日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『世界中の誰よりきっと』 中山美穂 & WANDS ~ オマエの日本語ってなんだか変だよな。イヤ解るけどさ

キャッチ―でメロディアスなんだけど、

なんだかとっても捉えどころのない曲。

 

なにより歌詞の意味するところが曖昧で

ちっとも直接的でない。

歌ってて小恥ずかしくなるようなラブソングでもなければ、

心揺さぶる熱いメッセージソングでもない。

 

身近な恋に気付いた歌とも取れるし、夢破れた歌とも取れる。

主人公は男とも取れるし、女でも行ける。

だれが歌ってもおかしくない。

ないないないないづくし。

 

 

そんでもって、メロディーの音域も広くないし、リズムも単純だし、

要するに、だれにでも歌いやすいというのが最大の特徴なのだと思う。

 

そんな、カラオケで歌うにはもってこいというところが

ヒットの一番の要因になったと思われる。

 

 

世界中の誰よりきっと
シングルジャケット/amazonより
  • 作詞 上杉昇中山美穂、作曲 織田哲郎、編曲 葉山たけし
  • 1992年(平成4年)10月28日、キングレコードより発売
  • オリコン最高位3週連続1位(年間10位/1993年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:世界中の誰よりきっと 中山美穂&WANDS 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:世界中の誰よりきっと - Wikipedia
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    へんな表現と、なんて言っているかわからない滑舌の悪さで、

    意味が解らない部分が多々あるが

    こういうものの言い方するヤツって、実は結構いるよね。

     

    「果てしない笑顔」、エンドレススマイルってなんだよ、とか。

    「季節を越えていつでも」って、いつまでも、の間違いだろう、とか。

     

     

     

     

    解らないままでもしょうがないので

    全文日本語訳*1にチャレンジしてみよう。

     

    相当話を盛らないと、ストーリが破綻してしまうので

    かなり無理矢理なものになると思う。

    せっかくだからデュエットスタイルにしてみよう。

     

     

    男)輝かしい栄光の日々が、世の中をすべて

    まぶしい光の中に包み込んでしまい、

    いつか君の姿も、光の中にくらんで見失っていたんだ。

     

    そんな夢のような日々は終わりを告げ、

    またこうして君を間近に感じられるようになった。

    これは、不幸な巡り合わせじゃなくて、

    きっと素敵な運命なんじゃないかと思うんだ。

     

    夢のような世界の中では気づかなかったけど

    目覚めてみてはじめて気づいたんだ。

    こんなにまでの君への想いに。

    夢の世界よりもずっと輝いている、

    変わらない君の笑顔を、ずっと身近に感じていたい。

    いつも、いつまでも。

     

     

    女)言わなきゃいけないことにたどり着くのに、

    なかなか話のきっかけがみつからないみたい。

    意地悪かもしれないけれど

    そんな君をちょっと他人事のように観察していた。

     

    こっちがどれだけ淋しい思いをしてきたか

    本当にわかってるのかなぁ。

    だけど許してあげることにした。

    輝きの中にいた君は本当に素敵だったから。

     

     

    男)夢のような世界の中では気づかなかったけど

    目覚めてみてはじめて気づいたんだ。

    こんなにまでの君への想いに。

    夢の世界よりもずっと輝いている、

    変わらない君の笑顔を、ずっと身近に感じていたい。

    いつも、いつまでも。

     

    女)いまの私はきっと、世界中で一番優しいから

    すべて許してあげよう。

    (絶対許してやらない、と思っていたんだけどね。)

    夢から覚めて気づいたでしょう?

    愛の輝きはけっこう簡単に消えてしまうんだよ。

     

    ほら、近くにいればお互いの胸のドキドキも感じられるでしょう。

    これからはいちばん近くにいてあげる。

    いつも、いつまでも。

    これからはいちばん近くにいてあげる。

    いつも、いつまでも。

     

     

     

    夢を追いかけて、恋人を置き去りにした男。

    成功と挫折を味わい、またかつての恋人の元に戻って来た。

    よりを戻したいんだけど、なかなか本題に切り出せないでいる。

    そんな男を、かつての恋人は冷ややかに見つめていたけれど

    許してやることにした。有難く思えと。

     

    こんなストーリーが出来上がった。

    これは一生尻に敷かれるぞ。

     

     

     

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    一定のリズムで、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、と

    刻むギターの音に合わせて、メロディーも8ビートを細かく刻んでいる。

    細切れの音が連なっているようにも聞こえるため

    これが何言っているのかわからない原因になっている可能性がある。

     

    そして歌詞を見ても今ひとつピンことないのが、

    変な漢字を当てているから。

    黄金きん色に街を染めて」

    「はかないひかりに」

    どうやらこの歌、キーワードが光らしい。

     

     

    今回全体的に、自分でも何言っているのか判らない

    文章になってしまったのは

    ひとえにこういう歌詞に引っ張られたせいかもしれない。

    選んでおいて言うのもなんだけど、

    この歌、ホント何だか解らないんだから。

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    「言葉の終わりを いつまでも探している」

    いつまでたっても出ない結論を、延々と探している

    という意味だろうか。

     

    それとも、話し出しのタイミングがつかめずに

    相手の会話が途切れるのを今か今かと待っているのだろうか

     

     

     

    「本気の数だけ 涙みせたけど」

    ここだけみると、悔し涙の数に思えるけど、

    続く歌詞が「許してあげたい」。

    悔し涙を許す。勝てなかったことを大目に見てやるということか。

     

    浮気ならぬ本気の数々を、許してやるという歌にも聞こえてくる。

     

     

    主語がないので、本当に訳が分からない。

    こうやって意味を探ること自体、実は無駄な作業なのだろうか。

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 5曲目/試聴可能

    COLLECTION III

    COLLECTION III

     

    iTunes / 試聴も可能(これはWANDSによるアルバムバージョン)

    世界中の誰よりきっと

    世界中の誰よりきっと

     

    脚注

    *1:日本語を日本語に訳す変な作業