日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『花火』 aiko ~ 泣いてまで諦めなければいけない恋とはいったい何か

つまりは、この「花火」っていうのは、

恋心のことなんだな。たぶん。

 

理由はわからないけど、

どうしてもあきらめなければいけない恋。

 

 

「♪夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」

一歩引いた位置から俯瞰するように、客観的に自分の恋心を眺めてみた。

 

「♪確かに好きなんです 仕方ないんです」

恋している。間違いなく。こればっかりは否定できない。

 

「♪涙を落として火を消した」

やっぱりやめよう。現実的に考えて、泣く泣く恋をあきらめた。

 

「♪バイバイバイ・・・」

と恋心に別れを告げながら曲は終了する。

  

なんで叶わないのか、なんで諦めるのか、

そこのところは語られない。

 

aikoのトレードマークである(と勝手に認識している)

救急車のサイレンのように音程が上下する旋律に合わせて

なんだか抽象的な歌詞が載せられていくので、

想像していくしか手掛かりがない。

 

花火
シングルジャケット/amazonより
花火

花火

 
  • 作詞・作曲 aiko、編曲 島田昌典
  • 1999年(平成11年)8月4日、ポニーキャニオンより発売
  • オリコン最高位10位
  • 歌詞はうたまっぷへ:花火 aiko 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:花火 (aikoの曲) - Wikipedia
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    だけどなんだか面白いのは、物語に登場する天使。

    恋のキューピッドなんだろうけど、

    コイツ、ホントに天使なんだろうか。

    三角の目と、三角の耳を持つ異形の天使。

     

    こいつのアドバイスが、実にフランクな上にふるっていて、

    「♪疲れてるなら やめればぁ?」

    「♪一度や二度は 転んでみればぁ?」

    悪魔なんじゃねーの?コイツ。

     

    気が乗らないならやめればいいし、

    当たって砕けることは判っているけど、

    それはそれでいいんじゃないの、

    てな具合の無責任なアドバイスをかましてくれる。

     

     

    漫画やアニメなんかの演出でよく見かける、

    天使と悪魔のささやき。

    それは自己の葛藤の姿でもある。

     

    恋心を相手につげようとする欲求

    悪魔のような天使と姿となって現れるが、

    結局、自制心の勝ち。大人だね。

     

    恋心に終止符を打ち、アン・ハッピーエンド。

     

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    この曲で終始聴ける

    こういうお洒落で奔放なピアノのフレーズが好み。

    アドリブっぽい感じのピアノというか、

    わかる?

     

    『もしもピアノが弾けたなら』(西田敏行/1981年/試聴はこの先から)じゃないけど、

    もしもこんなお洒落なピアノがアドリブで弾けたら、

    なんて思わずにいられないけど

    練習する気も、才能もたぶんないのです。

    左右一本指奏法から抜け出る日は永遠に来ない。

     

      

    最後にミもフタもないようなことになるが、

    正直に言ってみる。

    aikoの曲であれば、

    デビュー曲の『あした』(1998年/ by)の方が、

    実は好みなのです。

    「♪あーう~↑」

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    「夢は夢で目が覚めれば ひどく悲しいものです」

    夢が夢だったと目が覚める。

    文字にするとなんだか変な感じがするけど、

    見ていた夢が、現実の出来事ではなかったと気づいた時は、

    それが楽しいものであればこそ、余計に喪失感が大きい。

     

    「もやがかかった影のある形のないものに 全て預けることはできない」

    形のないもの。これも恋心のことだろうか。

    恋心というよりも、感情といった方がいいのかもしれない。

    ひと時の感情に、人生をゆだねることはできない

    と、かなり冷静に、現実的なことおっしゃっています。

     

    「揃ったつま先 崩れた砂山 齧ったリンゴの跡に 残るものは想い出のカケラ」

    つま先と砂山は、危うい不安定な状況を象徴していて、

    齧ったリンゴは、中途半端に手を付けた状況を象徴しているのか。

    危ない恋、あるいは許されざる恋。

    友達の彼氏とか、そういうことなのかなぁ。よくわかりません。

    そんな恋の結果に、残るものはわずかな想い出でしかない。

     

    「少し冷たい風が足元を通る頃は 笑い声たくさんあげたい」

    秋になる頃には*1、恋心に決着をつけて、

    自然に笑いかけられる関係になりたい。

     

    なんだかつらいぞ、ここのくだりは。

    全体に明るい曲調が、かえって無理に

    明るくふるまっているかのように思えていけない。

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD / 試聴はできないの。

    桜の木の下

    桜の木の下

     

    脚注

    *1:今現在は当然夏ですね