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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『星のフラメンコ』 西郷輝彦 ~ 情熱的とは程遠く。消極的なフラメンコ

なぜに?

「♪好きなんだけど 離れてるのさ 遠くで星を見るように」

なぜに?

「♪好きなんだけど 黙ってるのさ 大事な宝隠すように」

 

なんという消極さ!

情熱的なはず*1のフラメンコに乗せて

「♪壊したくない 無くしたくない」

 

同じ内容の歌詞を、言葉を替えつつ繰り返し、 

「♪だ・か・ら」

奥ゆかしいを通り越して、

くどくどと言い訳じみている。

なのに、どこかカッコつけているのが大変イタい。

 

 

せめてもの救いは

「♪歌うよせめて 心の歌を 響け夜空に」

相手の女性の象徴である、星のある場所に向かって

せめて歌を投げかけ、心に響いてほしいと願っている。

 

遠回しだが、主人公にはこれが限度なんだろう。

 

 

 

さておき、フラメンコ風の味付けをした曲においては、

後にも先にも、これ以上のヒット曲は生まれていない。

ヒット曲どころか、フラメンコ風の曲自体が

ほとんど生まれていないんじゃないだろうか。

最大のヒット曲がこの『星のフラメンコ』で、次がない。

 

フラメンコはそのビジュアル的な知名度の高さに反して、

曲自体はほとんど知られていないように思う。

もしかしたら、ネイティブ以外には理解が難しいのかもしれない。

 

そんなだから、ほかに知られているフラメンコといえば、

みんなのうたの『トレロカモミロ』(西六郷少年少女合唱団/1970年)*2

ギター漫談の祖(?)、堺すすむの『なんでかフラメンコ』、

TVゲーム、ドラゴンクエストIVの『ジプシーダンス』(すぎやまこういち)や

ストリートファイターIIバルログステージの曲、

といったイロモノしか思い浮かばない。

 

 

ピンクレディーの『カルメン'77』(1977年)や

中森明菜の『タンゴ・ノアール』(1987年)、

ポルノグラフティの『アゲハ蝶』(2001年((あっ、ギリギリ20世紀の曲じゃないや)))なんかは

フラメンコ・・・なのかな?

南米の曲との境界があやふやだ。

探せばいろいろとあるのだろうけどね。

思いつかない。

 

『星のフラメンコ』にしたところで、

そもそも本場モノに比べれば、バッタ物のようなものなのだろうけど、

これしかないんだから。

 

 

そう、日本人には、これがTheフラメンコ。

ちっとも情熱的ではないけれど、

OK? 

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

曲名にジャンルを冠していながら、

ちっとも曲調があっていない曲が多い中、

この曲は結構頑張っている感がする。

 

ボーカルとストリングスを前面に出して

万人の耳にも親しみやすい歌謡曲風のアレンジになっているけど、

ほかの音に紛れてしまっている

クラシックギターウッドベースカスタネット

手拍子足拍子といった「らしい」音を前面に出せば、

もっと「フラメンコ」になるポテンシャルを持っていたと思う。

 

「♪君は僕の心の星」

に始まるベースラインの展開なんかは、

もっとちゃんとフューチャーされていてもよかったのでは。

弦楽器やマリンバが邪魔をしている。

 

が、それでヒットしたかと言われれば無理だろうと思う。

ヒットしなければ、知る由がない。

 

難しいね。

 

正調フラメンコ風星のフラメンコ、

この矛盾しているのを、やらないものかね?

 

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

「輝け星よ 君の夜空で」

星=君、なのだから、

君は君の世界で輝いていてほしい

という意味になる。

 

もっとうがった見方をすれば、

君は僕の心の中でのみ星なんだから、

君の夜空も、僕の心の中だけにある。

心の中だけでのみ奏でられる、情熱的なフラメンコ。

 

 

 

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西郷輝彦 ベストセレクション~オリオン急行・星のフラメンコ~
 

 

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星のフラメンコ[EPレコード 7inch]

作詞・作曲 浜口庫之助、編曲 小杉仁三

1966年(昭和41年)7月1日、クラウンレコードより発売

 

歌詞はうたまっぷ

西郷輝彦/歌詞:星のフラメンコ/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

「星のフラメンコ」の検索結果 - Wikipedia

 

脚注

*1:これは単なる思い込みか?嘆きのフラメンコだってあるんだよね、きっと

*2:イタリアの子供向け楽曲のカバー