日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『おなじ星』 Jungle Smile ~ 盛り上がりすぎて一方通行にならなければいいなぁ。

カラオケでこの曲を選曲した人がいたならば、
ぜひとも勝手にハモりパートを歌って迷惑がられたいと
常日頃から思ってやまないのだが、ついぞその機会に巡り合わない。

というより、今の今までただの一度も、この曲やこのグループの話題が
会話に登場したことも、街角で巡り当たったことすらもない。


うすうす感じてはいる。
この曲、本来百名曲に選ぶような対象ではない。

知る人ぞ知る名曲、とか、隠れた名曲、そういうのにピッタリの曲だ。
だけど選ばずにいられなかった。


だってこんなにいい曲なのだから。


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シングルジャケット/珍しく手持ちの画像より
おなじ星

おなじ星

 
  • 作詞 高木郁乃、作曲・編曲 吉田ゐさお
  • 1998年(平成10年)6月24日、ビクターエンターテインメントより発売
  • オリコン最高位27位
  • 歌詞はうたまっぷへ:おなじ星 Jungle Smile 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:おなじ星 - Wikipedia


  • 「♪星の数ほど訪れる巡り逢いの中で あなたが私をたった一人愛してくれたから」

    声にならない声を、一生懸命に絞り出しているような、
    ボーカルの高木郁乃の、か細いが懸命な歌声に、
    歌詞にある通りに、まさに「♪胸がギュンて鳴る」思いがする。

    キュン、ではなく、ギュン。
    締め付けられるような思い。キュンとは重さが違う。
    切ないのではない。トキメキでもない。
    激しいまでの胸の高鳴りだ*1


    「♪何があっても この腕がちぎれそうになっても 離さない」
    「♪たとえあなたが女に生まれていたとしても」

    舞い上がりすぎて、テンションが上がりすぎて、止められなくなっているご様子。
    これは心のうちの叫びなのだと思いたい。
    これらを実際に声に出していたとしたら、大げさすぎて引くわー。

    「♪そう、このにおい 耳の後ろのにおい 昔から知ってる」

    うわぁ。。


    「♪この東京で 交差点や駅のホームとか あなたと私は きっとすれ違ったりしていた
    離れた空の下で おなじ時おなじ星を見上げて ため息漏らしてたかもね もう離さないで」

    おもわずワンフレーズそのまま掲載してしまったが
    こういう風に、思える相手がいるってのは、いまが幸せだからだよね。

    愛の押し付けが激しすぎて、ドン引きされないように。
    なんて余計な心配をしてしまうほどに。


    末永く幸あれ!



    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    伴奏音のほぼすべての音が、リバーブというかエコーというか
    そんな残響音のなかに包まれていて、
    曲全体にふわふわとした浮遊感を醸し出している。

    ただひとつ、なんだか忙しげなドラムスの音を除いては。

    そのため、ボーカルが始まってしまうと、
    ボーカルの後ろでドラムだけが鳴っている、
    そんな錯覚すら覚えてしまう。


    そんな現実感のない音に
    正直打ち込み音*2だと思っていたが、
    プロモーションビデオや、ライブ映像を見る限り、どうやら生演奏らしい。
    吉田に至っては、アコースティック楽器の最たる、ウッドベースまで弾いているではないか。
    すんごく意外。



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    ここまで来たよ
    必ずこの場所だどりついてるわ
    あなた、の居る場所、ということなんだろうけど、
    何故場所指定なのだろう?
    *3か!

    星の数ほど
    屁理屈をこねくり回してみる。

    東京の人口は、昼間人口で約1,500万人。
    単純に男女比率が半々だとすると、男性は750万人いることになる。
    ただしこれは年齢やら好みやらの関係で、完全なる対象外になる人も含んでの人数だ。
    仮に、そのうち1%が恋愛対象たりえるとすると7万人強か。


    一方、地球から人の目で見える明るさの星、
    つまり6等星以上の明るさの星*4の数は9,000個ほどという。
    これは明かりが無い場所での理論上の数だ。
    不夜城である東京のような、街中で見える明るさの星はもっと少なく、
    2等星以上の明るさの星は、100個ほどしかないという。
    実際は南半球でしか見えない星などもあるから、もっともっと少ない。

    恋愛対象として巡り合いそうな人の数として
    結構現実的な数なのかな。100人足らずというのは。

    結論:
    「星の数ほど」ってよく使われる表現だけど、実際大した数じゃないので
    振られた人へのなぐさめに使うのはふさわしくないのだよ。
    んむ、まさに屁理屈。


    声に抱かれてた
    同居していない恋人同士。
    涙こらえた夜も、微笑む朝も、というのは、やっぱり電話だろうか。
    いろんな場面で、電話口で慰められてきたのだろう。



    現在入手可能な音源

    【オリジナルアルバム】
    林檎のためいき

    林檎のためいき

    • アーティスト:Jungle Smile
    • 発売日: 1998/09/02
    • メディア: CD

    【ベストアルバム】
    ジャンスマ・ポップ~シングル集~

    ジャンスマ・ポップ~シングル集~

    • アーティスト:Jungle Smile
    • 発売日: 2001/07/18
    • メディア: CD
    やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
    ▼ Jungle Smile
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。

    脚注

    *1:【胸の高鳴り】胸キュンとは、精神的な比喩表現ではなく、アドレナリンなどの脳内物質の分泌などにより、瞬間的に血圧が上がった際に現実に感じる感覚ではないかと言われている。つまり「ギュン」は血圧上がりすぎなんじゃね?

    *2:【打ち込み音】要するにプログラミングによる自動演奏

    *3:【猫】犬は人になつき、猫は場所になつくと昔から言うが、本当だろうか

    *4:【6等星以上の明るさの星】古代の定義で、最も暗い星のグループが6等星。等星は数字が小さくなるほど明るくなる。つまり、望遠鏡や写真に頼らず、生身で見える星は、6等星以上ということになる。