日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『グロリアス』 GLAY ~ あの頃の俺選手権、いつまでも夢見ていたい代表

ちょっと面白いことにこの曲、
一聴してシンプルな印象を受けるのに
聴きこんでいくと、意外に展開していることに気づく。
要は、構成が凝っているのだ。

わかりやすいところで例を挙げると、
曲のタイトルである「グロリアス
これが歌われるのは1番のクライマックス部分だが、
この言葉も、この旋律メロディも、
前にも後にもこの1回きりしか現れない。タイトルなのに。

ちなみにこの部分、一番は「♪Yes, Yes, Dear My グローリアース」と
伸びやかに締めくくられ、ギターソロに展開する。

二番では、同じ部分が「♪I Sing My Dream Forever, I Wish You Will Be Happy Life」と、
一音一音丁寧に踏みしめるような全く違うメロディーで歌われ、大サビへと展開する。

三番は、二番と同じような構成だが、同じフレーズがさらに展開していき、
イントロのフレーズを経て、ライブでよく行われる、
ギターを振り下ろして終わるような、シンプルなエンディングに収まる。

このように、肝心要であるはずの歌の締めくくりがすべて異なっている。


もうひとつ挙げてみよう。
「♪誰かのあの錆びたイノセンス・・・」で始まるAメロ、
一番では繰り返しうたわれるフレーズだが、
二番以降でこのメロディが登場することは、ない。

グロリアス シングルジャケット/amazonより
グロリアス

グロリアス

 
  • 作詞・作曲 TAKURO、編曲 佐久間正英
  • 1996年1月17日、プラチナムレコードより発売
  • オリコン最高位4位(年間40位/1996年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:グロリアス GLAY 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:グロリアス (GLAYの曲) - Wikipedia

  • そんなマニアックな聴き方はおいといて、歌詞に目を向けてみよう。

    「♪恋に恋焦がれ恋に泣く」
    もう、なんて身震いするほど若い言葉だろう。

    Deenの曲にみられる青さとも違う、
    Glayのこの『グロリアス』の青さを日本語に訳してみよう*1

    誰かの、、というかもちろん俺のことだよな。
    もうずいぶんスレちまったけど、俺にも純真な頃があったワケよ。
    木漏れ日のように眩しく輝いている記憶、って言えばいいのかな、
    生まれ育った街とともに、置いて来ちまったんだけど。

    だけど、アルバムの写真をめくるたび、
    あぁ、おもわず「なんて青くさい恋なんだ!」って叫びたいくらい
    今思い出してもすげぇ照れくさいんだけど、、、
    ガキっぽい恋だったと思う。
    そうそう、この頃ずっとしていたこの左手の指輪、
    これみてたら、なんかすげえ色々思い出してきた。


    そうこれは土曜日。あの頃は土曜でも午前中だけ学校があったんだよな。 
    バカみたいな青空と、馬鹿みたいにアホヅラさげた俺たち。
    学校帰りのくそ生意気な面々は、特にこれといった夢も目標もなく、
    ダラダラと同じ時間を過ごしていたわけよ。

    それでもたぶんみんな解っていたんだよな。
    いつまでもこうしていられないってことは。
    それぞれがそれぞれの道を見つけて、別々に歩んでいくってことをさ。
    それを言葉にしようとしなかっただけで。
    ただ毎日ふざけあっていた。


    恋に恋焦がれる。そう、俺たち恋をすることに憧れていたんだ。
    でもって、とーぜん現実の恋をして涙にくれるわけだ。つまりはガキだ。
    これこそ、まさに心から愛すべき、輝ける十代の日々!
    永遠に思えた、栄光の日々。忘れられない、栄光の日々。
    今も輝いている。そう、俺の大切な輝ける瞬間とき


    ・・・オヤジの武勇伝風に始めてしまったせいで、
    後半のナルシストな感じがキモチ悪くなってしまった。
    あの頃のオレ自慢は聞くに堪えないので、1番でやめておこう。

    それにこのあとは、現在の状況にうんざりした姿と、
    あの栄光の日々よ再び、と願ってやまないような
    現実に引き戻されてしまうんだ。
    これが。




    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    近頃のNEWS
    もちろんこれは、世間のニュースではなく、自分自身の近況。
    追いかける恋愛→まだモノにできていない、あきらめてしまいそうな恋と、
    追われる仕事→充実するよりも前に、次から次へと溢れて、投げ出したくなる仕事と
    全てため息に化けてしまう。


    行方を照らすメロディ高らかに産声を上げてくれ
    天啓を待つような他力本願な言葉。だけどたぶん、
    この主人公が目指している夢は、そんな大それた夢じゃないんだと思う。
    ありふれたような、幸せな人生、
    願っているのは、たぶんそんな誰にでもある夢だ。


    I sing my dream forever, I wish you will be happy life!
    みんなが幸せな人生を送れるように!そんな夢を僕は歌う。
    おっと、こんな大それた夢だったとは。
    失礼した。


    現在入手可能な収録CD/視聴可能
    BEAT out!

    BEAT out!

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    ▼ GLAY
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。




    脚注

    *1:英語混じりの日本語を、妄想を交えた日本語に翻訳する不毛な作業