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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『誰より好きなのに』  古内東子 ~ 男女の親友関係が成立ってのも、あやふやなものだ

1996~2000

せつない内容の歌なのに、なんだかオシャレ。

 

ピアノを中心として、ベース、ギター、ドラムスといった

アコースティック*1の楽器をそろえ、

トランペットを中心にしたブラスアンサンブルと

ストリングスで、“大人な感じ”を演出している。

 

個人的にはストリングスと、キラキラした音の鳴る楽器*2

正直余計だったかなと感じる次第だが、

装飾の少ないこの曲においては、

ヒット性を生み出す上で必要だったのかもしれない。

 

 

 

さておき歌詞の内容的には、

お互い友人として付き合っているハズの男性に対して

抱く恋心の切なさ、といったところか。

 

「♪優しくされると切なくなる 冷たくされると泣きたくなる」 

「♪追いかけられると逃げたくなる 背を向けられると不安になる」 

 

こんな風にウジウジしているくらいなら

ダメもとでアタックしてみればいいじゃん!

というじれったさが付いて回るが、

どうもそういう訳にはいかないらしい。

 

思いを伝えた結果、拒絶されて、

今の関係まで壊れてしまうことが怖くて、切り出せない。

だから、さり気ないサインに相手が気づいてくれて、

寄り添って来てくれれば、と願っている。

んんんんんじれったい。

 

 

同じ年のリリースの『Alone』(岡本真夜/1996年)なんかも

似たようなシチュエーションの同じような内容だけれど、

どっちも、失うことを恐れて、得ることを放棄している。

 

異性の親友というものを持ったことがないので

このあたりの機微は正直わからないんだけれど、

もしかしたら、主人公はこのじれったい状況で

半分満足しているのかもしれない。

 

今のままでも、そばにいられるだけでも幸せ、

夢見ていることが幸せ、といった具合に。

 

宝くじなんかで、抽選結果を確認するときよりも、

買ってから抽選を待っている間の方が楽しい、

というのに近いのか。

いや、たとえが俗っぽすぎるだろ。 

 

 

それはともかくとして、

「♪あの夜重ねた唇さえ 忘れようとしてるみたい」

という歌詞に、オジサンは納得できない。

 

異性の親友とは、ふとした拍子に、

そういう関係になってしまってもアリなんだろうか。

そんでお互い、今のナシ、ノーカウント、

てな感じになかったことに出来る関係ってどーなのよ。

 

ここがなければ、切ない感じで

非常にいいんだけどなと感じてしまう自分は、

ひょっとして恋に理想を求めてしまうタイプ?

いやいや。。。まさか。

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

 

個人的な傾向なのかもしれないけど、

この曲は一度頭をよぎると

脳内永久ループを始めて始末におえない。

 

この稿を書くにあたっては、数日間、

対象の曲を通勤中にエンドレスでリピートして聴くのだけれど*3

通勤中どころか勤務中にも頭の中を巡りまくり、

たぶん、無意識のうちに口ずさんでいると思われる。

やばい。

 

 

ヤマダ電機の店内に流れるあの曲*4なんかよりも

よっぽど強烈で、しばらくは悩まされることになる。

 

大橋純子や、オリジナル・ラブなんかの曲にも

同じ傾向があるので、自分にとってこの手のAOR*5の曲が

もっとも深層心理に残りやすいのだろう。

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「笑う顔が淋しかった」

淋しげに微笑んでいた、のではなく、

自分に対する屈託のない笑顔が、

自分には気がない証拠のように思えて

淋しさを感じた、ということだろう。

 

「心はいつも裏腹の言葉になってく」

心が言葉になる、という難解な表現だが、

思っていることと正反対の言葉が飛び出す、という

ツンデレな状態ではない。

 

直後の歌詞が、この意味するところを示している

「優しくされる」→「切なくなる」

「追いかけられる」→「逃げたくなる」

心が、本来あるべき素直な反応を示さず、

正反対の言葉で表すような動きを見せる、ということ。

 

 

 

amazonで現在入手可能な収録CD 2曲目/視聴可能
Hourglass

Hourglass

 

 

iTunes / 視聴も可能
誰より好きなのに

誰より好きなのに

 

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誰より好きなのにシングルジャケット/amazonより

作詞・作曲 古内東子、編曲 小松秀行

1996年(平成8年)5月22日、 ソニーレコードより発売

 

歌詞はうたまっぷ

古内東子/歌詞:誰より好きなのに/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

誰より好きなのに - Wikipedia

 

オリコン最高位35位

脚注

*1:電子音ではない、シンセサイザー系ではない楽器の総称。

*2:ウインドチャイム、というらしい。海辺の土産物屋で見かける貝殻の風鈴を金属で作ったらこうなる、という感じのかんざしの豪華版のような楽器

*3:これをしても苦にならない、どころか、どんどんハマってしまうのが名曲たるゆえん

*4:「♪ヤマダまだまだ安いんだ ヤマダの安さは半端じゃないよ デンデン電器は ヤマダ・ダ・ダ!」 ワンコーラスごとに歌い手が女の子→お父さん、と家族に誰かにバトンタッチされていく

*5:大人向けのロック"adult oriented rock"の略だと信じ込まされていたが、どうも違うらしい。ここにも実態の薄いジャンル名が存在したようだ。やれやれ。