日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『め組のひと』 ラッツ&スター ~ べらんめえ女とそれを取り巻くナンパ男たち

浮かれたバブル期の到来を予感させるような

ラテン風でトロピカルな曲調*1とは裏腹に、

 

「いなせだね」

「目元流し目」

「粋なこと」

「め組のひと」

「気もそぞろ」

 

と、やけに古風な言い回しが目に付く。

 

視線の力と妖しい魅力で、男たちを虜にしていく女を歌った歌だが、

その容姿を表現する言葉はほとんど出てこない。

「髪に飾った花」「細い腰」

という表現だけで、水着かどうかすらわからない。

 

め組のひと [EPレコード 7inch]
シングルジャケット/amazonより
め組のひと

め組のひと

  • ラッツ & スター
  • J-Pop
  • ¥250
 
  • 作詞 麻生麗二、作曲・編曲 井上大輔
  • 1983年(昭和58年)4月1日、EPICソニーより発売
  • オリコン最高位1位(年間10位/1983年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:め組のひと RATS&STAR 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:め組のひと - Wikipedia
  •  

     

    ただただ、江戸っ子的な表現で女をほめたたえている。

    というよりも、

    本来は女性に対するほめ言葉とは言えないような

    形容詞が多用されている。

     

    いなせ(鯔背)→いきがって威勢がいいこと

    粋→すっきりと洒落ていること

    小粋→さりげなく洗練されていること

    め組→江戸の火消し「いろは48組」のひとつ

     

    きっぷのいい、ある種生意気な女なのか。

     

    そんな女が見せる、

    流し目(遠慮がちに、視線だけそちらを向くさま)や

    浮気なほほえみ(移り気するように、いろんな男に投げかける笑顔)、

    気まぐれなウインクなどの

    思わせぶりな態度で

    男たちの心をそぞろ(そわそわして落ち着かないこと)にさせる。

     

    そのくせ、

    「♪Baby, Baby be my girl」(カノジョ、付き合ってくれよぉ)

    と気安く声をかけられるように、近づきがたい女ではないようだ。

     

    現れただけで、遠く波打ち際までうわさが伝わり、

    砂浜に人だかりが沸く。

    いったいどんなすごい女なんだろう。

     

     

    女の描写はそれくらいにして、楽曲に目を向けてみよう。

    なんとなく聞き流してしまうが、

    この歌、歌ってみるとかなり難しい。

    譜面通りに歌おうとすると、かなり野暮ったくなるのだ。

     

    曲調が目まぐるしく変化するし、

    キメ文句の「めッ!」

    なんて、どうやったらいいのか見当もつかない。

     

    「めっ!」

    優しく怒っているようになってしまうか、

    「めぇッ!」

    怒った羊のようになってしまうか、

    どちらかだ。

     

    力を入れ過ぎると、案外高い音に

    声がひっくり返って

    「んメえ!」

     相当間抜けなことになる。

     

    とりあえず、

    横向きのVサインから覗き見るキメポーズだけは、

    勢いでビシッとキメておこう!

     

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    桑野信義のトランペットを区切りに曲調が変わるたびに

    バックのドゥワップコーラスの表現が変化する。

     

    「Shooby-Dooby Doo-Doo-Doo-Wap」

    「eye-eye-eye」

    「baby, baby, be my girl」

     

    となっている。

    だからどうしたといわれても困るが。

     

    どうでもいいついでに、桑野信義って

    もしかしたら、日本で一番有名なトランぺッターなんじゃないだろうか。

     

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    「め組のひと」

    目の力でものをいうから、「め」組なのだろう。

     

    本文でいろいろ書いてしまったので、

    改めてここで挙げることないなぁ。

     

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 12曲目/視聴可能

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    脚注

    *1:ファンク+ラテンで、「ファンカラティーナ」というらしい