よくぞ名付けたり、『夏の日の1993』
これで1993年の夏のヒット曲でなければ
もはや嘘を通り越してペテンである。
ピンク・レディー『カルメン'77』(1977年/ by)、
中森明菜『十戒(1984)』(1984年/ by)、
本田美奈子『1986年のマリリン』(1986年/ by)、
hitomi『LOVE2000』(2000年/ by)などなど、
リアルタイムの年を冠した曲は数多くあれど
実際には歌詞に年の数字が登場しない、記念碑的タイトルがほとんどで、
そのままズバリをメインの歌詞に据えてヒットした曲はほかにあまり記憶にない。
無理に挙げれば『紀元二千六百年』*1(軍歌/1940年/ by)
くらいだろうか。
その中で、サビで堂々と西暦年を歌い上げる表題曲は、
まるで時代を示す一里塚のように、
露頭する地層の一枚に明確な痕跡をつけるテフラ*2のように
この時代が、具体的に何年のことだったかを明確に示してくれる。
また、個人的には英語での西暦の読み方を
間違って覚えるきっかけになってしまった曲でもある。
本来は nineteen ninety-three と読むのが正しいようだが、
この歌では、nineteen nine three と歌っている。
刷り込まれるようにこの読み方で覚えてしまったために、もう死ぬまで直らないと思う。
同じく個人的には、数少ない(というよりもほぼ唯一)
ヒットチャートをリアルタイムに経験した時代・瞬間であり、
まったく気の乗らない合宿で館詰*3になっていたときに、
誰の計らいか、なぜか有線がずっと掛かっていたのだ。
ちなみに同時期に優先でパワープレイされていたうち、
『島唄』(The BOOM/ by)、
『エロティカ・セブン』(サザンオールスターズ/ by)、
『夏を待ちきれなくて』(TUBE/ by)、
『Get Along Together』(山根康広/ by)、
『裸足の女神』(B'z/ by)などが
かなり念入りに印象に刷り込まれてしまっている。
つらいばかりで決していい思い出の合宿では無かったが
リアルタイムの記憶と結びついた曲というのは印象が強い。
まさに想い出フィルター5割増しである。
上記すべて選びたいところをグッとこらえて、
よりによって、なぜか『夏の日の1993』を選んでしまった。
ひとつくらい、こんな理由で選んだ曲が入るのも
いいんじゃないかなと開き直る。
サウンドは良いんだよ?
声はちょっとおっさん臭くなりそうなとこあるけど。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
歌詞を眺めれば、なんとまあチャラい内容で、
今まで何とも思っていなかった女性に、水着姿とそのプロポーションを見せられて
思わず恋に落ちてしまった、という、
今であれば、めんどくさい女性軍(大失礼)と、
変に生真面目な有識者層に、非難ゴーゴー浴びそうな内容がヒドい。
「♪普通の女と思っていた」
「♪僕には合わない人だと思った」
くせに、
プールに誘われたんだろうね、彼女に。
たぶん普段はこんなの相手にしねーよ的な、地味めの女性。
ところが勝負水着を見せられて、大方針転換。
「♪まるで別人のプローポション Ah 水際のエンジェル」
「♪服の上からは計れないね Ah 色っぽいチャーミング」
ときて
「♪LOVE人違い Oh そうじゃないよ」
「♪いきなり恋してしまったよ 夏の日のきみに」
スケベ心まるだしの上に、妙に片言の簡単な英語を
取り交ぜるものだから、異常にバカっぽい。
気取って英語で言っちゃった年号も、読み方間違えてるし。
時代か。
「♪我はエロティカー、 セブン セブン セブン セブン」
なんてのが流行っていた時代だからね。しょうがない。
若者みんな、精神年齢中高生バカ、みたいな時代だったんだろうな。
別にうらやましくはないが、実に楽しそうだ。
歌詞の内容のヒドさに目くじら立てて怒ることないよ。
よくみてごらん。
主人公たち、男も女も、単純にバカなだけだもの。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
ミステリアスにso tight
神秘的にキマっている、くらいの意味か。
謎めいて大変窮屈、という意味ではない。
僕の視線を避けるようにいたね 意識してしまう
狙って水着になっておいて、恥じらうようなそぶりを見せる。
男がガン見していたのかもしれないが、
嫌だったら「避けるように」ではなく「逃げて」いたはずなので、あくまでフリだろう。
男女の駆け引きとしてはどうなんだろう。直接的すぎないか。
スキャンダラスにSay Love
おそらく、ちょっとイケナイ感じに愛し合おう、
ということが言いたいのだろうが
悪評をたれるように好きって言おう。という意味になっている。
馬鹿丸出し。
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