそがれ時。

    日が沈んで間もない時間帯に、そろそろ帰りなさいと

    やさしく語りかけられるところを見ると、二人は結構ガキだと思われる。

    恍惚の世界でイチャイチャしている風な描写が見られるけど、

    刺激的な言葉の装飾に惑わされているだけで、実際のところ囁きあってるだけだしね。

    2度目の「その時」は、星の出る頃。

    もう一度、たしなめられてそこでおしまい。

    それはそうと、警部の名前を知っているところを見ると、顔見知りなのだろう。

     

     

     

    現在入手可能な収録CD/視聴可能
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    ▼ 増田惠子
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    ▼ 未唯
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。

     

     

     

    脚注

    *1:変な響きだな。あることがある。

    *2:低音の楽器の旋律のこと