2音による構成が、何とも言えず物悲しい。
行間を読む、というか、
休符に込められた意味までも、感じ取れと求めてくるようだ。
なぜ・・・なぜ?
第三者による問いかけのようにも見えるが、
おそらくは、自らへの問いかけだろう。
「♪なぜ、あなたは、キレイに、なりたい、の?」
メイクの最中にふと我に返り、鏡に映った自らに問いかける。
そして自嘲気味に、達観した物語が展開する。
「恋の予感」ときいて、真っ先に思い浮かべるのは、
ウキウキ、だの ワクワク、だの
そういった前向きなハッピーな予感だが、
ここでの「恋の予感」は、
予感だけで終わってしまい、咲きもしなければ、実りもしない恋のこと。
恋はいつでも
「♪躍らせるだけ」
「♪駆けぬけるだけ」
「♪惑わせるだけ」
「♪流されるだけ」
「♪見せられるだけ」
そんな諦めの心が、“あなた”に「♪好きだ」と口にする勇気を与えてくれない。
失恋すらしない。始まってもいないから。
予感だけで、焦がれてもいないから。
未知ゆえの臆病か、恋を知っているがゆえの臆病か。
「♪誰かを待っても どんなに待っても あなたは今夜も」
このあとの言葉が歌われないが、「ひとり」と続くのだろうか。
運命を待っていて始まる恋なんてないだろうに。
「♪なぜ、あなたは、キレイに、なりたい、の?」
意味ないじゃん、と。
この歌、本来は女性が歌うのが適しているように思う。
玉置浩二が歌っているせいで、
男が恋に臆病な女に(なかば失礼な言葉を交えて)
問いかけているように見えてしまうからね。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
のちのS.E.N.S.の『海神』(1988年/ by)にも通じる、
透き通ったシンセサイザーと
こぼれるようなピアノの音が印象的。
それにしても、間奏が惜しいな。
こんな単純なメロディーのおさらいじゃなくて
イントロやエンディングのような
ちょっと幻想的な感じになっていれば、なおよかったのに。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「その目を誰もが見つめてくれないの?」
誰かが、ではなく、誰もが。
これでは、みんなに好かれたい女、
誰でもいい女、になってしまう。
「が」が余計なんだよね。意味よりも響きを優先させたのだろうか。
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- アーティスト: 安全地帯
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2007/03/07
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脚注
*1:第1楽章。すべての音楽のなかの5指に入ると声高らかに宣言したい大名曲。いつかこの曲に歌詞をつけて歌にしてみたいものだ。できないけど。 by