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日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介

『帰って来たヨッパライ』 / ザ・フォーク・クルセイダーズ ~ 元ネタいくつ、みつけられるかな?

1961~1970

巡り合わせとはいえ、

これがオリコン史上初のミリオンセラー。

 

といっても、それまで100万枚売れた曲がなかったわけではなく

オリコンが集計を開始した1968年以降で最初、

というだけのものだが、

選りによってしょっぱながこれ。

・・・なんて幸先のいいスタートだろう!

 

別に皮肉でもなんでもなく、

エンターテイメントとしての音楽、

もっとくだけた言い方をすれば

細かいことなんか抜きにして楽しもうや、という

まさに音楽の原点をついた出来事だったと思う。

 

小難しい音楽もあれば、心にしみる音楽もある。

そんな中、あぁ、音楽ってこういうのもアリなんだ、

と日本中に思わせた功績は計り知れない。

本人たちはいたって不真面目だったんだろうが*1

リエーターたちの曲作りに対するアプローチに

無限ともいえる可能性を示した。

 

 

 

言わずもがな、この曲の一番の特徴は

鬼太郎のおやじのような甲高いボーカル。

録音した音を倍速で再生することによる、

トリッキーな歌声。 

 

だけど当然、子供にとっては

倍速再生なんてテクニックを知らないから、

『ドリフの早口言葉』(ザ・ドリフターズ/1980年)の志村けんのパート同様に、

バカ真面目に声色で真似したものだ。*2

 

一方、通常スピードで録音された神様のパート、 

歌詞では、怒鳴っているということになっているが、

実際はすっとぼけたスローな説教。

酔っぱらった頭の中で、ゆっくりと反響しているようにも聞こえる。

 

 

だけどこの主人公、

なんで天国に行けたんだろうね。

 

 

 

 

名曲・聴きドコロ★マニアックス

ザ・ビートルズの『愛こそはすべて(All You Need Is Love)』(1967年)に

インスパイアされたのだろうか。

この曲は様々な歌がコラージュのように散りばめられている*3

 

一番わかりやすいのが、「♪天国良いとこ一度はおいで」は

草津温泉の湯もみ歌『草津節』の

「♪草津よいとっこ 一度はァおいで」から来ている。

そして最後はベートーベンの『エリーゼのために』でフェードアウトする。

 

もっと細かいところでいうと、

最後の読経は途中から『ア・ハード・デイズ・ナイト』(ザ・ビートルズ)の

「♪It's been a hard day's night」になるし、

すっとぼけた神様のセリフのバックに流れる調子っぱずれの旋律は、

運動会の徒競走でおなじみの『天国と地獄』*4

 

間奏の電子ピアノは、Wikipediaには『Good Day Sunshine』だと

書いてあるけど、それはどうだろうね。

あれ自体はもともとジャズ系の

オーソドックスなフレーズがモチーフだと思うから。

 

ところで、 A Hard Day's Nightになる前の

お経はいったい元ネタは何なのだろう。

加藤和彦は当時仏教系の大学に在籍していたので

まったくのでたらめではないと思うのだけれど。

 

 

意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

フォーク・クルセダーズ

Fork Crusaders。直訳すると民謡十字軍。

民謡布教の尖兵といったところか。

なんだかインテリなグループ名が、妙に曲にミスマッチ。

 

 

 

 

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帰って来たヨッパライ/ソーラン節

作詞 ザ・フォーク・パロディ・ギャング、作曲 加藤和彦、編曲 ザ・フォーク・クルセイダーズ

1967年(昭和42年)12月25日、東芝音楽工業より発売

 

歌詞はうたまっぷ

ザ・フォーク・クルセダーズ/歌詞:帰って来たヨッパライ/うたまっぷ歌詞無料検索

 

曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい

帰って来たヨッパライ - Wikipedia

 

オリコン最高位1位(年間2位/1968年)

脚注

*1:真面目じゃなくて不真面目ね

*2:というより、いい年していまだにやっているような気がする

*3:All You Need Is Loveにコラージュされている曲の最大難度には『Yesterday』がある。探してみそ?

*4:スローすぎて言われるまで気づかなかった。これ、最初に気づいた人すごい。