なんの気のてらいもない、純粋にメロディーのいい曲。
よって、よほど文章が巧みか、曲の構成に造詣が深くないと
文章を書く手掛かりが見つからない。
というような、ちょっと調べればわかる裏話を書いてもしょうがないので、
歌詞方面から、ほかのアプローチを試みてみる。
歌詞を見ていくと、この曲、実は隠れ鉄道ソングであることがわかる。
「♪春色の汽車に乗って海に」
「♪四月の雨に降られて 駅のベンチで二人」
「♪線路のわきの蕾は 赤いスイートピー」
春色、というと淡い桜色やクリーム色だろうか。
1982年当時にあった、パステル色の列車。
そしてその汽車は海へと向かう路線。
4月に露地のスイートピーが咲く地域。
寒冷地ではもっと遅いので、関東以南だろう。
二人のほかに人影がなくなるような、無人かそれに近い駅のあるローカル路線。
と、いくつかヒントが転がっているので、
鉄道ファンなら舞台となる地について、
いくつか具体的な路線名を挙げられるのだろう*1
が、
あいにくそんなスキルは持ち合わせていない。
無念。
もう一つ、結論の出ない考察を入れてみよう。
相手の男性は、いくつなのか。
「♪タバコのにおいのシャツに そっと寄り添うから」
という歌詞から、ある程度年の離れた年上の男性を想像しがち*2だが、
「♪あなたと同じ青春」
意外と年が近いのだろうか。
「♪ちょっぴり気が弱いけど」
「♪あなたの生き方が好き」
ちょっと上から目線のような気がする。
「♪なぜ 知り合った日から半年過ぎても あなたって手も握らない」
「♪なぜ あなたが時計をちらっと見るたび 泣きそうな気分になるの」
これらが、モノローグ(心の中のつぶやき)ではなく、
直接口に出して問いかけて、
ちょっと相手を困らせているのだとしたら?
相手の男性は、無邪気な主人公に振り回されている
主人公と同年代の、ピュアな不良少年*3ではないだろうか。
と、可能性のひとつではあるけど、
ここまで来ると妄想だな、これは。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
シンプルだが印象的なピアノのイントロに始まり、
出だしからさすがの歌唱力を見せる松田聖子。
それにしても、アイドルブームの先鞭をつけた松田だが、
どうして後に続いたアイドル達は、
歌唱力を競うつもりもなく
歌がメタメタだったのか。とても不思議。
こののち、危なっかしいを通り越して
危険物のような歌唱のアイドル達が量産されていく。
風見しんご『僕、笑っちゃいます』(1983年/ by)や、
新田恵利『冬のオペラグラス』(1986年/ by)の雄姿を見よ!
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「スイートピー」
見た目の印象は、バカでかい豆の花*4。
「ピー(pea)」は豆のこと。スイートピーは直訳すると甘豆。
甘いといっても、じつは毒があるらしいので、世の中そんなに甘くない。
ちなみに複数形にすると「ピース(peas)」。グリーンピースは、直訳すると緑豆団。
「門出」「別れ」「想い出」
別れ、の歌ではない。門出に伴う別離の意味合いが強いので、
二人そろっての出立の歌なのだろう。
「心の岸辺」
意味合いとしては「心の片隅」に近いのだろうけど、
「岸辺」とすることで、心が接している部分、心が寄り添う部分、
というような、相手との心の接点を指しているのだと思う。
「あなたが時計をちらっと見るたび 泣きそうな気分になる」
デートの最中に時計を気にされたら、相手は気が気じゃない。
「たび」に、ということは一回きりではなくたびたび目をやっているのだろう。
しかし駅で汽車を待つときに時計を見るのは、比較的自然なこと。
列車か時計のどちらかが遅れているのだろう。
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