なぜに?
「♪好きなんだけど 離れてるのさ 遠くで星を見るように」
なぜに?
「♪好きなんだけど 黙ってるのさ 大事な宝隠すように」
なんという消極さ!
情熱的なはずのフラメンコ*1に乗せて
「♪壊したくない 無くしたくない」
同じ内容の歌詞を、言葉を替えつつ繰り返し、
「♪だ・か・ら」
奥ゆかしいを通り越して、
くどくどと言い訳じみている。
なのに、どこかカッコつけているのが大変イタい。
せめてもの救いは
「♪歌うよせめて 心の歌を 響け夜空に」
相手の女性の象徴である、星のある場所に向かって
せめて歌を投げかけ、心に響いてほしいと願っている。
遠回しだが、主人公にはこれが限度なんだろう。
さておき、フラメンコ風の味付けをした曲においては、
後にも先にも、これ以上のヒット曲は生まれていない。
ヒット曲どころか、フラメンコ風の曲自体が
ほとんど生まれていないんじゃないだろうか。
最大のヒット曲がこの『星のフラメンコ』で、次がない。
フラメンコはそのビジュアル的な知名度の高さに反して、
曲自体はほとんど知られていないように思う。
もしかしたら、ネイティブ以外には理解が難しいのかもしれない。
そんなだから、ほかに知られているフラメンコといえば、
みんなのうたの『トレロカモミロ』(西六郷少年少女合唱団/1970年/ by)*2、
ギター漫談の祖(?)、堺すすむの『なんでかフラメンコ』、
ゲーム、ドラゴンクエストIVの『ジプシーダンス』(すぎやまこういち/ by)や
ストリートファイターIIのバルログステージの曲、
といったイロモノしか思い浮かばない。
ポルノグラフティの『アゲハ蝶』(2001年*3/ by)なんかは
フラメンコ・・・なのかな?
南米の曲との境界があやふやだ。
探せばいろいろとあるのだろうけどね。
思いつかない。
『星のフラメンコ』にしたところで、
そもそも本場モノに比べれば、バッタ物のようなものなのだろうけど、
これしかないんだから。
そう、日本人には、これがTheフラメンコ。
ちっとも情熱的ではないけれど、
OK?
名曲・聴きドコロ★マニアックス
曲名にジャンルを冠していながら、
ちっとも曲調があっていない曲が多い中、
この曲は結構頑張っている感がする。
ボーカルとストリングスを前面に出して
万人の耳にも親しみやすい歌謡曲風のアレンジになっているけど、
ほかの音に紛れてしまっている
手拍子足拍子といった「らしい」音を前面に出せば、
もっと「フラメンコ」になるポテンシャルを持っていたと思う。
「♪君は僕の心の星」
に始まるベースラインの展開なんかは、
もっとちゃんとフューチャーされていてもよかったのでは。
弦楽器やマリンバが邪魔をしている。
が、それでヒットしたかと言われれば無理だろうと思う。
ヒットしなければ、知る由がない。
難しいね。
正調フラメンコ風星のフラメンコ、
この矛盾しているのを、やらないものかね?
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「輝け星よ 君の夜空で」
星=君、なのだから、
君は君の世界で輝いていてほしい
という意味になる。
もっとうがった見方をすれば、
君は僕の心の中でのみ星なんだから、
君の夜空も、僕の心の中だけにある。
心の中だけでのみ奏でられる、情熱的なフラメンコ。
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西郷輝彦 ベストセレクション~オリオン急行・星のフラメンコ~
- アーティスト: 西郷輝彦
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これはチャチャチャのリズムに乗せたバージョン
脚注