日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

百名曲

『いつでも夢を』 橋幸夫・吉永小百合 ~ 曲がいいと中国語でもイケるのよ

どこで覚えたのかはとんと記憶がないが、 昔からこのメロディーは知っていた。 表題曲をそれとして最初に認識したのは 1992年のサントリーの烏龍茶のコマーシャル*1が最初だったと思う。 中国語で唄われたこのCMは当時ちょっとした話題となり、 調子に乗って…

『ハイそれまでョ』 植木等 ~ 卓越した表現力はタチが悪い

柳の下にドジョウはウジャウジャといたようで、 前年の『スーダラ節』が、ヒットの勢いを得て映画化*1し、 さらにつづけての映画『ニッポン無責任時代』の主題歌(のひとつ)となったのがこれ。 つづけて、といっても実際は間にもう2作映画があるらしいが、…

『スーダラ節』 ハナ肇とクレージー・キャッツ ~ 生真面目にとほうもない脱力劇

サラリーマン哀歌の元祖ともいえる楽曲だが、 その突き抜けるまでの能天気なアレンジと歌唱が、 根底に流れる暗さを微塵も感じさせない、 浮かれた、酔いの境地に似た空間を醸し出している。 サビは、脱力を無限に発する 「♪スーイ スーイ スーダラダッダ ス…

『東京ナイトクラブ』 松尾和子・フランク永井 ~ オ・ト・ナな男女の火アソビ劇場

フランク永井による、ダンディーな低音の響きと 松尾和子の、色っぽく艶やかでかすれ気味の声による 掛け合いデュエット。 じれったいまでに、タメのきいた伴奏と これまた演奏以上にじれったい、二人のオトナな会話。 それをひと言でいうなら、ムーディ。 …

『お富さん』 春日八郎 ~ 意外や意外にヤクザな物語だよお富さん

「♪死んだハズだよ お富さん」 元ネタは歌舞伎*1らしい、と知ったのは最近のこと。 人の女に手を出したチンピラが、女ともども半殺しの目にあって、 命からがら逃げだして自分だけ生き延びたと思っていた。 しばらくのち、 当の女は誰かに囲われていて、いい…

『お祭りマンボ』 美空ひばり ~ 出来すぎちゃったネタフリ

『♪ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ そ~れ、それそれ お祭りだァ!』 このフレーズときたら、いつの時代になっても おもわず使ってみたくなるモノらしく、 90年代の『お祭り忍者』(忍者/1990年/試聴はこの先から)や 21世紀に入っての『…

『東京キッド』 美空ひばり ~ その音質は時代の音なのか

「♪右のポッケにゃ夢がある、左のポッケにゃチューインガム」 美空ひばり主演の同名映画を見たことはなくとも、 ズボンのポケットに手を突っ込んで歌う、子役時代のひばりの映像とひっくるめて 表題曲を記憶している人が、多いのではないだろうか。 まさに自…

『長崎の鐘』 藤山一郎 ~ わずかに差す光明を、瞬時に覆い尽くす闇

あえていうまでもなく、長崎での戦災をテーマにした曲。 直接的に原爆を指す表現は一切出てこないものの、悲痛な歌詞とメロディーに、誰もがそれを連想せざるをえない。 曲調も、歌詞も、歌声も、何もかもが、重苦しい雰囲気を醸し出している。 とても、とて…

『誰か故郷を想はざる』 霧島昇 ~ まるで縦横無尽の格ゲーコマンド

表題曲をはじめて知ったのは、どういうわけか夢路いとし・喜味こいし*1の漫才だった。 小学生のころだったと記憶しているが、TVやラジオの演芸番組*2、今でいうお笑い番組を片っ端からカセットテープに録音し、ダブルカセットのラジカセ*3を駆使してCMや前振…