ようやくコツをつかんだ、
きっとそんな状況なんだろう。
「♪わかり始めたMy Revolution 明日を乱すことさ
誰かに伝えたいよ My Tears, My Dreams 今すぐ!」
本人は何か決定的なポイントを掴んだつもりなんだろうが、
周りからすれば、何を言っているのかわからない。
その発見を誰かに伝えたくてうずうずしているみたいだけど、
「明日を乱すことさ!」
たぶんこれじゃあ、誰もわかってくれない。
要するに、本人だけがわかる感覚を得た、
というところまでで、理論に至っていないのだ。
今日「わかった」、のではなく、「わかり始めた」、
というのは、つまりはそういうことなんだよね。
「My Revolution」。直訳すると、私の革命。
物の見方が180度転換するような発見や成長を得る手段が
さきほどの「明日を乱すこと」だという。
どうやらこの主人公、発見の喜びに
相当ハイテンションになっているらしく
表現が2段階くらいオーバーになっているらしい。
明日を乱す
↓
予期せぬことが起こるように、すべてのフラグを立てておく
↓
毎日に発見があるように、きっかけの種をまく
こんなところだろうか。
「♪ホームシックの恋人たちは ユーモアだけを信じている」
これもまさに超感覚のたまもの。
比喩表現がぶっ飛びすぎていて、ちんぷんかんぷんだ。
ひらがなで書くとおもしろいな。ちんぷんかんぷん。
漢字で書いてみよう、珍紛勘奮(←適当だけど何だかそれっぽい)
「ホームシックの恋人たち」
ホームシック
↓
家に帰りたがっている
↓
家に帰ろうとしている
「ユーモアだけを信じている」
ユーモアを信仰している
↓
笑いあえる愉快さを求めている
↓
微笑みを交わしている
それを踏まえてここの一文を翻訳してみよう。
恋人たちは、微笑みを交わし、
それぞれ小走りに帰宅の途に就いた。
分かれ道で手を振ると、いつものことながらキュンと来てしまう。
お互い、相手をたった一人のかけがえのない存在と
思えるって、何て心強いんだろう。
いや、ぶっ飛びすぎててわからないから。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
あれ?この曲、アレンジは小室哲哉ではなかったのね?
思わずそんな感想が飛び出てしまう。
だって、その後の小室のプロデュースの原点のような
アレンジだもの。
編曲は大村雅朗で、プロデュースは小坂洋二とクレジットされている。
当時ペーペーだった小室が、細かいことに指示出しできたとも思えず、
逆に、この頃に周囲から吸収したノウハウを、
のちに生かしていったと考えるのが自然ではないだろうか。
思わず曲に合わせて飛び出してしまいました。鼻歌が。
と、いうような男性コーラス*1なんかもそう。
無意識裡に一緒に口ずさむことを誘導してるんだよね。
女性だったら、そのまま渡辺美里の
メロディーのキーにあわせて鼻歌を歌えばいいし、
男性だったら、無理せずにオクターブ低い、
男性コーラスにあわせて鼻歌を歌えばいい。
はい。おもわず口ずさんでしまう曲の出来上がり。
このあたり、個人的にはどうしても
小室アレンジが好きになれないゆえんなんだけど、
効果的なのは間違いない。
そして、音がスカスカになりそうな楽器構成もかかわらず
ずっとリズムをとり続ける電子ピアノ以外は
どの楽器も頑なに単音弾きを貫こうとし、
長い音や和音で音に厚みを出すよりは、
むしろ音色の違う楽器をオクターブ違いで重ね、
短い音を縦横無尽に散りばめて、隙間を埋めているのがひとつの特徴。
のちの小室サウンドは、きらびやかな割には
音がスカスカで、打ち込み音の弊害がみられたりするのだけれど、
『My Revolution』のころは、打ち込み音と思いきや、
実は結構生音のようで、人間の手による演奏であることで、
微妙な揺らぎを得てスカスカな音になるのを回避している。
だけど、後の小室サウンドと決定的に違うのは、
芯の通った渡辺美里のボーカルだったりする。
あ、いや、
別に小室の悪口を書くつもりはないのよ?
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「さよなら Sweet Pain」
直訳すると甘い痛み。「切なさ」くらいの意味だろう。
憂鬱な毎日に別れを告げる宣言から
この曲はスタートする。
「非常階段 急ぐ靴音 眠る世界に響かせたい」
非常階段を靴音立てて駆けているということはつまり、
非常事態だよね。
眠ったような退屈な世界に非常事態を起こしたいと
かなりに物騒な欲望だ。
「My Tears, My Dreams」「My Fears, My Dreams」
私の涙が私の夢。私の不安が私の夢。
結構不安定でいらっしゃるらしい
現在入手可能な収録CD/視聴可能
やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
※該当曲を聴ける保証はありません。
脚注
*1:これも小室のコーラスだと信じていたが違うらしい。コーラスは楠木勇有行と木戸泰弘とクレジットされている。ちょっとびっくり