日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

百名曲

『東京音頭』 小唄勝太郎・三島一声 ~ 1932年生まれ、今なお現役。20世紀最大のヒット曲

「♪ハァ~」で始まる曲は数多くあれど、 その最高峰に位置し、いまだに盆踊りの代表曲であるこの曲は、 なんと1933年(昭和8年)のリリース。 三味線と小太鼓、合いの手の掛け声という、お座敷唄の様式をベースに、 太鼓と管弦楽伴奏を加えて音に厚みを持た…

『夏祭り』 whiteberry ~ 実のところ一発の花火だって打ちあがってはいないのだ

甘えるような猫なで声が、歌詞の青さと相まって、 幼さの残る年頃の、恋物語を引き立てている。 男目線の歌を女性がボーカルをとることで、さらに主人公たちの幼さを連想させる。 たぶん、中学生くらいなんだろうな。 「♪友達見つけて離れて歩いた」 男女二…

『花火』 aiko ~ 泣いて諦めなければいけない恋とはいったい何なのか

つまりは、この「花火」っていうのは、 恋心のことなんだよな。たぶん。 理由はわからないけど、どうしてもあきらめなければいけない恋。 「♪夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」 一歩引いた位置から俯瞰するように、客観的に自分の恋心を眺め…

『So Young』 The Yellow Monkey ~ げにイエモンは感嘆符がよく似合う。

あぁしまった!そうだった! と関西弁で叫んでいるようにしか聞こえないが、 「そぉや~ん!!」こと、『So Young』。 頑なまでに日本語にこだわり、最後まで英単語のひとつも使わず*1に 絞り出すように、ラストにしてようやく叫んだ英語でもある。 チャラチ…

『おなじ星』 Jungle Smile ~ 盛り上がりすぎて一方通行にならなければいいなぁ。

カラオケでこの曲を選曲した人がいたならば、 ぜひとも勝手にハモりパートを歌って迷惑がられたいと 常日頃から思ってやまないのだが、ついぞその機会に巡り合わない。 というより、今の今までただの一度も、この曲やこのグループの話題が 会話に登場したこ…

『硝子の少年』 Kinki Kids ~ 現役の少年に少年時代を振り返らせるナンセンス

歌い出しに現れる無音の瞬間にゾクっとくる。 曲の随所にみられる、そういう"古臭い"テイストが、この曲のキモだったりする。 古臭いといっても、世代を超えた大昔ではなく、 ひとりの人間が、ふと余裕をもって振り返ることができる程度の過去。 どこかで見…

『強く儚い者たち』 Cocco ~ 悪魔のささやきの裏には、報われない恋の悲しさがある

時は、大航海時代。 何かの物語の主題歌ではないことが不思議なくらいな、 なんとも寓話的なシチュエーション。 それにしても視点が斬新。 主人公の役どころは、なんと「悪魔のささやき」。 自分が悪女と思われることもいとわず、むしろ余裕しゃくしゃくとば…

『そばかす』 Judy and Mary ~ イイ思い出となるには、ちいとばかし時間が足りない模様

何とも奔放なギターが、ある意味ほほえましい。 YUKIのヘタウマ*1なボーカルの後ろで、ちょこまかと動き回るさま*2は、 テレビ中継のレポーターの後ろのほうで、画面に映り込もうと跳びはねる悪ガキどものようだ。 リズムとか音程とか本当にこれでいいの? と…

『誰より好きなのに』  古内東子 ~ 男女の親友関係が成立ってのも、あやふやなものだ

せつない内容の歌なのに、なんでだろう。なんだかとってもオシャレ。 ピアノを中心として、ベース、ギター、ドラムスといった アコースティック*1の楽器を並べ、 トランペットを中心にしたブラスアンサンブルとストリングスで飾り立てることで、 ニクいまで…

『Love Phantom』 B'z ~ 自身の作り出した亡霊に振り回され自暴自棄になるお話

B'zの松本孝弘というギタリストは、 自分で作曲とアレンジを行っていて、かなりのテクニックを誇示しているクセに、 なぜか、一歩引いている印象を受ける。 ああ見えて意外に自己顕示が少ないんじゃないかと。 わかる人にだけわかってもらえれば、OK。 少な…

『太陽が燃えている』 ザ・イエロー・モンキー ~ ないはずの説得力がある骨太サウンド

まったくの個人的観点から言わせてもらうが、 バンド・サウンドのベストはイエモンだと思う。 おそらく意識的に超高音と重低音を排除し、 中低音の音域にどっかと腰を据えた骨太のサウンドに、 話し言葉のような日本語を載せている。 そのせいだろう、歌詞カ…

『ロビンソン』 スピッツ ~ 他力本願そのもの。メルヘン主導の雰囲気先行曲

日本の流行歌史上、大きな位置を占めるこの名曲は 「君」を何と解釈するかによって、歌詞の意味が大きく変わってくる。 そもそもが全体に抽象的で、暗喩のようなキーワードばかりで 具体的に何を言っているのかさっぱりわからないのだから、 それは当然のな…

『歩いて帰ろう』 斉藤和義 ~ レールからの脱却。そのささやかな第一歩

あらためて歌詞を見てみると、意外なほど愚痴っぽいのに、 なんだかとってもハッピーなうた。 みんなでワイワイと適当な楽器を持ち寄って、 せーのでこの曲を演奏してみるだけで、 たぶんきっと下手なりにもみんなハッピーになれる。 タンバリンをシャリシャ…

『夏の日の1993』 class ~ 時代の粋を集めたバカップルの一発屋ソング

よくぞ名付けたり、『夏の日の1993』 これで1993年の夏のヒット曲でなければ もはや嘘を通り越してペテンである。 ピンク・レディー『カルメン'77』(1977年/※試聴環境がないようです by)、 中森明菜『十戒(1984)』(1984年/※試聴環境がないようです by)、…

『島唄』 ザ・ブーム ~ さとうきび畑、現代沖縄語訳

沖縄音楽の最大のヒットが、 このヤマトンチュ*1による『島唄』だったのは、 ちょっとした皮肉だったろうか。 しかし、 『ハイサイおじさん』*2(1976年/※試聴環境がないようです by)や 『すべての人の心に花を』(1980年/※試聴環境がないようです by)で…

『君がいるだけで』 米米クラブ ~ 移り気男の本命アピールタイム。そう、例えば、、、

おそらくは、本人たちですら意図せぬままに、 頂点まで登り詰めてしまった、偉大なるマイナー、米米クラブ*1。 推測でしかないが、この歌にしても、もしかすると 元々はトレンディー路線のポップスに対する、単なるパロディだったのかもしれない。 例えば、…

『悲しみは雪のように』 浜田省吾 ~ どんなに積もっても、いつかは融けるんだ

心の叫びを絞り出すような、心に響くメロディーに おもわず勘違いしそうになる。 「♪心の底から誰かを愛することができるはず」 「♪誰もが Wow.. 愛する人の前を気づかずに通り過ぎてく」 自分の思いに気付いてくれない人に対して、遠回しに想いを伝えている…

『さよなら夏の日』 山下達郎 ~ 勝手な解釈は聴き手の自由だ(くれぐれも自己責任で)

毎回毎回、もっともらしく歌詞の解説をしてはいるが、 実のところは、シチュエーションの設定次第で、 物語の解釈はどうとでもなることが多い。 こういうのを曲の懐の広さ、という。 曲に懐の広さがあるからこそ、 人はその中に自分の実体験や、見聞きした物…

『花咲く旅路』 原由子 ~ 花びらの紫色は人生の色

ときはまだまだ、バブル景気を強く引きずっているころ。 日本中すべてが浮かれまくって 「♪24時間戦えますか?」なんて歌が流行った時代だが、 (『勇気のしるし』(牛若丸三郎太*1/1989年/※試聴環境がないようです by)) どういうわけかこの時代は、ノス…

『少年時代』 井上陽水 ~ 憧れを覚えていますか。いいえ忘れたことにしました。

和製ボブ・ディラン、といえば吉田拓郎のことだが、 いやいや和製ディランであれば、むしろ 井上陽水のことだろう、と常々思っている。 どうやら自分の持つボブ・ディランのイメージと 世間の持つボブ・ディランのイメージに隔たりがあるらしい。 自分のイメ…

『真夏の果実』 サザンオールスターズ ~ 夢の中だけに残る、ゆきずりの恋物語

まず第一に、小林武史によるアレンジが秀逸。 トーンチャイム*1とハープの中間のような音の 静かなイントロから導かれる 桑田佳祐のつぶやくような歌い出しに、 切なさがあふれている。 ゴテゴテした装飾の一切ない、 シンプルアレンジの一本鎗で、 桑田のボ…

『未来予想図II』 ドリームズ・カム・トゥルー ~ シンプルで強い夢は、きっとかなう。

あらかじめ回数を決めた、ポンピングブレーキ*1はやめましょう。 とっても危ないことこの上ない。 「♪ブレーキランプ5回点滅 ア・イ・シ・テ・ルのサイン」 かくいう自分も、若かりし頃に(恥ずかしながら)何回か実行したことがある。が、 去り際にやっても…

『M』 プリンセス・プリンセス ~ 想いがブラックホール化している。立ち位置の問題か?

あらためて歌詞をみて初めて気づいたのだが、 別れた相手を想い出にできなくて苦しい、 という単純な歌とは、どうやら違うらしい。 彼に言われた別れの言葉が、 いつまでも頭の中でリフレインしていて、逃れられない。 だけどなぜか、愛しさを忘れることがで…

『Train-Train』 ザ・ブルーハーツ ~ さまよえる羊たち応援団

ブルーハーツの最大の良さは ひとえにその、わかりやすさ、にあると思う。 「♪見えない自由が欲しくて」 「♪見えない銃を撃ちまくる」 「♪どんな記念日なんかより」 「♪どんな記念碑なんかより」 ダジャレ一歩手前の*1、韻を踏んだ歌詞と、 どんなことがあっ…

『大きな玉ねぎの下で』 爆風スランプ ~ 純粋な少年が大人になる、通りゃんせ通りゃんせ

爆風スランプのボーカル、サンプラザ中野と云う御仁は つくづく不思議な歌い手で、 そもそも上手いのか下手なのかがよくわからない。 ・・・イヤ、もちろん上手ですよ? だけどなんて言うか、情緒の襞ひだというか、 そういうのをあまり感じさせない歌い方を…

『北ウイング』 中森明菜 ~ 鳴り響く不協和音は、破局の予感か

サビでは、力強く。 そしてそれ以外の部分では、囁くように。 遠い町に行ってしまう恋人に、 一緒に来て欲しいと言われたものの、一度は断ったのだろう。 しかし後悔と未練は募るばかりで断ち切れない。 すべてを捨てて、かつての恋人のもとへと旅立つ。 中…

『探偵物語』 薬師丸ひろ子 ~ 連想ゲームの時間です。お題は「とまどい」

その詩といい、そのメロディといい、 かなり映像的な曲だと思う。 「♪あんなに激しい潮騒が あなたの後ろで黙り込む」 激しく波音を立てていた海が、 ひとりの人物を映しだした瞬間に、無音の世界に変わる。 「♪夢で叫んだように唇は動くけれど 言葉は風にな…

『越冬つばめ』 森昌子 ~ 美しく唄うツバメ男は何にあらがうのか

おそらく一生のうちに一度も訊かれることは無いだろうが、 もしも、「演歌で最も美しい曲は」と問われたとしたら 迷わずにこの曲を選ぶ。 「♪ヒュールリー ヒュールリーララー」 森昌子のよく通る声による、寂しげなメロディが 実にキャッチ―で印象的。 この…

『め組のひと』 ラッツ&スター ~ べらんめえ女とそれを取り巻くナンパ男たち

浮かれたバブル期の到来を予感させるような ラテン風でトロピカルな曲調*1とは裏腹に、 「いなせだね」 「目元流し目」 「粋なこと」 「め組のひと」 「気もそぞろ」 と、やけに古風な言い回しが目に付く。 視線の力と妖しい魅力で、男たちを虜にしていく女…

『冬のリヴィエラ』 森進一 ~ さわやかな森進一はお好きですか?

演歌とは何か、という問いの解のひとつに、 「演歌歌手が歌っているうた」という、 文字通り本末転倒しているくせに言い得て妙、な答えがある。 演歌というのは非常に厄介な分類で、 メロディーやリズムといった、音楽上の特徴から、 ジャンルを分けることが…