日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『花火』 aiko ~ 泣いてまで諦めなければいけない恋とはいったい何か

つまりは、この「花火」っていうのは、

恋心のことなんだな。

 

理由はわからないけど、

どうしてもあきらめなければいけない恋。

 

 

「♪夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」

一歩引いた位置から俯瞰するように、客観的に自分の恋心を眺めてみた。

 

「♪確かに好きなんです 仕方ないんです」

恋している。間違いなく。こればっかりは否定できない。

 

「♪涙を落として火を消した」

やっぱりやめよう。現実的に考えて、泣く泣く恋をあきらめた。

 

「♪バイバイバイ・・・」

と恋心に別れを告げながら曲は終了する。

  

なんで叶わないのか、なんで諦めるのか、

そこのところは語られない。

 

aikoのトレードマークである(と勝手に認識している)

救急車のサイレンのように、音程が上下する旋律に合わせて

なんだか抽象的な歌詞が載せられていくので、

想像していくしか手掛かりがない。

 

 

 

だけどなんだか面白いのは、物語に登場する天使。

恋のキューピッドなんだろうけど、

コイツ、ホントに天使なんだろうか。

三角の目と、三角の耳を持つ天使。

 

こいつのアドバイスが、実にフランクな上にふるっていて、

「♪疲れてるなら やめればぁ?」

「♪一度や二度は 転んでみればぁ?」

悪魔なんじゃねーの?コイツ。

 

気が乗らないならやめればいいし、

当たって砕けることは判っているけど、

それはそれでいいんじゃないの、

てな具合の無責任なアドバイスをかましてくれる。

 

 

漫画やアニメなんかの演出でよく見かける、

天使と悪魔のささやき。

それは自己の葛藤の姿でもある。

 

恋心を相手につげようとする欲求が

悪魔のような天使と姿となって現れるが、

結局、自制心の勝ち。大人だね。

 

恋心に終止符を打ち、アン・ハッピーエンド。

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

この曲で終始聴ける

こういうお洒落で奔放なピアノのフレーズが好み。

アドリブっぽい感じのピアノというか、

わかる?

 

『もしもピアノが弾けたなら』(西田敏行/1981年)じゃないけど、

もしもこんなお洒落なピアノがアドリブで弾けたら、

なんて思わずにいられないけど

練習する気も、才能もたぶんないのです。

左右一本指奏法から抜け出る日は永遠に来ない。

 

  

最後にミもフタもないようなことになるが、

正直に言ってみる。

aikoの曲であれば、

デビュー曲の『あした』(1998年)の方が、

実は好みなのです。

「♪あーう~↑」

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「夢は夢で目が覚めれば ひどく悲しいものです」

夢が夢だったと目が覚める。

文字にするとなんだか変な感じがするけど、

見ていた夢が、現実の出来事ではなかったと気づいた時は、

それが楽しいものであればこそ、余計に喪失感が大きい。

 

「もやがかかった影のある形のないものに 全て預けることはできない」

形のないもの。これも恋心のことだろうか。

恋心というよりも、感情といった方がいいのかもしれない。

ひと時の感情に、人生をゆだねることはできない

と、かなり冷静に、現実的なことおっしゃっています。

 

「揃ったつま先 崩れた砂山 齧ったリンゴの跡に 残るものは想い出のカケラ」

つま先と砂山は、危うい不安定な状況を象徴していて、

齧ったリンゴは、中途半端に手を付けた状況を象徴しているのか。

危ない恋、あるいは許されざる恋。

友達の彼氏とか、そういうことなのかなぁ。よくわかりません。

そんな恋の結果に、残るものはわずかな想い出でしかない。

 

「少し冷たい風が足元を通る頃は 笑い声たくさんあげたい」

秋になる頃には*1、恋心に決着をつけて、

自然に笑いかけられる関係になりたい。

 

なんだかつらいぞ、ここのくだりは。

全体に明るい曲調が、かえって無理に

明るくふるまっているかのように思えていけない。

 

 

amazonで現在入手可能な収録CD / 試聴はできないの。
桜の木の下

桜の木の下

 

 

 

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花火シングルジャケット/amazonより

作詞・作曲 aiko、編曲 島田昌典

1999年(平成11年)8月4日、ポニーキャニオンより発売

 

歌詞はうたまっぷ

aiko/歌詞:花火/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

花火 (aikoの曲) - Wikipedia

 

オリコン最高位10位

脚注

*1:今現在は当然夏ですね