どうも、無視して通ることができない曲
というものがあるようだ。
たとえ「10名山」に絞ったとしても
決して落とすことのない山としてその名を挙げている。
同じように、この曲も決して外すことはできない。
10名曲、、はチト言い過ぎかもしれないが。
歌詞の内容は、現実から目をそらし、逃げ去ろうとする曲である。
あてのない希望に向かって、いまを捨て去る。
夢に破れて逃げ去るのか、
恋人と別れて逃げ去るのか、
あるいはその両方だろうか。
決して過去をすべて投げ捨て去るわけではない。
子どものころの思い出は胸にしまって、
あてのない旅に出る歌だ。
「夕焼けを探しに」「羊雲を探しに」
と、かなりのあてのなさだ。
旅立ちの理由になるものではない。
そもそも旅先に探しに行くものではないだろう。
最後に本音が出る
「幸せを探しに」と。
それが、谷村新司お得意のドラマチックなメロディーと、
国鉄のCMソングに取り上げられたおかげもあって
この陰鬱な歌*1も、
希望が満ちたかのように盛り上がる歌になった。
『いい日旅立ち』、という前向きなタイトルの
おかげも、かなりあると思う。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
旅情、という言葉にイメージされるように、
ウキウキワクワクの楽しい旅ではない。
時代もあったのだろう、当時の旅のイメージは
しみじみ、としたものだったのかもしれない。
また、「旅」にそれを求める人も多かったのだろう。
発車チャイムをイメージさせる出だしから、
物寂しげなトランペットのイントロへと引き継がれる。
このトランペットを吹いているのが数原晋。
必殺仕事人の、あのフレーズを奏でている
まさにその人だ!*2
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「いい日旅立ち」
もしかしたら、CMソングのために
タイトルがあらかじめ与えらていれた曲なのかもしれない。
以前から、この「いい日旅立ち」というフレーズが
妙に浮いているのが気になっていた。
「♪一人きり 旅に出」たり
「♪砂に枯れ木で書くつもり さよならと」
いう日のどこが、「いい日」なのかと。
現在入手可能な収録CD/視聴可能