「♪あのきむにゅどぅ~」
いや、言えてないし(笑)。
個人的に、テレビの音楽番組というものを全く見ないため、
歌は知ってても、誰のなんていう曲か
まったく知らないなんてことがざらにある。
L<->Rとかいう妙な名前のバンド*1の、
「Knokin' on your door」というタイトルの曲が存在することは
なんとなく知ってはいたが、
曲とタイトルが結びついたのは何年も後になってからのこと。
タイトルから勝手に、ボブ・ディランの
『Knokin' on Heaven's Door(天国への扉)』(1973年/ by ) のような
曲調をイメージしていたせいだと思う。
あの唄い出しがまさか
「♪I'm knocking on your door」と歌っているとは
歌詞を見た今でも今ひとつしっくりこない。
自分の中では今でも「♪あのきむにゅどぅ~」である。
これも歌詞を知ったからこそで
最初のうちは「あにょきむにゅ、むーにゅ」と聞こえていた。
なんだか、まじかるっ娘の呪文のようだ。
続く英語に至っては、もはや何と言っているのか
歌詞を見ながら聴いてもわからない
「♪ゆるっくんばらがあ」
「You're nothing but a girl」らしい。
言えてない、というより言ってないでしょ(笑)。
カタカナ英語というよりはひらがな英語というほうが適切かも。
だけど、この言えてない感が、実はこの曲のミソだったりする。
つたない感じが先行して、カッコつけてる感が霧散しているのだ。
このあたりは、同時代のDEENなんかにも言えることで、
いい意味で青いと感じる。*2
ところでところで
おそらくは、出だしの音はドアをノックする音。
ノックというには激しすぎる音で、
そのあとの展開を考えると、号砲という感じの音だ。
もっとも、スタートの号砲だとしたら
2回鳴っているので、フライングだが。
あるいは、競馬のゲートの開く音か。 ガッシャン!
・・・どうやら曲を聴くスタンスを見直さなければいけないようだ。
最近純粋に音楽を楽しもうという気概が自分に感じられない。
いけない。たいへんいけない。
そんでもって、時々人に言われるんだけど、
「それ、ちっともほめてない。」
自分では第一級の賛辞を贈っているつもりでも
くさしているようにしか聞こえないらしい。
いやいや、褒めてますから!最高!
ダテにベスト100のひとつに選んでいるわけではありません!
解ってもらないのは判っているんだけど、
なんといってもぐりぐり動くベースラインがいいのよ。
この曲は。
最初にツッコミから入って、
(笑)
なんて入れてしまったせいで、
どっちへ進もうとしても
どうしようもない袋小路に迷い込んでしまったようだ。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
この曲を語るうえで忘れてならないのが、チャイムの音。
チャイムといっても、玄関の呼び鈴ではない。
コンサートチャイム、と呼ばれる楽器*3で、
この音がたいへん効果的に使用されている。
といっても、おそらくシンセサイザーによるサンプリング音で
生音ではない。変な話だが音程が良すぎるのだ。
本物だったら、こんな風にかき鳴らしたら
もっと変な反響音が出てしまうだろうから。
それにしてもこの音をポップスで使用するには勇気がいる。
なんだか大変仰々しくなってしまうからだ。
ポップス系で他に思い浮かぶのは、
FIELD OF VIEWの『君がいたから』(1995年/ by)くらいだろうか。
一方、古めの曲では比較的よく見かけ*4、
前出のNHKのど自慢のテーマ曲( by)のほか、
『栄冠は君に輝く』(1948年/ by) などに使われている。
ほら、イメージするだけでなんだか仰々しいでしょう?
なお、元が鐘の音をイメージして創られた楽器ということもあり、
教会や学校をイメージした効果音としてはもってこいだ。
山下達郎の『クリスマス・イブ』(1983年/試聴はこの先から)や、
アニメ・キテレツ大百科の『お料理行進曲』(YUKA/1992年/ by)
鐘の音を模した、チャイムの音を聴くことができる。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「いつもすぐせめぎあうlonely」
難解というよりは、正直いって意味不明だが、
いつも孤独との葛藤にあえいでしまう、くらいの意味だろうか。
唄い出しの一節は、無理やり解釈するならば
「僕は君の心のドアをノックしてみるけれど、
孤独を愛する君はいつもなかなか扉を開けてくれない」
というような感じになるだろう。
ところでlonelinessではなくlonelyなのは何か意味があるのだろうか。
ロンリネスの方が音の収まりがいいと思うのだが。
後に出てくる、Diary、Harmony, Ironyと
韻を踏ませたかったのは解るんだけどね。
「You're nothing but a girl」
直訳すると、
「君は一人の女の子に過ぎない」
なんだか唐突な言葉だ。
I'm knocking...と対にしてあるのは解るんだけどね。
この曲の歌詞は、こういうロジックが先行しすぎていると思う。
歌詞の構造の読みとき練習には最適かも。
「いつかすぐ笑えるさirony」
irony(アイロニー)は皮肉や当てこすりの意味。
アイロンっぽいという意味ではない。
悪口や陰口だって笑えるようになるさ、
という意味だろうか。
しかし果たして、心の扉をふさいでいる人間が、
そこまで強くなれるのだろうか。
なんだかほんと、今回の内容は
ケチつけているようにしか見えないなぁ。反省。
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