読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『ルビーの指環』 寺尾聰 ~ たぶん1拍目はアンタッチャブルなのだろう

1981~1985

ひとつひとつの要素を見ていくと、

まったくいいところがない。

 

 

低い声でぼそぼそ歌うし、

単調で盛り上がりに欠けるし、

未練たらたらの失恋ソングだし、

歌い手のビジュアルもパッとしないし。

 

だのに、なぜここまで、いい歌となって

さらに大ヒットしたのか?

正直永遠の謎だ。

 

 

メロディーに至ってはまさにお経さながらで、

ひょっとすると、全オリコン1位曲のなかで

もっとも音域が狭く、もっとも最高音が低い曲なのではないかと

勘ぐっている次第。検証したことはないけど*1

 

あまりに単調なためだろう、途中で転調を試みているが、

多少キーが上がったところで低いものは低い。

 

 

ただ、リズムがすこぶるいい。

イントロのエレキギターに続く、ダダ!の2音にゾクゾク来る。

そのリズムに、ルーズなボーカルがかぶさる。

 

 

もしかしたら、これが

メジャーシーンで、ルーズがオシャレに転化した

最初の出来事だったのかもしれない。

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

拍の頭になぞ、決して音を出してやるもんか。

まるで地雷でもあるかのように、4拍子の1拍めを

ほとんどすべての音が避けている。

 

出したとしてもおそるおそるという感じで、

本来ここにあるべきバスドラムの音も聞こえない。

というより曲全体通してバスドラムを鳴らしていない??

 

サビの頭で、ようやくシンコペーション*2ではない

素直なタイミングでボーカルが入るが

どこか落ち着かない感じで力無げだ。

サビがシャキッとせず、だらけて聞こえるのは、

おそらくこの出だしに原因があるのだと思う。

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

ルビーの指環

表記としては指輪ではなく指環。まあ、比較的どうでもいいことだが。

ルビーは7月の誕生石なので、「貴女」は7月生まれなのだろう。

このうたで「ルビーのゆびわ」が高い知名度を得たおかげで、

「留守番電話」というものが普及していなかった当時、

日本の多くの子どもが、しりとりにおいて数少ない

「る」の返し手を一つ得たのだった*3

 

「曇りガラスの向こうは風の街 問わず語りの心が切ないね」

曇りガラスの向こう=世間。風の街=冷たい。

問われてもいないのに、世間は冷たい、と

ひとり感じてしまう切なさ。ひきこもりの心境か。

 

「枯葉一つの重さもない命 貴女を失ってから」

命→失う、で勘違いしそうになるが、「貴女」は死んだわけではない。

命は主人公の命のこと。

女にフラれてから、抜け殻になってしまった主人公。

自分の命の価値も見失ってしまったようだ。

 

「ベージュのコートを見かけると 指にルビーの指環を探すのさ」

手を見るということは、

後ろ姿を見かけると、ということだろう。

正面から見ているのであれば顔を見るだろうからね。

『駅』(竹内まりや/1987年)と同じようなシチュエーション。

 

しかし、あの時返されて受け取ろうとしなかった指環を

彼女がまだしていてくれているという

望みを持ち続けるなんて。なんてことだ!

 

 

amazonで現在入手可能な収録CD 5曲目/視聴可能
Reflections

Reflections

 

 

 

data

シングルジャケット/CDandLP.comより

作詞 松本隆、作曲 寺尾聰、編曲 井上鑑

1981年(昭和56年)2月5日、東芝EMIより発売

 

歌詞はうたまっぷ

寺尾聰/歌詞:ルビーの指環/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

ルビーの指環 - Wikipedia

 

オリコン最高位10週連続1位(年間1位/1981年)

脚注

*1:検証する気もないけど

*2:1,2,3,4のリズムよりも、前のめりで入る音

*3:そういえばどちらも「わ」で終わるね