「♪ハァ~」で始まる曲は数多くあれど、
その最高峰に位置し、いまだに盆踊りの代表曲であるこの曲は、
なんと1933年(昭和8年)のリリース。
三味線と小太鼓、合いの手の掛け声という、お座敷唄の様式をベースに、
太鼓と管弦楽伴奏を加えて音に厚みを持たせている。
まさに、ザ・音頭といった趣。
というより、この東京音頭が、「音頭」というジャンルを
ひとつのジャンルとして確立させたといった方が正しいのかもしれない。
振り付けなんか全然知らないけど、
この曲が流れてくれば思わず小躍りしたくなる。
子どものころ盆踊りにて、わからないままに曲に合わせて
櫓の周りをただただ周回していた記憶がある。
ぁヨイヨイ♪
手拍子だけは出来る。
意外なことに、これが実は替え歌らしく、
元ネタは前年の『丸の内音頭』(藤本二三吉/1932年)。
東京丸の内界隈のローカルネタだったものを、
もっと大きなエリアの歌にしてヒットさせた。
東京音頭の当時のレコードのレーベルに、
副題としてちゃんと「丸の内音頭替唄」と書いてあるのがにくい。
替え歌というよりリメイクといった方が実態に即しているかもしれない。
群馬の名湯の紹介ソングを、全国の名湯の歌に変えてヒットした
『いい湯だな』(ザ・ドリフターズ/1968年/試聴はこの先から)などに通ずる。
盆踊りだけでなく、いつのまにかヤクルトスワローズの
応援歌としてもおなじみになってしまった。
球場で傘を上下に揺らしながら、東京音頭を歌う。
学校なんかで習う唱歌とは違い、未だ現役の娯楽として通用している。
それで思い出したが、やはり小学生のころ、
懸賞で当たったとかで、ヤクルトの野球帽の形状をしたビニール傘を
学校に持って来た同級生がいた。
当時ヤクルトは激弱小球団だったため、散々馬鹿にされた挙句に、
最終的に、風にあおられて傘が壊れてしまった。
それを見てみんなでゲラゲラ笑っていたが、今思うと悪いことをした。
ヤツは今でも元気にヤクルトファンしているだろうか。
なんにせよ、全てのカバーも合せて集計すれば、
ウソかホントか、総売上2,000万枚に達するというからすごい。
間違いなく20世紀最大のヒット曲だ。
オリコン(1968年集計開始)の歴代シングル
上位五傑*1を足してもまだ届かない数字だ。
歌の後半は全く意味のない歌詞になる。
「♪ァサテ ヤーットナァ ソレ ヨイヨイヨイ」
こういうのもスキャットというのだろうか。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
以下、聴きドコロ、というか、忘備録。
個人的に長年のもやもやが解けたという報告。
あまりに個人的な話なので、読み飛ばしてください。
幼少時代を神奈川県の厚木市というところで過ごした。
毎年自治会の盆踊りで、リピートされていたのが以下の曲たち*2。
『東京音頭』
『アラレちゃん音頭』(小山茉美/1981年/試聴はこの先から)
『ドラえもん音頭』(大山のぶ代/1979年/試聴はこの先から)
それにプラスしてタイトル不明なのが2曲ほどあった。
この2曲、メロディーを鼻歌で歌っても、
知っているという人が誰もいない。
引っ越してしまい、疎遠な地に来たためだろう。
目指すはかなりのローカルソングだということが、
このことから窺える。
歌詞はほとんどうろ覚えで、そのうち1曲は
「♪丹沢 相模湖 相模川 あぁ 神奈川音頭で 踊るしゃんせ」
という歌詞だと思っていたが、これをネットで検索しても全く出てこない。
後に述べるが、全くでたらめであったことが判明する。
もう一曲に至っては、歌詞すらわからない。
合いの手の「♪ァ ヨイトナー」「♪うんとなー」のみで、
はっきり言ってお手上げだ。
DTM*3で耳コピ(というより記憶コピ)してMIDIファイル(自動演奏のファイル)を作り、
どこぞの質問箱にでも上げようとも思ったが、
MIDIを作っただけで満足してしまい、その後そのままになっていた。
それが、この稿を書くにあたり、
いろいろと調べるうちに
ひょんなところから2曲の正体が発覚。
『厚木音頭』(歌い人不詳)歌詞は
「♪さんさらさらりと相模川 ハァ瀬の瀬の音頭で踊りしゃんせ」
が正しかったとのこと。「相模川」しか合っていない。
どおりで検索しても引っかからないわけだ。
もう一曲は、意外とビッグネームが歌っていた 。
どちらもいい曲なのでぜひ聴いてみて。
きっと、こんな良いローカルソングが、
たくさん日本中に眠っているのだろう。
あ、あと『にっこり音頭』というのもあったな。
「♪一年三百六十五日 にっこり音頭を踊りたい
アソレ ニッコリね ニッコリね にっこり音頭でパパンがパン」
これもネット上で検索しても出てこない。
やはり歌詞がうろ覚えすぎなのだろうか。
以上、忘備録というか、報告でした。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「君が御稜威は天照らす」
御稜威(みいつ)とは(天皇の)威光のこと。
なにを驚いたといえば、みいつ、と打って一発で漢字変換されることだ。
「君」は天皇のこと。「が」は「の」と同じ。
天皇の威光は世を統べる、くらいの意味。
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- アーティスト: 小唄勝太郎,三島一声,徳山たまき,永井白眉,宇都江精二,長田幹彦,谷屋光次,西条八十,佐伯孝夫,佐々木俊一,村越国保
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