日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『中央フリーウェイ』 荒井由実 ~ 無自覚のままに時代が散りばめられたうた

中央道を八王子方面に向かって走っていて

頭をよぎったのは、やはりこの曲だった。

 

右手に競技場のようなものが見えたところで、ふとこの曲を思い出し、

ひょっとしてあれが競馬場だとすると、、

じゃあ左手に、、、この建物がビール工場?

あ、SUNTORYって書いてある。やっぱ間違いない。

 

 

今まで、ここを高速バスで通ったことは何回かあったが、

基本的に片側の窓からの景色しか見えないバスと違い、

自分で運転する車窓からは、

「♪右に見える競馬場 左はビール工場」

のタイミング通りに景色が流れていく。

ちょっといいもの見たような得した気分。

 

ところが助手席の奥様ときたら、

ああそういう歌詞なんだ、とそっけないご反応。

「♪中央freeway~」の部分しか知らないとのこと。さよけ。

 

 

14番目の月
アルバムジャケット/amazonより
中央フリーウェイ

中央フリーウェイ

これは、今井美樹によるカバー
  • 作詞・作曲 荒井由実、編曲 松任谷正隆
  • 1976年(昭和51年)11月20日、アルバム「14番目の月」に収録
  • 歌詞はうたまっぷへ:中央フリーウェイ 松任谷由実(荒井由実) 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:14番目の月 - Wikipedia
  •  

     

    その直後に、事故渋滞の長い車列にさえ当たらなければ

    時間帯はともかく歌詞通りだったのにな。

     

    現実は、

    この道は、まるで待ち行列 無限に続く~

    東京脱出に1時間以上かかりましたとさ。

     

     

     

    それはさておき、

    この頃のユーミンこと荒井由実の曲は、

    なぜこんなにもお洒落なのだろう。

     

    『卒業写真』(ハイファイセット/1975年/ by

    『いちご白書をもう一度』(バンバン/1975年/ by

    『冷たい雨』(ハイファイセット/1976年/ by

    のようなちょっと青臭い曲は

    ほかのミュージシャンに提供しつつ、

     

    やさしさに包まれたなら』(1974年/試聴はこの先から

    ルージュの伝言』(1975年/試聴はこの先から

    のようなおしゃれな曲を連発していた。

    『中央フリーウェイ』もそのうちのひとつ。

     

    こぼれるような電子ピアノと、

    自己主張しすぎない

    軽やかなギター、ドラムス、ベース のリズムセクション

    まるで人ごとのようにも感じる無感動な、不思議な声のボーカルが

    メロディーラインを紡いでいく。

     

    このカラッとした人間臭さのない感じが

    お洒落さの源なのだろう。

     

    しかし、まさか今に至っても一度たりとも

    シングルカットされていないとは思わなかった。

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    自分的にこの曲で大変印象的なのは、

    ドリフのコントでもおなじみ

    「ッカァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

    (うまく文字で表現できん。こちらをどうぞ by)の音*1

    こんなにおしゃれに

    この音を使っている曲は聴いたことがない。

     

    『白いブランコ』(ビリーバンバン/1969年/試聴はこの先から

    ああ人生に涙あり*2杉良太郎/1973年/ by

    『与作』(北島三郎/1978年/試聴はこの先から

    などでも使用されているが、

    お洒落さとは程遠く

    何より、どうしても志村けんの変顔を

    連想してしまって、どうにもいけない。

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    「中央フリーウェイ」

    フリーウェイは高速道路のこと。freeは「無料」の意味ではなく、「行先停車無用」*3の意。

    現在は「中央自動車道」の呼称になっているので「ハイウェイ」や「ドライブウェイ」のほうがしっくりくるが、この曲の発表数年前の1972年までは「中央高速道路」という名称だったので、この英訳でもそれほど違和感なかったのだろう。

     

    「調布基地」

    現在の府中飛行場や、東京ヴェルディの本拠である味の素スタジアムを含む周辺一帯にあった米軍基地の通称。全面返還が1973年で、これも数年しかたっていない頃なので、この名称もさほど違和感なく受け止められたのだろう。

     

    「山に向かっていけば」

    東京を出発した中央道が一路目指すは高尾山だが、おそらくここから見えている山があるとすれば奥多摩や奥秩父の峰々だろうか。

     

    「右に見える競馬場」

    東京競馬場のこと。府中にあるので府中競馬場とも称される。ちなみにここで行われる日本ダービなどで使用される有名なファンファーレ( by)は、すぎやまこういちのペンによるもの。ポップ畑の人がこういう仕事をしているのが面白い。

     

    「左にビール工場」

    サントリー武蔵野ビール工場。

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 5曲目/視聴可能

    14番目の月

    14番目の月

     

    脚注

    *1:ビブラスラップ、という針金ハンガーの先にボールと薄いカウベルが付いたような形状の打楽器の音と思われる。しかしこの曲に使用されているのは、民族楽器であるキハーダ説が根強いようだが、ライブ等で骨を振り回している(キハーダは動物の下あごの骨を楽器として利用したもの)のは見たことがない。かなり度肝を抜く形状をした楽器なので、使っていれば話題に上がっているはず。ひょっとするとレコーディングでは使っているのかな?

    *2:「♪人生楽ありゃ苦もあるさ」でおなじみ水戸黄門のテーマソング

    *3:日本語で書くとまったくわからんな。ノン・ストップの意味