日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『東京ナイトクラブ』 松尾和子・フランク永井 ~ オ・ト・ナな男女の火アソビ劇場

フランク永井による、ダンディーな低音の響きと
松尾和子の、色っぽく艶やかでかすれ気味の声による
掛け合いデュエット。

じれったいまでに、タメのきいた伴奏と
これまた演奏以上にじれったい、二人のオトナな会話。
それをひと言でいうなら、ムーディ。

ナイトクラブ、とはいうものの、おそらくダンスホールのような場所なのだろう。
そこを舞台とした、大人の恋の駆け引きを歌った曲だが、
それにしても、まあ、軽薄なことよ。

以下2番の歌詞

(女)もう私、欲しくはないのね
(男)とても可愛い、逢いたかった
(女)男は気まぐれ、その時きだけね
(男)うるさい男と、言われたくない
(女)どなたの好み、このタイは
(男)妬くのは、およしよ
(男女)東京・ナイト・クラブ

見事なまでに、話に内容が無い。

グッド・ナイト (MEG-CD)
シングルジャケット/amazonより
東京ナイト・クラブ

東京ナイト・クラブ

 
  • 作詞 佐伯孝夫、作曲 吉田正、編曲 小沢直与志
  • 1959年(昭和34年)7月、日本ビクターより発売
  • 歌詞はうたまっぷへ:東京ナイト・クラブ フランク永井/松尾和子 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:東京ナイト・クラブ - Wikipedia

  • かつて、男女のデュエットソングといえば
    『リンゴの唄』(並木路子霧島昇/1945年/ by)や、
    『旅の夜風』(霧島昇・ミスコロムビア/1938年/ by
    に代表されるように、
    爽やかな男女の恋心を、1番が女性、2番が男性(あるいはその逆)、
    最後に男女のユニゾンと、ワンコーラスずつ交代持ち回りで
    ともに歌う曲が主流だったように思う。

    ところがこの曲あたりを契機として、以降、
    ワンフレーズ交代で男女が歌う”掛け合い”の方式が主流になり、
    男女一緒に歌う場面では、ユニゾンではなくハモる*1ことも多くなった。

    そしてのちの『男と女のラブゲーム』(葵司郎&日野美歌/1986年/ by
    などの軽めのデュエットへの系譜に繋がる、
    傍目でみるとかなりどーでもいい駆け引きが見もの。

    大人の──決して本気ではない──男女の、
    遊びを見事に(?)描いている。




    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    「♪東京・ナイト・クラブ」
    たったこれだけの文字数を、このゆったりしたテンポの中、
    まるまる4小節かけて歌いきる。

    しかも、ほとんど音を伸ばさずに、一音、一音、丁寧に。

    なんだこりゃ。
    これが大人の恋というものなのか!

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    ナイトクラブ
    法律の定義上でいえば、ナイトクラブは男女問わずダンスなどで遊べる場所で、そこに飲食を供するものとされる。
    本文中では、「ダンスホール」の語を用いて説明したが、これは法律上は飲食を供しない場所なので、
    厳密にいえばナイトクラブのほうが正しい。
    なお、店側が用意したの女性と遊ぶのは法律上はナイトクラブではなく、キャバレーの類になる。
    帰ろうとする男に「♪そんなの嫌よラストまで踊っていたいの」と引き留めているのをみると、
    表題曲の相手女性が実は店の女の子である可能性は捨てきれない。
    するってぇと、ここはナイトクラブではなくキャバレーということになる。

    男女の掛け合い会話以上に意味のない、店の分類の定義議論がこうやって進んでいく。
    実態の線引きは非常にあいまいで、イメージで言った方が明確な場合も多く、厳密に分けることは特に客側にしてみればあまり意味がない。


    どなたの好み このタイは
    「♪どなたの好み この会話」と聞き違えていた。なんと辛辣な!と思っていたのだが・・・
    タイ(ネクタイ)、だったのね。
    まあ、どっちにしてもドロドロだよな。

    現在入手可能な音源



    ライブはもう見ることができないので、映像をどうぞ


    www.youtube.com

    脚注

    *1:【ユニゾンではなくハモる】ユニゾン:複数人で同じメロディーを揃って歌う。ハーモニー(ハモる):複数人それぞれで別のパートを歌い和音にする。わかりにくい例でたとえると、チェリッシュがユニゾンで、ダ・カーポがハーモニー。この例えはいまだ誰も解ってくれない。(そもそもわかりやすい例で例えろよという話)