“作者のもっとも言いたかったことは何か?”
というかなりの無茶問題が、しばしば国語のテストに見受けられる。
「知るかボケ」
が最も適切かつ適格な答えだと思うが、
今も昔もそんな答えは許されないようなので
テストに於いてはそれっぽい回答を用意しなくてはいけない。
「それっぽい回答」というのが重要で、
要はいかに大多数の人を納得させられる答えを用意できるか
それだけがいわゆる正解に導くポイントだ。
つまりは多数決理論。
「作者」が決して人格破綻者ではなく
一般的な思考の持ち主であるという、
見ようによっては、見当違いも甚だしい前提に基づいている。
似たような例で、推理小説などで
「普通こうする」みたいな推理を行う探偵がいるが
事件を起こすような性格破綻者が、通常の行動原理で動くと
考える方がおかしいではないか。
さて、長い前置きを使って、あらかじめ言い訳をしておいたところで、
いったいぜんたい、この楽曲のタイトルにある
「B」とは何なのだろうという、
間違えなく答えの出ない問題に取り組んでみようと思う。
まさか、「ブ、ブルー?」と
どもっているとは思えないので、
さしあたっては、とりあえず歌詞の中に「B」を探してみよう。
「♪Oh Baby, Blue」
と歌っているので「Baby」かとも思うが
あくまでこのBabyは、「Oh Baby」のほうにかかっているので
単独でBlueにくっつけてしまうと訳がわからない。
続いて見つかるのは「Broken」と「Boys」。
意外なところでいうと「不器用」の「B」。
"Broken Blue"(打ちのめされた憂鬱)、
"Boys Blue"(青ずくめの少年たち)、
"不器用ブルー"(戦隊モノのブルーのあだ名か?)
どれもなんとなく面白くて好みだけど、
並べてつなげることに、もともと無理があり、内容にもそぐわない。
あるいは、次点、対抗馬、の意味合いを持つ
「B」という考えはどうだろう。
「B級」という表現がいちばんおなじみだろうか。
"B Blue"(抑えとしてはアオっしょ。本命はやっぱアカかな?)
英語で俗にYouを「U」、Seeを「C」のように表現することがある。
ひとつの単語を、発音が同じアルファベット1文字に置き換えているのだ。
では「B」だとすれば何か。
"Be Blue” だろうか。
やや意訳気味だが、「落ち込んでろ」という意味になる。*1
結構それっぽい答えで、これをテストの回答とするために
こじつけの説明をいくつかでっち上げてもいい。
いやいや、それなら"Bee Blue"(蜂のことを考えるだけで、ほんと憂鬱っ)
でもいいじゃないか。
まったく意味通じないけど。
いろいろととりとめもなく挙げてみたものの
まあ、予想通りというかなんというか
決定打となる根拠がどれにもない。
そもそも、ものの本によると、
この曲のもともとのタイトルは『True Blue』で、
同じ1986年9月にリリースされたマドンナのシングル曲( by)と
かぶってしまったため変えたものとか。
やっぱ意味なんてないんだろうな。
たぶんこれも、最適解は
「知るかボケ」なんだろう。
最後に、無理やり解をもう一つあげておこう。
チャック・ベリーの名曲『ジョニー・B・グッド』(1958年/ by)のように
Bは人の名前のイニシャルという考えだ。
たとえば、Bobby Blue(ボビー・ブルー)さん19歳。通称B・B。
どこにでもいる、ちょっとシャイな青年だ。*2
彼がこの物語の主人公だ。
B・Bは彼女と続いた夢の日々が失われたことに涙し、
そして今度こそは彼女に幸せになってほしいと、本気で願っている。
二人で幸せになることはできなかったけど
お互い、破れた恋を背負って、
幸せになろうと誓うのであった。
そんなB・Bの物語。
・・・ダメ?
国語のテストであればペケだよな。
名曲・聴きドコロ★マニアックス
ノイズ音を交えた出だしの力強いドラムソロが印象的。
そしてボーカルの導入をいざなうように
ギターがシンプルだが効果的なフレーズを入れる。
ノリのいいロックの始まる予感。
Aメロまでは完璧だと思う。
リズムを刻むギターの音が不規則にギャーと鳴るのも
故意か偶然か、いいアクセントになっている。
だけど、Bメロ、サビと進むにつれて
氷室の主旋律がメロディアスになっていくのに反して
そんな予感がだんだん薄まってしまうのがちょっと残念。
決して悪くはないんだけど、何かが足りない。
よく言われるように、BOOWYの魅力って、
シンプルなロックっぽさと
歌謡曲っぽいメロディーの融合なんで、
ある種しょうがないんだけども。
サウンドに関して、後年の『季節が君だけを変える』(1987年/ by)
くらいまでこなれてくると、もっとピシッとしたんだろうけど
そのころにはバンド自体が消滅に瀕していたらしいので
難しいところだよね。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
本文が、曲にあんまり関係ない方向に行ってしまったので
なんとなく全文日本語訳行ってみようか。
感情を忘れたような君の醒めたつぶやきに込められた、
別れの言葉をすぐには理解できず、
不意にあふれ出た涙で霞む街並みは、
急激に色あせ、つまらない景色になってしまった。
いい思い出として振り返るにはまだ早いんじゃない?
可哀そうな天使。僕が孤独にしてしまったんだね。
もう僕には君を幸せにしてあげることは出来ないみたいだけど
心から、次こそ君には幸せになってほしいと思う。
愛しき君よ、本当に。僕はいつも素直じゃなかった。
愛しき君よ、本当に。なぜなら君のやさしさが照れくさかったから。
ポケットに入ってしまうくらいの
ちっぽけな夢だったけど
それだけを信じて生きることができたんだ。
いつまでも信じていられると思っていたんだ。
ふたり愛し合った夜も
僕の天使は、実は不安で孤独だったんだね。
その笑顔の裏に隠れていた孤独に、
僕は気づかなかった。
愛しき君よ、本当に。愛することが下手くそだった僕。
愛しき人よ、本当に。知らないうちにお互い傷つけあっていたんだね。
愛しき人よ、悲しいね。いつも抱き合っていたはずなのに。
愛しき人よ、悲しいね。僕たちは、お互い求めるものが違っていたんだ。
失意に折れた翼を広げて。破れた翼だっていいんだ。
失意に折れた翼を広げて。もう一度飛んでみよう。
失意に折れた翼を広げて。悲しみに押しつぶされた心のままでいい。
失意に折れた翼を広げて。もう一度みんなに笑いかけてみよう。
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