ちょっと面白いことにこの曲、
一聴してシンプルな印象を受けるのに
聴きこんでいくと、意外に展開していることに気づく。
要は、構成が凝っているのだ。
わかりやすいところで例を挙げると、
曲のタイトルである「グロリアス」
これが歌われるのは1番のクライマックス部分だが、
この言葉も、この旋律も、
前にも後にもこの1回きりしか現れない。タイトルなのに。
ちなみにこの部分、一番は「♪Yes, Yes, Dear My グローリアース」と
伸びやかに締めくくられ、ギターソロに展開する。
二番では、同じ部分が「♪I Sing My Dream Forever, I Wish You Will Be Happy Life」と、
一音一音丁寧に踏みしめるような全く違うメロディーで歌われ、大サビへと展開する。
三番は、二番と同じような構成だが、同じフレーズがさらに展開していき、
イントロのフレーズを経て、ライブでよく行われる、
ギターを振り下ろして終わるような、シンプルなエンディングに収まる。
このように、肝心要であるはずの歌の締めくくりがすべて異なっている。
もうひとつ挙げてみよう。
「♪誰かのあの錆びたイノセンス・・・」で始まるAメロ、
一番では繰り返しうたわれるフレーズだが、
二番以降でこのメロディが登場することは、ない。
そんなマニアックな聴き方はおいといて、歌詞に目を向けてみよう。
「♪恋に恋焦がれ恋に泣く」
もう、なんて身震いするほど若い言葉だろう。
Deenの曲にみられる青さとも違う、
Glayのこの『グロリアス』の青さを日本語に訳してみよう*1。
もうずいぶんスレちまったけど、俺にも純真な頃があったワケよ。
木漏れ日のように眩しく輝いている記憶、って言えばいいのかな、
生まれ育った街とともに、置いて来ちまったんだけど。
だけど、アルバムの写真をめくるたび、
あぁ、おもわず「なんて青くさい恋なんだ!」って叫びたいくらい
今思い出してもすげぇ照れくさいんだけど、、、
ガキっぽい恋だったと思う。
そうそう、この頃ずっとしていたこの左手の指輪、
これみてたら、なんかすげえ色々思い出してきた。
そうこれは土曜日。あの頃は土曜でも午前中だけ学校があったんだよな。
バカみたいな青空と、馬鹿みたいにアホヅラさげた俺たち。
学校帰りのくそ生意気な面々は、特にこれといった夢も目標もなく、
ダラダラと同じ時間を過ごしていたわけよ。
それでもたぶんみんな解っていたんだよな。
いつまでもこうしていられないってことは。
それぞれがそれぞれの道を見つけて、別々に歩んでいくってことをさ。
それを言葉にしようとしなかっただけで。
ただ毎日ふざけあっていた。
恋に恋焦がれる。そう、俺たち恋をすることに憧れていたんだ。
でもって、とーぜん現実の恋をして涙にくれるわけだ。つまりはガキだ。
これこそ、まさに心から愛すべき、輝ける十代の日々!
永遠に思えた、栄光の日々。忘れられない、栄光の日々。
今も輝いている。そう、俺の大切な輝ける瞬間
・・・オヤジの武勇伝風に始めてしまったせいで、
後半のナルシストな感じがキモチ悪くなってしまった。
あの頃のオレ自慢は聞くに堪えないので、1番でやめておこう。
それにこのあとは、現在の状況にうんざりした姿と、
あの栄光の日々よ再び、と願ってやまないような
現実に引き戻されてしまうんだ。
これが。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
近頃のNEWS
もちろんこれは、世間のニュースではなく、自分自身の近況。
追いかける恋愛→まだモノにできていない、あきらめてしまいそうな恋と、
追われる仕事→充実するよりも前に、次から次へと溢れて、投げ出したくなる仕事と
全てため息に化けてしまう。
行方を照らすメロディ高らかに産声を上げてくれ
天啓を待つような他力本願な言葉。だけどたぶん、
この主人公が目指している夢は、そんな大それた夢じゃないんだと思う。
ありふれたような、幸せな人生、
願っているのは、たぶんそんな誰にでもある夢だ。
I sing my dream forever, I wish you will be happy life!
みんなが幸せな人生を送れるように!そんな夢を僕は歌う。
おっと、こんな大それた夢だったとは。
失礼した。
現在入手可能な収録CD/視聴可能
やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
※該当曲を聴ける保証はありません。
脚注
*1:英語混じりの日本語を、妄想を交えた日本語に翻訳する不毛な作業