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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『大都会』 クリスタル・キング ~ 底辺の現実にも、希望あふれる壮大な歌

最初に現れたきり、その後なかなか登場しない

サビを待ちわびているうちに、

Bメロのハーモニーの魅力に取り憑かれてしまった。

 

 

ロングのカーリーヘアー、田中昌之と、

パンチパーマ+サングラスのムッシュ吉崎の

ツインボーカルをメインに据えたバンド、

クリスタルキング

 

そのビジュアルの異様さから、

北斗の拳の主題歌の話が来るなど

当時から半ばイロモノ扱いの感もあった。

また、『大都会』のインパクトがあまりにも強すぎたせいで

損な立ち位置にいたことは否めない。

 

 

静かなピアノから始まるこの曲は、

無駄な部分をそぎ落とした

ベース、ギター、ピアノ、それぞれの

互いに邪魔しあわない演奏がむしろ魅力的だ。

このことで田中の超ド級のファルセットボイスが生きている。

 

 

「♪果てしない夢を追い続け」「♪いつの日か大空駆け巡る」

田中の歌うサビのパートは、夢を歌う。

 

「♪裏切りの言葉に」「♪裏切りの街でも」

ムッシュの歌うAメロのパートは、現実を歌う。

 

しかし、どちらのパートも、希望が詰まっている。

 

さらに二人のハーモニーのBメロのパートでは

「♪今日と違うはずの明日へ」

「♪輝く陽を受け生きてゆく」

非常に前向きな歌になっている。

 

そしてなにより、ここのハーモニーが絶品で、

サビの部分なんかよりも、ずっとお気に入りになった。

 

 

しかし、最後にようやく待ちに待ったの

サビが登場したと思いきや、

2順目からのコーラス部分は、正直言ってやりすぎで、

ホントにここさえなければ、と思ってしまう。

 「この木なからましかばと覚えしか」(By吉田兼好

というやつだ。蛇足というやつだね。

 

 

ちなみに、このブログの前身の「日本百名曲」は

この曲からのスタートだったことを

蛇足ついでに記しておく。

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

クリスタルキングの特徴でもある、田中のファルセットボイスが、

草野球でのアクシデントで失われたことが本当に悔やまれる。

 

その後、テレビ番組企画などでのリハビリで

片鱗だけとはいえ歌声を取り戻したが、

すでにクリスタルキング自体が内部分裂してしまっていたことが

非常に惜しまれる。

 

ウルトラマンガイア!』(1998年)

などは、あからさまに仮想クリスタルキングの曲で、

おそらく再結成のオファーはあったはずだが、

結局、田中とツインボーカルをとったのは

クリスタルキングとは無関係の大門一也だった。*1

本当に惜しい。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「裏切りの言葉」「裏切りの街」

本文でも触れたが、おそらく現実を指していると思われる。

思い通りにならない人々と、思い通りにならない世界。

その中でもがきながら、希望をもって

夢に向かって駆け抜けようと、生きている。

 

「Run Away」

本来、逃げ去る、くらいの意味の言葉だが、おそらくここでは

飛び出せ、突き抜けろ、くらいの意味合いで使っているものと思われる。

 

 

iTunes / 視聴も可能
大都会

大都会

 

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大都会[クリスタルキング][EP盤]シングルジャケット/amazonより

作詞 田中昌之・山下三智夫・友永ゆかり、作曲 山下三智夫、編曲 船山基紀

1979年(昭和54年)11月21日、キャニオンレコードより発売

 

歌詞はうたまっぷ

クリスタルキング/歌詞:大都会/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

大都会 (曲) - Wikipedia

 

オリコン最高位1位(年間3位/1980年)

脚注

*1:最初に聴いたときは、ああ、まだ活動していたんだ、とクリスタルキングの曲だと思い込んでしまった。