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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『冬のリヴィエラ』 森進一 ~ さわやかな森進一はお好きですか?

演歌とは何か、という問いの解のひとつに、

「演歌歌手が歌っているうた」という、

本末転倒しているくせに言い得て妙、な答えがある。

 

演歌というのは非常に厄介な分類で、

メロディーやリズムといった、音楽上の特徴から、

ジャンルを分けることが困難だ。

コブシを効かせている、とか、

感情を歌い上げる、とか、

そういう印象面での分類であると認識している。

 

そういった意味でも、「演歌歌手が歌ううた」という

分類法が一番適切なジャンル分けなのだろう。

 

 

しかし待て。

この『冬のリヴィエラ』はどうだろう。

ポップス畑の松本隆大瀧詠一の作であることと、

なにより、

なんだ、ふつうに歌えるんじゃないか!

と驚かずにいられない森進一のさわやかな歌唱が、

演歌という分類から一線を画している*1

 

 

大瀧お得意の、ウォール・オブ・サウンド*2

泣きのブルースを得意とする森進一にぶつけたところ、

なんと森進一が大変身。

ここまで爽やかなポップスに昇華するとは

だれも想像していなかっただろう。

 

歌いだしの「♪ぁあ゛いつに、 よろしく、、、」

あたりまでは従来の森進一を少し引きずっているが、

そこからは極上のポップスを聴かせてくれたのだった。

 

 

 

ぜひ、コロッケのモノマネの森進一の顔を

脳裏から消し去って、

純粋に『冬のリヴィエラ』を聴いてみよう。

 

すごくいい曲。

森進一でなければ抱きしめてあげたい。(失礼な*3

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

この曲、決して変拍子ではないのだが、

意外と変な構成で、通常

イチ234、ニィ234、サン234、シィ234、

と4小節ごとに区切ってひとかたまりにするのが自然なところを、

あちこちでそれを崩していて、

サビの前で、ゴォ234と、ひと小節多く現れたり、

2番の前奏がニィ234止まりだったりと、少々変則気味だ。

 

この辺判ってて演奏しないと、ドラムのフィルイン*4の場所なんかが

混乱してつっかえてしまうので、

みんな、冬のリヴィエラでドラムをたたくときは注意しよう!

(自分も含めて99.99%の人間の役に立たない情報)

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

リヴィエラ

正直言うと、植物の名前か何かだと思っていた。

イタリア語で海岸を意味するものらしい。

また、「リビエラ地方」というとイタリア北西の海岸沿いを指すようだ。

歌詞中に「シュロの木」(ヤシの木などの総称)が登場するので、

ヤシの生える地中海のお洒落なビーチを想像するのが良いと思う。

気が向いたら「リビエラ サンレモ」などで画像検索してみよう。

 

おそらく日本の冬の海と違い、明るい景色なのだと思う。

しかし冬なので当然、波打ち際には人の気配はない。

カラッと明るく、ひと気のない、

白い空虚な空間のイメージか。

 

  

 「アメリカの貨物船が 桟橋で待ってる」

これは2通りの解釈が可能。

ひとつは、主人公は臨時雇いの水夫、要するにフリーの船乗りで、次に乗り込むことになった船が港で待っている、という解釈。主人公は「ホテル」住まいで、定住者ではない点からこれがうかがえる。

もう一つは純粋に、桟橋に停泊している船が遠くに見える、という解釈。甲板にアメリカの国旗が見えたのだろうか。舞台がリビエラ地方であるならば、外国の貨物船が停泊できるような国際港といえば、ジェノバか、ラスペツィアだろう。

 

 

 「男ってやつは港を出ていく船のようだね」

これも何通りかの解釈が可能。

ひとつは、「アメリカの貨物船」を遠くに見て、男というやつは、船のようにいつかは出航していくものだ、と別れの必然性を船にたとえている。(身勝手だね)

もう一つは、「悲しければ悲しいほど 黙り込む」、静かに去りゆく男を、飛行機などと違い、音も静かに出港していく船に見立てている。

 

 

 「革のコートのボタン一つ 取れかけてサマにならない」

仕事着だろうか。女性と過ごした日々には着ることのなかった革のコート。昔に戻って久しぶりに着てみると知らない間に壊れていた、ということだろう。

取れかかったボタンを見て、直してもらってから別れればよかった。あぁ人生ってやつは思い通りにならないものさ、と言っているわけではないと思う。そうであればかなりサイテーだ。

 

 

 

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ファンが選んだ森進一 ベストアルバム

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iTunes / 視聴も可能
冬のリヴィエラ

冬のリヴィエラ

 

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シングルジャケット/CDandLP.comより

作詞 松本隆、作曲 大瀧詠一、編曲 前田憲男

1982年(昭和57年)11月21日、ビクター音産より発売

 

歌詞はうたまっぷ

森進一/歌詞:冬のリヴィエラ/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

冬のリヴィエラ - Wikipedia

 

オリコン最高位10位(年間41位/1983年)

 

脚注

*1:そもそも、森進一は演歌歌手ではなくブルース歌手ではないかという問題もある。しかしここでいう「ブルース」も黒人音楽がルーツであるbluesと違い、音楽性の分類ではなく暗い内容の歌の総称だったりする

*2:同じ音を何重にも重ね撮りすることで、きらびやかで、エコーがかかったような印象の音を作り出す技法。同じ楽器を同じ旋律のみならず、オクターブ違いでも重ね撮りする。輪郭がはっきりしないが重厚、という表現の難しいサウンドを生み出す。

*3:一応フォローを入れると、個人的に森進一は結構好きで、ベストアルバムを買ったことのある数少ない歌手のひとり。『新宿・みなと町』(1979年)とかたまらん。

*4:おかず、ともいわれる。曲調の変わり目の直前にいれる、ドラムによるイントロのようなもの