まぁ、まずは落ち着け。
何があったか知らんけど、とにかく落ち着け。
どう どう。
「♪海は死にますか?!」
「♪山は死にますか?!」
「♪風はどうですか?!」
「♪海もそうですか?!」
「♪教えてください・・・」
まくしたてるように、終始問いを投げかけてくる。
その答えを得ることもなく。
同時期の、オフコースの『Yes-No』(1980年/ by
)も、
「♪君を抱いていいの? 好きになってもいいの? 心は今どこにあるの?」
ただひたすら問いを発する歌だが、深刻さがまるで違う。
なんせ生き死にを問うているのだから。
ほんとに何があったのだろう。
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それでも、中盤で少し落ち着きを取り戻すようだ。
「♪わずかな命の 煌めきを信じていいですか」
「♪去る人もあれば 来る人もあって」
「♪欠けてゆく月も やがて満ちてくる」
ようやく落ち着いて少し前向きになって来たかな、と思いきや、
また「♪海は死にますか 山は死にますか」
に戻ってしまう。
前よりも一層声に深刻さを増して。
主人公は、余命宣告でも受けたのだろうか
「♪病の苦しみと 死にゆく悲しみと、今の自分と」
答えを得ることなく、
おそらく答えられる人もいないままに、
くりかえし
くりかえし
同じ問いかけが続く。
正直、マジでこんな問いかけを受けたら
しばらく立ち直れない。
落ち着け、なんて
とても言えそうにない。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
出だしは、さだらしい*1
アコースティックギターのアルペジオと、ベースのみの構成から始まる。
だんだん感極まるとともに演奏もエスカレート、
エレキギターがギャンギャン鳴るころには
ボーカルもエキサイトして、
オマエが一番先に逝ってしまうぞ!
とハラハラドキドキのツッコミを入れたくなったところで終了する。
エスカレートする演奏は、
まるで悪ノリが過ぎたかのよう。
意外とレコーディング現場は
ノリノリで楽しかったんじゃないだろうか。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「防人の詩」
さきもり、と読むのは歴史の授業で習ったのでは。
有名どころでは
唐衣 裾に取り付き 泣く子らを 置きてそ来ぬや 母なしにして
(他田舎人大嶋)
なんかがある。
今回初めて知ったが、このさだの『防人の詩』も
万葉集の防人の一首を題材にしたものらしい
鯨魚(いさな)取り 海や死にする 山や死にする 死ぬれこそ
海は潮干て、山は枯れすれ
(詠み人不詳)
ああ、それで防人の詩、というタイトルだったのね。
「生きる苦しみと 老いてゆく悲しみと
病の苦しみと 死にゆく悲しみと」
散々苦労するという意味の「四苦八苦」という言葉があるが
このうち四苦は、「生きる」「老いる」「病む」「死ぬ」
の4つの苦しみのことを指しているという。もともとは仏教の考え方らしい。
主人公の救いは、仏教の中にはなかったのだろうか。
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