日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『太陽が燃えている』 ザ・イエロー・モンキー ~ ないはずの説得力がある骨太サウンド

まったくの個人的観点から言わせてもらうが、
バンド・サウンドのベストはイエモンだと思う。


おそらく意識的に超高音と重低音を排除し、
中低音の音域にどっかと腰を据えた骨太のサウンドに、
話し言葉のような日本語を載せている。

そのせいだろう、歌詞カードがなくても
何をしゃべっているのか割合はっきりと聞き取れる。
そう、歌っているというよりは喋っているような感覚。


そして、これは意識しているわけではないと思うが、
アクセントがおかしくなるくらいであれば、
平然とリズムや旋律を変えてしまうようなことを、あっさりやってのける。

そんなこんなで言葉を大事にしている印象を受けるから、
イエモンは歌詞がいい、なんて評判を受けるのだろう。
結構カッコつけて、気取った感じがミエミエなのに
本心を語っているように聞こえるから不思議だ。

太陽が燃えている シングルジャケット/amazonより
太陽が燃えている

太陽が燃えている

 
  • 作詞・作曲 吉井和哉、編曲 THE YELLOW MONKEY
  • 1995年(平成7年)9月30日、日本コロムビアより発売
  • オリコン最高位9位
  • 歌詞はうたまっぷへ:太陽が燃えている THE YELLOW MONKEY 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:太陽が燃えている - Wikipedia

  • 『太陽が燃えている』においては、
    洋楽かぶれのゴリゴリのサウンドのクセに、英語らしい英語はほとんど使われていない。

    使われている外来語は、プレゼントとかリボンとかフリージアとか、
    すでに日本語と化している英語だけだ。
    あえて英語らしいのを挙げれば「Yeah」だけだろう。
    こういうところもこだわりに見えるからこれまた不思議だ。
    なんなんだろう。そういうのも人徳というのだろうか?




    話はガラッと変わって、
    なんで彼らは「イエモン」なんて和風な通称をつけられてしまったかね。
    そもそもイエローモンキーというバンド名もどうかしているが。

    なんたって、イエモンといえば、
    四谷怪談のお岩さんの、その旦那、田宮伊右衛門の名前。
    お岩さんに毒をもって醜い容貌にしてしまい、
    自殺に追い込む鬼畜旦那の名前だ。
    ほんとにいったい誰が選りによって名付けたか、
    イエモン

    なお、お茶の伊右衛門が登場したのは
    YELLOW MONKEY活動休止と同じ2004年のこと。



    名曲・聴きドコロ★マニアックス

     ブレイクが大変カッコよろしい。
    「♪生きていられるだけでも 愛が必要だから」の後。
    演奏が止まって、
    吉井のボーカル「♪たい・・・」だけになる部分。
    「ようがー!」で再び演奏が始まる。


    しかしいま現代において、音楽におけるブレイクといえば
    鳴かず飛ばずの状態から、一気に有名になることを指す言葉になってしまった。

    元来音楽でブレイクといえば、
    演奏を一瞬無音にして、次のキメを際立たせる技法。
    『プレイバックPart2』(山口百恵/1978年/」 by)や
    『Cat's Eye』(杏里/1983年/ by
    『星屑のステージ』(チェッカーズ1984年/ by
    なんかでカッコいいブレイクが聴ける。

    しかしどういうわけか、近年では言葉だけでなく、
    演奏のブレイクそのものを嫌忌しているのか、理解できないのか、
    昔の曲のカバーなんかで見られるんだけど、
    本来ビシッと決まるはずのブレイクの瞬間に、
    ドラムが止まりもせずにシャカシャカ鳴り続けたりるすのを
    たびたび耳にして、正直これがたいへん不満。

    それとも、ブレイクしちゃうと
    再開のタイミングが図れないのだろうか?
    そんな欲求不満を訴えているのは自分だけなんだろうか?ぶつぶつ。



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    プレゼントのリボンのように ときめく君と結ばれたい
    リボン、結ぶと掛けてあるだけで大した意味はないと思うが、
    プレゼントのリボンは必ずほどけるようになっている。
    拘束しない関係をご所望か。


    「悲しみの雨がやみ」
    「暗い夜空に朝日が昇る」
    「キズも涙も今は捨てて」
    「いくつもの涙をこらえ」
    表現を変えながらすべて同じこをと言っている。
    つらいことは、すべて忘れて乗り越えよう、と。


    太陽が燃えている
    燃えるような恋心、もしくは意思。
    かなり大げさな表現だけど、これも妙に説得力がある。なんでだろう。



    現在入手可能な音源

    【オリジナルアルバム】
    FOUR SEASONS

    FOUR SEASONS

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    脚注