あぁしまった!そうだった!
と関西弁で叫んでいるようにしか聞こえないが、
「そぉや~ん!!」こと、『So Young』。
頑なまでに日本語にこだわり、最後まで英単語のひとつも使わず*1に
絞り出すように、ラストにしてようやく叫んだ英語でもある。
チャラチャラしたカッコだけの英語とはわけが違う。(と思う)
The Yellow Monkeyの曲を、ああ、これ凄くいいな、と最初に思った曲。
弟の持っていたベストアルバムに入っていた。
この曲をきっかけに、時代をさかのぼるようにイエモンを聴くようになったのだから、
我ながらどんくさいというか、時世に疎いに程がある。
「♪花が開いて 日差しに溶けて 君が笑った うたかたの午後
街は穏やか 風のにおいも柔らかだから 君を抱いた」
ここまでは、優しく幸せな春の日々を歌うが、そこから様子が一変する。
「春はなんて優しくて残酷」
何故に、どうして、何が残酷なんだろう。
主人公にとって、ただただ穏やかな日々というものは
熱い青春を日々を奪ってしまうものだとでもいうのだろうか。
このあとは、ひたすらもがき苦しむような歌詞が続いていく。
「♪今を生きるのは! 過去があったから! 喚き散らして! 未来を探した!!」
(イエモンの歌は、なんでか歌詞に「!」をつけたくなるよね!
ジョジョに出てきたドイツ軍人、シュトロハイム*2のセリフのように。)
主人公は、夢を追いかけて、恋人を捨てたのだろうか。
若き日の過ち、しかし決して後悔しないと心に決めた過ちを
歌った歌なのだろうか。
まさに青春エンドレス!
正しいことだって、間違ったことだって、それらすべてひっくるめて
自分を形成している。そしてすべてが未来へつながっていく。
「♪鮮やかな朝日を浴びて歩こう すべての愛と過ちを道連れに!!」
なんという自己肯定。
これは若者だけの特権ではない。
人生のすべてのページは青春に連なる、青春そのものなのだ!
名曲・聴きドコロ★マニアックス
曲はホンキ―トンク調のピアノからはじまる。
珍しくピアノを前面に出してスタートだが、すぐにバトンタッチをするように
ギターの静かなリフにつながって、ピアノの存在は薄れていく。
どういうわけかこのギターのフレーズが、個人的に大のお気に入りになってしまい、
一時期、何気に自分の安ギターを手に取ると
手癖のようにこのフレーズを延々と弾いていた頃があった。
どんだけ繰り返しても飽きない。
初めて聴いてからずいぶん経つが、今でも飽きない。
メロディーにしても、幾度となく同じフレーズを繰り返すシンプルな構成の曲だが、
「♪喚き散らして未来を探した!」や「♪誰にでもある青春!」の部分などで、
言葉の響きに合わせて、微妙にフレーズに変化を
持たせている部分が実に印象に残る。
声を大にして叫んでいるよう聞こえてくるのだ。心にグッとくるのだ。
「喚き散らして!!」と、
本当に喚いているように聞こえるのだ。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
赤く開いた天国への扉
白く震えた旅人に残る絆
対の言葉になっていることは確かだけど、まったくもって意味不明。
無理に意味を求めようとすると、
前者を女性器、後者を男性器の隠喩としてとらえるしかなくなってしまう。
仮にそうだとしても、ずいぶん突拍子がなく、無意味なことに変わりはないけどね。
あるいは、前者はボブ・ディランの名曲
『Knockin' on Heaven's Door』(1973年/ by)*3から持ってきたとすると
後者の元ネタがわからない。やっぱ深い意味はないのかな。
現在入手可能な音源
やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
※該当曲を聴ける保証はありません。
脚注
*1:【英単語のひとつも使わず】例外的に「イエーイ」と言っているが、意味のある言葉じゃなくて、掛け声だしね。まあこれはこれということでひとつ。
*2:【シュトロハイム】荒木飛呂彦の長編漫画、『ジョジョの奇妙な冒険』第2部の主要人物の一人。鬼軍曹のごとく、常にナチスドイツの誇りを叫んでいる。ルドル・フォン・シュトロハイム。
*3:【Knockin' on Heaven's Door】邦題:天国への扉。ガンズ・アンド・ローゼスによるカバー(1992年/ by)もイイ。