日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『そばかす』 Judy and Mary ~ イイ思い出になるには、ちと時間が足りない模様

何とも奔放なギターが、ある種ほほえましい。

YUKIのヘタウマ*1なボーカルの後ろで、ちょこまかと動き回るさま*2は、

テレビ中継のレポーターの後ろのほうで、映り込もうと跳びはねる悪ガキどものようだ。

 

リズムとか音程とか本当にこれでいいの?

と疑ってしまいそうなトリッキーな演奏だが、

いやいやどうして、要所要所でメロディーにガッチリ

噛み合っていて、邪魔になっていない。

 

こんなにノイジーなのに。

雑音に聞こえて、無いほうがいいんじゃないの?

なんて思ったりもするが、多分無いとつまんないんだと思う。

 

 

そばかす
シングルジャケット/amazonより
そばかす

そばかす

 
  • 作詞 YUKI、作曲 恩田快人、編曲 Judy & Mary
  • 1996年(平成8年)2月19日、エピックソニーより発売
  • オリコン最高位1位(年間18位/1996年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:そばかす JUDY AND MARY 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:そばかす (曲) - Wikipedia
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    そんな風に、はねっかえりのボーカルと、やんちゃ盛りのギターが

    競い合うように好き勝手やっていてもびくともしない。

    ドラムスとベースが、しっかりと屋台骨を支えているから。

     

    それでいて、途中ジャズっぽくなるあたりでは

    全員ぴったり息をあわせている。

    じつは、全部計算ずくなのだろう。

    作曲担当のベース、恩田快人の手綱捌きによるものか。

    まさに手のひらの孫悟空状態*3ってやつだ。

     

    だけどどういうわけか、この曲を最後にジュディマリのシングルA面曲は、

    それまでの恩田によるものから、ギターのTAKUYAの手によるものがメインになっていく。

    それにつれて、ギターサウンドのやんちゃぶりがおとなしくなっていったのはちと残念。

     

     

     

    まあ、それはそれとして、

    冒頭でYUKIが言っている短いひと言は、あれはなんて言っているんだろうねぇ。

    意味なんか無いんだろうけど、気になる。

     

    エッチョォ!

     

    くしゃみか?

    結構いるよね。変なくしゃみするヒト。

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    で、

    マリーちゃんってのはドコにいるの?

    なんて

    なぜかYUKIがジュディ確定みたいな冗談も飛び出るこのバンド名。

     

    架空の少女二人をモチーフに、女の子の持つ二面性をあらわそうとしたらしい。

    ジキルとハイドみたいなものか。

     

    略称でJAMという記載が使われるが、

    これはJAMセッション*4にでもかけているのだろうか。

    何か意図するものがあるのではないかと思う。

     

    通常この手の略称であれば、

    「J&M」と表記するのが普通だからだ。

     

    P&G(Procter and Gamble)*5しかり、

    R&B(Rhythm and Blues)やR&R(Rock and Roll)*6しかり、

    M&M(Mars and Murrie)*7しかり、

    M&A(Merger and Acquistin)*8しかり。

     

    まあ、マニアックなところではP.A.D.(Parco and Dangers)*9なんてのもあるが。

     

     

     

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

     「大嫌いだったそばかす」

    だった、ということは今はさほど嫌っていないということか。

    どういう心境の変化があったのかは不明だが*10

    自分自身に真正面から向き合えるようになった

    ということだろうか。

     

     

    全体的に意味がわかりそうでいて、その割には

    状況がちっともわからない歌なので、

    全文日本語訳行ってみよう。

     

     

    鏡の前にうずくまって、

    私の一番嫌いな部分、だけど一番私らしい部分でもある

    “そばかす”

    を眺めているうちに、すこしは落ち着いた。

     

    あんなに舞い上がっていた、まさに「ヘビー級」の恋。

    喫茶店で、思い切って告白したけど

    カウンター一閃、あっさりノックアウト。

    ティーカップに入れた角砂糖とともに

    溶けてなくなってしまった。

     

    期待に膨らんでいた胸はいっぺんにしぼみ、

    まだちくちくと痛みが残ってる。

    星占いで読んだ、今日が最高の運勢。

    信じた結果がこれだから嫌になる。

    デートで遠出。一緒にいられるだけで幸せ。

    なんて妄想してたほうが、まだマシだった。

     

     

    思い出って、いつか美しいものになるんだけど、

    それだけじゃ生きていけないよ。

    こんな切ないだけの夜こそ、つらいことは忘れて、

    早く思い出にしてしまいたいけど

    楽しい思い出どころか、

    彼の笑顔を思い出すことすら、今は出来ないの。

     

     

    後先考えずに、行動しては失敗して、

    懲りずにまた同じことをやり直しての繰り返し。

    それが私の性格なんだからしょうがない。

    そんな自分の性格にもどかしさを感じながら、開き直って、

    いい思い出になった恋もいっぱいしてきた。

     

    思い切って自分であけた左耳のピアスホール。

    あの時はホントにやばかった。

    これは笑えない方の思い出のひとつ。

     

     

    あらためて鏡の前でそばかすの数を数えてみた。

    そばには、ずっと昔から一緒にいてくれた

    ぬいぐるみ達が一緒に映っている。

    失恋の痛みは、まだ当分消えそうに無いけれど

    このコたちはいつも笑って味方でいてくれる。

     

     

    思い出って、いつか美しいものになるんだけど、

    それだけじゃ生きていけないよ。

    こんな切ないだけの夜こそ、つらいことは忘れて、

    早く思い出にしてしまいたいけど

    美しい思い出どころか、

    彼と一緒に流した涙を思い出すことすら、今は出来ないの。

     

    どうしてなの。

    早く思い出になってほしいのに。

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 3曲目/視聴可能

    THE POWER SOURCE

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    脚注

    *1:一見へたくそに見えて、実は味があって上手いこと。ピカソの絵なんてまさにそうなのだろう。けどピカソの絵って正直何がいいんだか理解できないなぁ。絵が上手いのは解るんだけども。

    *2:ビジュアル的なことじゃなくて、サウンド的なことね。

    *3:『go for it!』(ドリームズカムトゥルー/1993年/試聴/停止 byiTunesからダウンロード)。西遊記のエピソード。孫悟空が好き勝手暴れていたつもりが、実はずっとお釈迦様の手のひらの上で暴れていただけだった。

    *4:即興演奏の応酬合戦のこと

    *5:パンパースとか、パンてーんとかでおなじみアメリカに本部がある日用品メーカー

    *6:どっちも音楽のジャンル。ロッケンロール!

    *7:ご存じ、お口で溶けて手で溶けないチョコ

    *8:企業の買収合併。経済ニュースを見ているとちょくちょく話題になっている

    *9:パルコ・アンド・デンジャラーズ。漫画「クローズ」に出てくる寄せ集め集団

    *10:ひょっとしたら、オトコにほめられたのだろうか。うちの奥様も含め、そばかすを気にする女性は多いが、男性側の立場から見ると、それはそれでキュートだと思うのだが。