なんて美しい曲だろう。
印象的な木管楽器の前奏から、さっそく胸にジンと沁みいってくる。
『想い出の渚』(ザ・ワイルド・ワンズ/1966年/)の稿でふれたように、夏のうたがノスタルジィであるのならば、表題曲のような秋のうたはロンリネスだろうか。
同じようなしみじみとした回想でも、秋の歌は懐かしさよりも寂しさが先立つ。
歌は言葉を3回ずつ繰り返す、効果的なパートから始まる。
同じフレーズの繰り返しの多いこの歌、冒頭の「♪誰かさんが・・・」は音程もまったく同じ繰り返しなので、それぞれ少しずつ歌い方を変えないと、レコード針が飛んでいるようになってしまう*3ところだが、さすがは微妙なタメや強弱を駆使して歌いこなしている。
次に来る「♪ちいさい秋・・・」は同じようでいて、微妙に音程がかわっていく。 この違いが、なにげに曲の盛り上がりに一役買っていて、静かに盛り上がりながら、こころ寂しくも美しいサビに突入する。