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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『島唄』 ザ・ブーム ~ さとうきび畑、現代沖縄語訳

1991~1995

沖縄音楽の最大のヒットが、

このヤマトンチュ*1による『島唄』だったのは、

ちょっとした皮肉だったろうか。

 

しかし、 『ハイサイおじさん*2(1976年)や

『すべての人の心に花を』(1980年)の喜納昌吉らが

長年かけてコツコツと浸透させてきた沖縄音楽を

一気にポピュラーまで持って行った功績は大きい。

 

 

最初に沖縄で局地的にヒットさせ、

その後ファンの要望にこたえる形で全国発売、

一大ヒットになった。

  

この事態を例えるならば、

外国人の無名シェフが、誰もが日本人が作ったと疑わないような

創作日本料理を考案し、まず最初に日本でブームを巻き起こし、

さらに本国に持ち帰り一大ムーブメントに育て上げた。

そんな感じだろうか。

 

具体性がないのでかえって解りにくいたとえになった。

何かいい実例がないかいろいろと考えたが 、

一向に思いつかなかった。

日本製中華料理のラーメンが比較的近いかもしれないが、

最初に中国でブレイクしたわけではないので、チト違う。

 

そんな、ジャンル問わず前例がないような

事態と考えてよいと思う。

 

 

ロックと琉球民謡の融合と、

琉球音階と西洋音階が交互に現れる展開*3など、

単なる琉球音楽の模倣ではない、ジャンルの垣根を乗り越えたことが

ヒットの秘密だったのではないかと思う。

 

伸びのあるエレキギターで奏でる琉球音階から

三線琉球三味線)に受け継がれるイントロはまさに特筆もの。

 

 

心地よいサウンドについ見逃してしまうが、

実はこの歌は反戦歌であり鎮魂歌である。

太平洋戦争沖縄戦の犠牲になった

ウチナンチュ(沖縄県人)を悼み、永遠の平和を願う歌だ。

 

 「♪このまま永遠(とわ)に夕凪を」

は、今の平和が長く続くことを願っている言葉だ。

 

 

同じ題材を扱った『さとうきび畑』(森山良子/1969年)では

「♪むかし海の向こうから 戦がやってきた」

「♪あの日鉄の雨に打たれ 父は死んでいった」

と直接的な言葉で歌うのに対し、

 

「♪でいごが咲き乱れ 風を呼び嵐が来た」

「♪ウージの森であなたと出会い ウージの下で千代にさよなら」

と、直接的な言葉をほとんど使わないで歌う。

 

 

メッセージを広く伝えるうえで、どちらが良いのかはわからない。

島唄』が言葉をオブラートで包んだことで、

万人に受け入れられたことは確かだろう。

ほのめかす程度でも、より多くの人に届くのが良いのか。

 

つらくとも直接的な誰もがわかる言葉で、

くさびのように心に突き刺していくのが良いのか。

 

 

言わんとしていることは

どちらも同じなのだけれど。

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

ラララで歌われる最後の部分は

マントラとかチャントとかいうのを思い起こさせる。

 

どんどん早くなって締めくくられる。

マントラ? しらない? あ、そう。

 

ほんとにマニアックになりそうなので、

おしまい。

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「でいご」「ウージ」

これらは固有名詞なので、特に深い意味というかはない。

どちらも植物の名前。

梯梧(でいご)は沖縄県県花。ウージはさとうきびのこと。

 

 

 

 

amazonで現在入手可能な収録CD 14曲目/視聴可能
THE BOOM

THE BOOM

 

 

iTunes / 視聴も可能

 

 

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島唄シングルジャケット/amazonより

作詞・作曲 宮沢和史、編曲 THE BOOM

1993年(平成5年)6月21日、ソニーミュージックエンタテイメントより発売

 

歌詞はうたまっぷ

THE BOOM/歌詞:島唄/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい 

島唄 (オリジナル・ヴァージョン) - Wikipedia

 

オリコン最高位4位(年間28位/1993年)

脚注

*1:沖縄方言で、本土出身者のこと。対して沖縄出身者の総称はウチナンチュ。

*2:志村けんが「変なおじさん」と替え歌していることで知られる。沖縄弁がきつく「おじさん」以外は何言っているのか全然分からない

*3:ウージの森で・・・のくだりと、どういうわけか非常にたどたどしい間奏が西洋音階になっている