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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『M』 プリンセス・プリンセス ~ 想いがブラックホール化している。立ち位置の問題か

あらためて歌詞をみて初めて気づいたのだが、

別れた相手を想い出にできなくて苦しい、

という単純な歌では、どうもないらしい。

 

彼に言われた別れの言葉が、

いつまでも頭の中でリフレインしていて、

逃れられない。

だけどなぜか、愛しさを忘れることができない、

という内容の曲なのだと思い至った。

 

 

問題となるのは、

思わず聴き流してしまう英語のコーラス部分。

 

 

「♪You are only in my fantasy」

 

君は僕の幻の中だけにいるんだ。

 

おそらくこれは彼に言われた言葉。

ボーカルではなくコーラスが歌っていることからも

それが暗示される。

 

たびたび現れるこのコーラスの後には、

「今でも覚えている あなたの言葉」

「あなたの声聞きたくて」

と続くので、“あなたの言葉”として

もっとも頭の中に残ってしまったのが

この突き放すような言葉なのだろう。

 

 

「♪ Leaving for the place without your love」

も彼の言葉だろう。

 

僕は君の愛のない場所に帰るよ。

 

 

「♪まばたきもしないで あなたを胸に焼き付けてた 恋しくて」

こんな、憧れにも似た接し方が、

彼には重荷だったのかもしれない。

君は僕の幻しか見ていない、と。

 

こんな言葉がずっと頭の中で、

繰り返し「♪so, once again(ああ、また)」

フラッシュバックしているにもかかわらず、

 

言われた瞬間の景色でさえも、

言葉とともにまざまざと思い返されるにもかかわらず、

 

「♪あなたの声聞きたくて」

 

突き放した後ですら、こんなに思われるようだと、重いかも。

耐えられないかもしれないなぁ。

 

 

だけど、女性視点から見たら

こんなに切ない、

けれどやさしさのつまった歌になってしまった。 

 

想い出として美化されて、

さらに重たくなってしまったのだろうか。

 

想いが重い。

ダジャレか?

すいません。駄洒落です。

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

それはそうと、

「♪あなたの居ない右側に 少しは慣れたつもりでいたのに」

 

漫才師じゃあるまし、

立ち位置が決まっていたのかよ*1という

ツッコミはこらえつつ、

この部分に焦点を当てて進行してみよう。

 

ふとした拍子に、ああこの場面では

いつもあなたがここにいたっけ、と思うと泣けてくるという。

 

これはどういうシチュエーションだろう。

 

短絡的に考えると、

いつも右手で彼の腕を組んでいた、

あるいは、

いつも助手席に乗っていて、右側の運転席に彼がいた、

というのが思い浮かぶ。

槇原敬之の『もう恋なんてしない』(1992年)にでてくる「♪眺めのいい左」は

男女の立場の違いがあるものの、おそらく後者のパタンだろう。

 

しかしよく考えると、

ふとした拍子に居もしない人の腕を組もうとはしないし、

運転する人のいない助手席に乗り込むなんて

天然ボケも甚だしい。

 

やはり漫才コンビを組んでいたと考えるのが妥当か。

(違う)

 

 

日常のなかで、なんとなく決まっている居場所、

というものがある。

 

自宅の食卓の家族の座る場所とか、

駅のホームで列車を待つ場所とか、

行きつけの店のカウンターの席とか、

*2

ポジション、定位置と呼ばれる類のものだ。

 

一緒にいた時間が長ければ長いほど、

こういった暗黙の了解による定位置が崩れたことに

あれっ、と違和感を覚えてしまうのだろう。

 

 

学校や職場での席順、チームのフォーメーション、

団体スポーツのポジションのような

あらかじめ誰かに決められた場所、での「右側」という可能性もある。

 

ただ、ポジションとしての考え方にとらわれてしまうと

「右側に慣れた」という妙な文脈の区切りで認識してしまい、

 

今までレフトを守っていたけど、あなたがいなくなったせいで

ライトにコンバートでされた。だけどそれも少しは慣れて来たみたい。

 

なんていう妙な解釈が成立してしまう。

んー。

 

 

(なお、今回このコーナーの文章が妙に長いのは、

元々これを本文として書いていたため。

おふざけが過ぎるので、マニアックスのコーナーに左遷された次第。)

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「星が森へ帰るように 自然に消えて」

美しい表現だが、あまりにも詩的すぎて

何を言っているのか掴みづらい。

 

キャンプなどで、彼と星をみた想い出でもあるのだろうか。

動いているように見えない星座たちが、

地球の自転による星空のゆっくりとした動きで、

気が付くといつの間にか木々の中に隠れてしまっている。

 

そんな風に、いつの間にか消え去っていくものの

例えとして星を用いているのだろう。

*3

 

(彼の)「ちいさな仕草」も、

「はしゃいだあの時の私」も、

「いつまでもあなたしか見えない私」も、

いつかそんな風に、

気が付くといつの間にか消えてしまうことを願っている。

 

 

 

「消せないアドレス Mのページを 指でなぞってる」

恋人は「M」のページに記されているようだ。

この人のアドレス帳は、どうもアルファベット順らしい。

二人の設定は外人か?

 

それはそうと、携帯電話なんてなかった当時、

アドレス帳に載っているということは

同棲はしていなかったことが察せられる。

 

 

 「夢見て目が覚めた 黒いジャケット(の)後ろ姿が 誰かと見えなくなっていく」

彼が、知らない女性と一緒に去っていく夢を見た。

 

ふられた陰には、女がいたんじゃないか、

決して自分のせいじゃない。

 

なんだか重症ですね。

 

 

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シングルズ 1987-1992

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LET’S GET CRAZYアルバムジャケット/amazonより

作詞 富田京子、作曲 奥居香、編曲 Princess Princess

1988年(昭和63年)11月21日、アルバム「Let's Get Crazy」に収録

 

歌詞はうたまっぷ

PRINCESS PRINCESS/歌詞:M/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい 

LET'S GET CRAZY - Wikipedia

 

 

脚注

*1:どつき漫才コンビは、素早くたたけるように利き手に近い方にボケを置くとか、どうとか。

*2:使用する小便器とか。←下品なので本文ではなく注釈内に入れておく

*3:決して、結婚して苗字が「星」になったのが、離婚して旧姓の「森」に戻ったわけ

ではない。