日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『バン・バン・バン』 ザ・スパイダース ~ 脳内ババンバンがとまらない!

グループサウンズの東の雄、ザ・スパイダースと言えば、
その現役時代の足跡の大きさもさることながら、
解散後、元メンバーたちが音楽のみならず才能を発揮し、
もはや元スパイダース、という肩書すら不要になったほどの錚々たるメンツ揃いで、
その後の元メンバー活動を列挙しただけでも、
この稿だけではとてもとても足りなくなってしまう。

ごく簡単に、露出度の高そうな順に元メンバーを列挙してみよう。

いまだにテレビの第一線で、司会やタレント、俳優として活躍する堺正章
ソロの代表曲は『さらば恋人』(1971年/ by )。
俳優業では『西遊記』の孫悟空が代表作だろう。スパイダースでは主にボーカルを務めた。

同じく司会・俳優・タレント業でおなじみ、井上順。
ソロ代表曲は『昨日・今日・明日』(1971年/試聴はこの先から)、
『お世話になりました』(1971年/試聴はこの先から)、
そしてスパイダース時代のセルフカバーがリバイバルヒットした
『なんとなく なんとなく』(1995年/ by)。
スパイダースでは主にボーカルを務めた。

独特の風貌を持つ唯一無二のミュージシャンとして活躍し、
ムッシュ」の愛称でも親しまれた、かまやつひろし
ソロ代表曲は『どうにかなるさ』(1970年/ by)、
『わが良き友よ』(1975年/ by)、
ほかのミュージシャンへの楽曲提供に、
ちのはじめ『やつらの足音のバラード』(1974年/ by)、
立花理沙『大人はわかってくれない』(1987年/ by)などがある。
スパイダースでは主にソングライティングと、サイドギターを務めた。

楽曲提供やバンドマンとして活躍する井上堯之大野克夫
二人で『太陽にほえろ!メインテーマ』(1972年/試聴はこの先から)、
傷だらけの天使』テーマソング(1974年/試聴はこの先から)などドラマ音楽を手掛け、
井上堯之は、楽曲提供でPYG『自由に歩いて愛して』(1971年/ by)、
近藤雅彦『愚か者』(1987年/ジャニーズ関係は試聴できる環境がない)などがあり、
大野克夫は、沢田研二の『時の過ぎゆくままに』(1975年/ by
勝手にしやがれ』(1977年/ by)などの一連のヒット曲を連発し、
五木ひろし木の実ナナ『居酒屋』(1982年/ by )などの楽曲提供や
近年では『名探偵コナンテーマソング』(1996年/ by )を手掛けている。
スパイダースでは、主に井上はリードギター、大野はキーボードを務めた。

今や大手の芸能プロダクション、田辺エージェンシーを立ち上げた
スパイダースのリーダーでドラムスの、田辺昭知。
新旧所属タレントには、スパイダースの各メンバーのほか、
タモリアルフィー、TUBE、永作博美堺雅人など枚挙にいとまがない。

スパイダース全盛期の主要メンバーの中では、ベースの加藤充のみが、
その後芸能界を引退し主に市井で活躍することとなる。


ごく簡単に述べただけでも、これだけの分量になってしまう。

いつまでもどこまでも[EPレコード 7inch] シングルジャケット/amazonより
バン・バン・バン

バン・バン・バン

これはかまやつひろしによるセルフカバー
  • 作詞・作曲・編曲 かまやつひろし
  • 1967年(昭和42年)10月25日、フィリップスレコードより「いつまでもどこまでも」のB面として発売
  • 歌詞はうたまっぷへ:バン・バン・バン ザ・スパイダース 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:いつまでもどこまでも/バン・バン・バン - Wikipedia

  • さて、忘れていないぜ『バン・バン・バン』。
    非常にシンプルなロック・ナンバーで、
    「♪とぼけた顔してババンバン」という、これまたとぼけた歌詞がナイス。
    そしてなんだかとっても歌いにくい。
    「♪バンバンババババババババーン」下手な早口言葉よりも難易度が高く、
    歌っているだけで、思わず照れ笑いのようにニヤけてしまう。

    そんな雰囲気もあって、たいへんご機嫌なナンバーなのだが、
    ライブパフォーマンスの楽しげな雰囲気が、レコードにうまく残せていないのが残念。
    個人的な感覚なのかもしれないのだけど、
    頭の中で鳴っている音と、レコードで聴く音の乖離が激しいのだ。

    同様な例はタイガースの『シーサイド・バウンド』(1967年/ by )、
    北島三郎の『まつり』(1984年/試聴はこの先から)、
    研ナオコの『夏をあきらめて』(1982年/ by )などいくつもあるが、
    これが最大級。レコードを聴くと、なんだかしっくりこなくて、
    クシャミが出そうで出ないときのような、もどかしさを感じてしまう。

    だけども、いったん曲を聴き終わりさえすれば、
    またもや頭の中で楽しく賑やかな「♪ババババンバーン」がはじまり、
    脳内パワープレイ*1へと発展するのだ。
    「♪ババンバン」



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    とぼけた顔
    とぼける、という言葉は少し面白い成り立ちをしていて、
    ボケる(惚ける・呆ける)に接頭語「と」をつけて強調するものになっている。
    「と」は漢字で書くと「途」かもしれない。
    ちなみに程度を上げると「すっとぼける」になる。
    無意識的<-- ぼけた顔 - とぼけた顔 - すっとぼけた顔 -->意識的
    のような関係がなりたつ。

    バン
    擬音語以外の何者でもないが、この「バン」はなんだろうか。
    ぱっと思いつくのがBang! Bang!、と銃の音なんだろうけど
    The Yellow Monkey『BURN』(1997年 by)での
    「♪バーン、バーン、バーン、バーン、バーン」は、タイトル通り「burn」(燃える)だし、
    The BeatlesMaxwell's Silver Hammer』(1969年/ by )での
    「♪Bang! Bang!」は金槌で恋人を撲殺する音だ。
    いずれにしても、割合物騒な言葉である。
    するてーと、なにか?
    ドリフの『いい湯だな』(1967年/試聴はこの先から)は、
    温泉場でドンパチ抗争するやくざモンの歌で
    児童曲『うたえバンバン』(1972年/ by)は鼻歌交じりに銃を乱射する歌で、
    スパイダースの『バン・バン・バン』は、素知らぬ顔で銃をぶっ放す歌か。
    そりゃあ、「♪アイツにゃとても敵わない」のは無理もないだろう。
    そしてチキチキバンバンやビリーバンバンやバンバンは危険物だということか!
    そんな馬鹿な!


    現在入手可能な収録CD/視聴可能
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    ▼ 堺正章
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    ▼ 井上順
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    ▼ 大野克夫
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。(ていうか、ないと思う。)




    脚注

    *1:ヘビーローテーションともいう。ラジオ番組などのキャンペーンで、イチ推しの曲を頻繁に流すこと。