日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見による日本100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『So Young』 The Yellow Monkey ~ げにイエモンは感嘆符がよく似合う。

あぁしまった!そうだった!
と関西弁で叫んでいるようにしか聞こえないが、
「そぉや~ん!!」こと、『So Young』。

頑なまでに日本語にこだわり、最後まで英単語のひとつも使わず*1
絞り出すように、ラストにしてようやく叫んだ英語でもある。
チャラチャラしたカッコだけの英語とはわけが違う。(と思う)


The Yellow Monkeyの曲を、ああ、これ凄くいいな、と最初に思った曲。
弟の持っていたベストアルバムに入っていた。
この曲をきっかけに、時代をさかのぼるようにイエモンを聴くようになったのだから、
我ながらどんくさいというか、時世に疎いに程がある。


SO YOUNG
シングルジャケット/amazonより
SO YOUNG(Remastered)

SO YOUNG(Remastered)

 
  • 作詞・作曲 吉井和哉、編曲 The Yellow Monkey
  • 1999年(平成11年)3月3日、ファンハウスより発売
  • オリコン最高位5位
  • 歌詞はうたまっぷへ:SO YOUNG THE YELLOW MONKEY 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:ソー・ヤング - Wikipedia


  • 「♪花が開いて 日差しに溶けて 君が笑った うたかたの午後
    街は穏やか 風のにおいも柔らかだから 君を抱いた」

    ここまでは、優しく幸せな春の日々を歌うが、そこから様子が一変する。

    「春はなんて優しくて残酷」

    何故に、どうして、何が残酷なんだろう。
    主人公にとって、ただただ穏やかな日々というものは
    熱い青春を日々を奪ってしまうものだとでもいうのだろうか。


    このあとは、ひたすらもがき苦しむような歌詞が続いていく。

    「♪今を生きるのは! 過去があったから! 喚き散らして! 未来を探した!!」
    イエモンの歌は、なんでか歌詞に「!」をつけたくなるよね!
    ジョジョに出てきたドイツ軍人、シュトロハイム*2のセリフのように。)

    主人公は、夢を追いかけて、恋人を捨てたのだろうか。
    若き日の過ち、しかし決して後悔しないと心に決めた過ちを
    歌った歌なのだろうか。

    まさに青春エンドレス!
    正しいことだって、間違ったことだって、それらすべてひっくるめて
    自分を形成している。そしてすべてが未来へつながっていく。

    「♪鮮やかな朝日を浴びて歩こう すべての愛と過ちを道連れに!!」
     なんという自己肯定。

    これは若者だけの特権ではない。
    人生のすべてのページは青春に連なる、青春そのものなのだ!



    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    曲はホンキ―トンク調のピアノからはじまる。
    珍しくピアノを前面に出してスタートだが、すぐにバトンタッチをするように
    ギターの静かなリフにつながって、ピアノの存在は薄れていく。

    どういうわけかこのギターのフレーズが、個人的に大のお気に入りになってしまい、
    一時期、何気に自分の安ギターを手に取ると
    手癖のようにこのフレーズを延々と弾いていた頃があった。
    どんだけ繰り返しても飽きない。
    初めて聴いてからずいぶん経つが、今でも飽きない。

    メロディーにしても、幾度となく同じフレーズを繰り返すシンプルな構成の曲だが、
    「♪喚き散らして未来を探した!」や「♪誰にでもある青春!」の部分などで、
    言葉の響きに合わせて、微妙にフレーズに変化を
    持たせている部分が実に印象に残る。

    声を大にして叫んでいるよう聞こえてくるのだ。心にグッとくるのだ。
    「喚き散らして!!」と、
    本当に喚いているように聞こえるのだ。



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    赤く開いた天国への扉
    白く震えた旅人に残る絆
    対の言葉になっていることは確かだけど、まったくもって意味不明。
    無理に意味を求めようとすると、
    前者を女性器、後者を男性器の隠喩としてとらえるしかなくなってしまう。
    仮にそうだとしても、ずいぶん突拍子がなく、無意味なことに変わりはないけどね。

    あるいは、前者はボブ・ディランの名曲
    『Knockin' on Heaven's Door』(1973年/ by*3から持ってきたとすると
    後者の元ネタがわからない。やっぱ深い意味はないのかな。


    現在入手可能な音源

    【オリジナルアルバム】
    SO ALIVE

    SO ALIVE

    やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット

    ※該当曲を聴ける保証はありません。

    脚注

    *1:【英単語のひとつも使わず】例外的に「イエーイ」と言っているが、意味のある言葉じゃなくて、掛け声だしね。まあこれはこれということでひとつ。

    *2:シュトロハイム荒木飛呂彦の長編漫画、『ジョジョの奇妙な冒険』第2部の主要人物の一人。鬼軍曹のごとく、常にナチスドイツの誇りを叫んでいる。ルドル・フォン・シュトロハイム

    *3:【Knockin' on Heaven's Door】邦題:天国への扉。ガンズ・アンド・ローゼスによるカバー(1992年/ by)もイイ。