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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『め組のひと』 ラッツ&スター ~ べらんめえ女と取り巻くナンパ男たち

1981~1985

浮かれたバブル期の到来を予感させるような

ラテン風でトロピカルな曲調*1とは裏腹に、

 

「いなせだね」

「目元流し目」

「粋なこと」

「め組のひと」

「気もそぞろ」

 

と古風な言い回しが目に付く。

 

視線の力と妖しい魅力で、

男たちを虜にしていく女を歌った歌だが、

その容姿を表現する言葉はほとんど出てこない。

「髪に飾った花」「細い腰」

という表現だけで、

水着かどうかすらわからない。

 

ただただ、江戸っ子的な表現で女をほめたたえている。

というよりも、

本来は女性に対するほめ言葉とは言えないような

形容詞が多用されている。

 

いなせ(鯔背)→いきがって威勢がいいこと

粋→すっきりと洒落ていること

小粋→さりげなく洗練されていること

め組→江戸の火消し「いろは48組」のひとつ

 

きっぷのいい、ある種生意気な女なのか。

 

そんな女が見せる、

流し目(遠慮がちに、視線だけそちらを向くさま)や

浮気なほほえみ(移り気するように、いろんな男に投げかける笑顔)、

気まぐれなウインクなどの

思わせぶりな態度で

男たちの心をそぞろ(そわそわして落ち着かないこと)にさせる。

 

そのくせ、

「♪Baby, Baby be my girl」(カノジョ、付き合ってくれよぉ)

と気安く声をかけられるように、近づきがたい女ではないようだ。

 

現れただけで、遠く波打ち際までうわさが伝わり、

砂浜に人だかりが沸く。

いったいどんなすごい女なんだろう。

 

 

女の描写はそれくらいにして、楽曲に目を向けてみよう。

なんとなく聞き流してしまうが、

この歌、歌ってみるとかなり難しい。

譜面通りに歌おうとすると、かなり野暮ったくなるのだ。

 

曲調が目まぐるしく変化するし、

キメ文句の「めッ!」

なんて、どうやったらいいのか見当もつかない。

 

「めっ!」

優しく怒っているようになってしまうか、

「めぇッ!」

怒った羊のようになってしまうか、

どちらかだ。

 

力を入れ過ぎると、案外高い音に

声がひっくり返って

「んメえ!」

 相当間抜けなことになる。

 

とりあえず、

横向きのVサインから覗き見るキメポーズだけは、

勢いでビシッとキメておこう!

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

桑野信義のトランペットを区切りに曲調が変わるたびに

バックのドゥワップコーラスの表現が変化する。

 

「Shooby-Dooby Doo-Doo-Doo-Wap」

「eye-eye-eye」

「baby, baby, be my girl」

 

となっている。

だからどうしたといわれても困るが。

 

どうでもいいついでに、桑野信義って

もしかしたら、日本で一番有名なトランぺッターなのかもしれない。

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「め組のひと」

目の力でものをいうから、「め」組なのだろう。

 

本文でいろいろ書いてしまったので、

改めてここで挙げることないなぁ。

 

 

 

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BACK TO THE BASIC

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iTunes / 視聴も可能
め組のひと

め組のひと

  • ラッツ & スター
  • J-Pop
  • ¥250

 

 

 

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め組のひと [EPレコード 7inch]シングルジャケット/amazonより

作詞 麻生麗二、作曲・編曲 井上大輔

1983年(昭和58年)4月1日、EPICソニーより発売

 

歌詞はうたまっぷ

RATS&STAR/歌詞:め組のひと/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

め組のひと - Wikipedia

 

オリコン最高位1位(年間10位/1983年)

脚注

*1:ファンク+ラテンで、「ファンカラティーナ」というらしい