日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『舟唄』 八代亜紀 ~ ときどき無敵になればいい ♪チャンチャチャチャラー

こうやって、ただひとり

呑み屋でチビチビやっているだけで

歌になるのだから、演歌ってすごい。

 

 

「♪しみじみ飲めばしみじみと」

ホロホロ飲めばホロホロと」

ぽつぽつ飲めばぽつぽつと」 

 

しかし、いずれも言葉としては意味不明だ。

「しみじみ・・・」はもう頭の中に固定された語句として

染みついてしまっているので、それほど違和感を感じないが、

しみじみ飲むってどういうことよ、と改めて思う。

 

しみじみ動く、とか、しみじみ立つ、

とかに違和感があるように

単純な所作の装飾にはあまり向かない言葉だ。

 

しみじみ眺める、とか、しみじみ考える、といった

感情を伴う動詞を修飾するのに適している。

 

 

だけど、言いたいことは、必要以上にわかる。

 

飲めば、しみじみ*1と思い出が頭をよぎる。

飲めば、ほろほろ*2と心がすすり泣く。

飲めば、ぽつぽつ*3と未練がわき上がる。

 

この辺は、意味や前後のつながりよりも

音の印象を重視している(と思われる)阿久悠のなせる業なのだろう。

 

 

しかし、そんなことよりも

この曲で一番重要なのは、八代亜紀のその歌声だ。

その独特の声質と節回しで、聴く者を、

宇宙人でさえも*4魅了する。

 

 

歌の良し悪しを決める最も大きな要素は、

メロディーやリズムであること言うまでもない。

 

しかしそこに決定的な最後のひと押しをするのは、

歌のうまい下手もさることながら、

「歌声」

声質や節回しが大きなウエイトを占めていると思う。

 

どれそれの曲が好き、ではなく、

誰それの歌が好き、という場合

その多くはメロディーではなく

その歌声に魅了されているのだと思う。*5

 

個人的に、誰が歌ってもヒットする曲、というのは

実は存在しないと思っている。

だからこそ、この「百名曲」では

「特定の歌い手によって知られている」

という要素を、選定条件のひとつに入れているのだ。

 

八代亜紀が歌ってこその、舟唄、なのだ。

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

途中で挿入される『ダンチョネ節』

八代がたっぷりと歌いあげる。

 

元々この部分は神奈川県の民謡だということだ。

「ダンチョネ」自体にはそれほど意味はなく

ソーラン節やズンドコ節と同様に、

掛け声や擬音語の類と思われる。

 

あるいは、究極まで意味を求めていけば

アイヌ語や古代朝鮮語などに突き当たるのかもしれない。

ダンチョネ、響きからすると朝鮮語っぽいが・・・

誰か心当たりありませんか。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「沖のカモメに深酒させてよ いとしいあの娘とヨ朝寝する」

カモメに深酒させる、とは

カモメを酔わせてでもおとなしくさせたい、

という願望だと思われる。

 

『石狩挽歌』(北原ミレイ/1975年)にも歌われているが、

海鳥が騒ぐところには魚の群れがいるので、

漁師はそこに船を出さなければいけない。

海鳥が泣かなければ、いとしい女とゆっくりと朝までいられる、

という思いからきた言葉だろう。

 

 

 「ときどき霧笛がなればいい」

・・・でいい、これもいらないという割には

かなり注文が多い男*6だ。

おそらく、「なくていい」のではなく、「あってはいけない」のだろう。

 

しかしかなりどうでもいいが、この部分、

「♪ときどき無敵になればいい」という替え歌が頭をよぎり、

スターをとったマリオが、

頭の中を跳びはね始めるのでたいへんいけない。

雰囲気台無し。

 

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ゴールデン☆ベスト

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iTunes / 視聴も可能
舟唄

舟唄

 

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作詞 阿久悠、作曲 浜圭介、編曲 竜崎孝路

1979年(昭和54年)5月25日、テイチクエンタテインメントより発売

 

歌詞はうたまっぷへ 

八代亜紀/歌詞:舟唄/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

舟唄 - Wikipedia

 

オリコン最高位15位(年間55位/1980年)

脚注

*1:沁み沁み。感情にしみいるさまを表す言葉

*2:ほろり、ほろり。小さいものや軽いものがこぼれ落ちるさまを表す言葉

*3:ぽつり、ぽつり。途切れがちに間をおいて続くさまを表す言葉

*4:言わずと知れた今も続く缶コーヒーBOSSのCMシリーズ。宇宙人ジョーンズは八代亜紀の舟唄に魅了され、怒涛の涙した

*5:自分にとっては、それがジョージ・ハリスンだったりする。

*6:女の八代亜紀が歌っているが、主人公は男性