日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100名曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

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『ウェディング・ベル』 シュガー ~ 静粛どころか奔放すぎるオルガンにつき聴き逃がし注意

一発屋の巣窟として名高い、ヤマハの「ポプコン」出身である。 そんな出自から容易に想像がつくように、 表題曲の歌い手であるシュガー、および作詞・作曲の古田喜昭は、 いずれもご多分に漏れず、一発屋として記憶されている。 その特大の一発こそが、『ウェディング・ベル』であり、 美しいたたずまいのコーラスの中の「くたばっちまえ アーメン」という 強烈なフレーズによる爆発的な瞬間最高風速で、 一発屋どころか一瞬屋と呼んで良いような存在となった。 一発屋というのは、特大のヒット曲を出したも…

『そして伝説へ・・・』 NHK交響楽団 ~ ホントに伝説になっちゃった有言実行タイトル

競馬のGⅠファンファーレ(※試聴環境がないようです by)に代表されるように、 ファンファーレの名手である、作曲家・すぎやまこういちの面目躍如というべきだろう。 Aパートのファンファーレを、トランペットが高らかに歌い上げ、 一転ゆったりとおとなし目のBパート、転調を挟みながら感傷的な盛り上がりを見せるCパート、 Bパートのメロディに、波打つような伴奏を伴うDパートへとつながる。 駆け足気味に一気にテンポアップして歯切れのいいのEパートに突入し、 そして冒頭のファンファーレを展…

『道標ない旅』永井龍雲 ~ 空の向こうにあったはず。まだ見ぬ遥かなフロンティア

世界の広さと、地球の鼓動が感じられるような、 雄大で、のびやかな旋律と、希望をのせたメッセージ。 こういう歌がヒットチャートに乗らなくなって、 もうずいぶん経つように思う。 というより、それは一過性のブームだったのかもしれない。 ジャンルを表わす総称*1が名付けられなかったことが原因かもしれないが、 その多くは1970年代に集中しており、 やがて80年代の浮かれた雰囲気に埋没していってしまった。 大海原や大空の向こうにある世界へと、風や翼に乗って飛んでいく、 それは逃避行や自…

『ブルドッグ』 フォーリーブス ~ にっちもさっちも、どーにも ウヮオ!

ゴム紐の輪っかを使った、何の意味もなさそうだが実に印象的なパフォーマンスと 「♪にっちもさっちも どうにもブルドッグ ガゥ!」 という、これまた何の脈絡もないが極めて印象的なキメ台詞で、 まるっきりキワモノのような扱いのこの表題曲だが、 楽曲として、なかなかにカッコイイ隠れた逸品である。 ツインギターならぬ、ツインベース*1が奏でる、低音域を勢いよく駆け抜ける前奏が、 うなり上げるバスドラムのクレッシェンド*2によって炸裂し 「♪止まれ! ウルサいぞオマエら!」と、パンチのき…

『喝采』 ちあきなおみ ~ タイトルがいいよね。曲の最後に拍手が聞こえてきそう。

いつものように──Macugaマクーガ ・Arekeyアーキー (誰?) ※意味はありません まったく意味の無い雰囲気だけの上の一文はともかくとして、 『喝采』といえば、コロッケの物まねヅラばかりが脳裏に浮かんできていけない。 ちあきなおみが比較的若く引退した*1からだな。きっと。 それもともかくとして、歌謡曲史上、最も衝撃的と名高い歌い出しがこれ。 「♪いつものように幕が開き 恋の歌 歌う私に 届いた報せは 黒いフチ取りがありました」 華やかな夢の舞台から一転、抗えない現実…

『アンコ椿は恋の花』 都はるみ ~ 生きている島に負けじと、声を響かせる最高の楽器

個人的な話題からで恐縮だが(いつものこと?) 初めて火山というものを体感したのが、1986年の伊豆大島三原山の噴火だった。 授業中、突如「バーン」という激しい音とともに発生した地震に、教室は騒然となった。 その後、間をおいて幾度となく激しく窓をバタバタ言わせ繰り返す地震に、 机の下にもぐりながら、いったいぜんたい何事が起ったのか案じていた。 やがて校内放送で「地震ではありません」という、意味不明なアナウンスがあり、 伊豆大島の噴火による空振だと説明が添えられた。 この時初めて…

『東京節』 添田さつき ~ 大正のリズムネタだよパイのパイのパイ!

「♪ラ~メちゃんたら ギッチョンチョンで パイのパイのパイ パ~リコっとパナナで フライフライフライ」 嬉しくなっちゃうくらい意味の無い歌詞に、もろ手を挙げてバンザイだ。 ここまで強烈な無意味っぷりをカマされた日にゃ、 これに意味を求めることこそ、無粋ぶすいってやつだろう。 表題曲よりも前時代、明治の世に流行した『オッペケペー節』*1の 「♪オッペケペー オッペケペー オッペケペッポ ペッポッポー」のような 節をつけたスキャットのような単なる掛け声とも違って、 所々に「たら」…

『月光』 鬼束ちひろ ~ 陽の光をわずかに映し、地上をかすかに照らす存在

やべぇ。出だしから歌詞をすごい勘違いしてた。 「♪ I am the last child」(私は最後の子ども)だとばかり思っていたのに、 正しくは「♪ I am God's child」(私は神の子)だったらしい。 どっちにしてもえらく大層で印象的な歌い出しであることに違いはないけど、 滅び行く世界にたった一人生まれた、最後の絶望、 というようなテーマで書き進めようと思っていた出鼻を 思いっ切り挫かれてしまった。 モノを語るときは、ちゃんと下調べしてから構想を練らないといけ…

『Pride』 今井美樹 ~ コワモテ兄ちゃんの乙女な一面をどう扱おうか

いったいぜんたい、どのツラ提げて作詞・・・作曲 布袋寅泰。 あのコワモテのあんちゃんが、よりによって 「♪私は今 南の一つ星を見上げて誓った」だなんて、、、 決してヒトを顔面だけで判断するものではないが、 普段のあの、あからさまに作ったキャラクターのような言動と、 喜びも悲しみも一抱えに生きようと誓う女性を描く歌詞との ギャップをどう補ったらいいかがわからない。 後に布袋が今井美樹と結婚に至ったこと*1をもって、 その隙間を埋めるパズルのピースを見つけた気になりかけたが、 心…

『渡良瀬橋』 森高千里 ~ 素直な音色を奏でる地名オタク

表題曲の前年にも、『ロックンロール県庁所在地』(1992年/※試聴環境がないようです by)という、 タイトルからしてイカレた楽曲を本人の作詞・作曲で発表*1しているくらいなので、 森高千里は、おそらく地図・地名のマニアの類なのだろうと推測する。 九州出身の本人とは、ほとんど接点のない北関東という場所にもかかわらず、 地図でみつけたという川と、それに架かる橋の名前から着想を得て シングル曲を作ってしまうのだから、筋金入りというやつだ。 渡良瀬橋。 栃木県足利市を流れる、渡良瀬…

『もう恋なんてしない』槇原敬之 ~ 残された最たるは、モノではなく強迫観念

以下に記載するのは、表題曲の場面に至る前の出来事を、思いめぐらせてみたものだ。 こういうのは単なるイタい妄想ともいう。 【もう恋なんてしない──前日譚】 「・・・私がいないと、あなた一人じゃ何にもできないんだろうけど、せいぜい頑張ってね。」 いったい君にはいくつ頭と足があるんだい?と尋ねたくなるくらい、いっぱいの帽子といっぱいの靴を、一つ一つ丁寧に荷造りしながら、君は言った。 次から次へと湧き出してくるそれらの物に半ば呆れながら、僕は尋ねる。 ──本気で出ていくのかい?脅しの…

『抱きしめてTONIGHT』 田原俊彦 ~ ぎこちないラテンのリズムで何様目線

一番の疑問点は、これって誰の視点?ということだろう。 人知れず悩みを抱える相手に対し、 「♪悩み事を隠すの、案外下手だね。」と声をかけた、 その視点の主あるじとは一体? ◇仮説 1 【恋人(彼氏・彼女)】 これが一番仮定しやすい、視点の主だろう。 「君」を女性と決定づけるものは無いので、彼氏・彼女のどちらか断定はできないが、 面倒なので以下、「君」は女性だということにしておこう。 「♪君ばかりを見てきたから わかるつもりさ」 悩んでいるよね?何でもお見通しだよ。いつも君のこと…

『星空のディスタンス』 アルフィー ~ 照れ屋なのか奥ゆかしいのか。ただ図々しいのか。

ジ・アルフィー。 そのスタイルからして、変なバンドとしか言いようがない。 なんといっても、「事実上」のメインボーカルが一番目立たないではないか。 3人並んだ向かって左端で、サングラスの向こうに照れ屋の瞳を押し隠して、 おとなしそうにチョコンとしている。 そんなボーカルが左端にいて、派手な目立ちたがりのギタリストが右端にいて、 一番パッとしない雰囲気だけどよく喋る男が真ん中にいるという図式。 「事実上」と、あえてカッコ書きしたのは、 3人ともそれぞれメインボーカルを張っている曲…

『春なのに』 柏原芳恵 ~ 青い春の空に消えた、あっけない幕切れに

温度差の描写が見事。 送る側である主人公──おそらく在校生だろう*1──と、 卒業していく彼との、単純な別離の歌と捉えることもできる。 というか、ふつうはそう捉えるだろう。 しかしどちらかというと、自分がこの曲から受ける印象は、 おかれた立場の違いから生まれた疎外感をきっかけに、 自ら恋心に見切りをつけた歌、なのではないかと思っている。 「♪さみしくなるよ。それだけですか? むこうで友達、呼んでますね・・」 主人公は、もっと違った言葉が聞きたかったのだろう。 彼にも一緒に別れ…

『日立の樹』ヒデ夕樹・朝礼志 ~ この歌なんの歌 気になる歌 見たことのあるCMだ!

「♪この木なんの木 気になる木 見たこともない木ですから 見たことのない花が咲くでしょう」 言わずと知れたCMソングの雄である。「この木なんの木」こと『日立の樹』。 CMソングをはじめ、映画やテレビ、舞台などのタイトル曲やサウンドトラックなど、 何かの副産物として作られる楽曲を総じて、企画モノ、と表現することがある。*1 それはオリジナルで作られることもあれば、既存曲の替え歌や、 やはり既存曲でイメージにピッタリ合うものをあてるなど、様々だ。 かつては───「古きよき時代には…

『ドリフのズンドコ節』 ザ・ドリフターズ ~ カバー王者、ドリフのキレッキレソング

カバーソングの王者といえば、ザ・ドリフターズだと思っている。 もちろん、この稿における「ザ・ドリフターズ」とは 日本一のコメディーグループ、いわゆる「ドリフ」のことで、 『ラストダンスは私に』(1960年/※試聴環境がないようです by)などで知られる、 アメリカのR&Bバンド「ザ・ドリフターズ」のことではないことは言うまでもない。 ドリフといえば、コントグループというイメージがあまりにも強く、 そもそもコミックバンドであること自体がそれほど知られているわけではない。 しかも…

『修学旅行』 舟木一夫 ~ 修学旅行の想い出は、やっぱ場所より人と出来事よ

懐メロ特集で必ずと言ってよいほど出現する 「♪ぁ・あ~ぁ~ぁ~ぁ~高校三年せ~」に、 『高校三年生』(1963年/※試聴環境がないようです by )はもう耳にタコよ、 という自分のようなひねくれた輩には ぜひ、『修学旅行』をおススメする。 『高校三年生』のヒットの最中*1にリリースされた、あからさまな便乗曲ながらも、 結構攻めたつくりの、意欲作になっているからだ。 疾走するような、汽車のリズムにあわせて、 めまぐるしい転調と変拍子の小難しい曲を、 とても高校出たてのホヤホヤと…

『山の人気者』/中野忠晴とコロムビア・リズム・ボーイズ ~ ヨーデル放題、チチしぼり放題

もしもあなたが、「ヨーデル」と聞いて 何らかのフレーズを思い浮かべることができるとするならば、 たぶんあなたは、この『山の人気者』という曲を さわりだけでも知っているといって、過言ではないだろう。 おそらく、ヨーデルの曲で日本で最も知られているものといえば、 アニメ「アルプスの少女ハイジ」の主題歌 『おしえて』(伊集加代子/1974年/※試聴環境がないようです by)だと思われる。 しかし、「ヨーデル」と聞いてハイジを思い浮かべる人はほとんどいない。 それよりは、ヨーデルとい…

『軍艦行進曲』 日本海軍 ~ あっけらかんと、守備重視のカウンター戦法

「♪キン・キン・キンタマリンの ナ・ナ・フ・シ・ギ!」 いきなりこんなんでスマンスマンスマン。 ご存じ「軍艦マーチ」こと『軍艦行進曲』だが、 自分が小学生のころ、こんな替え歌が流行っていたのだ。 そんな替え歌が通用するほど、 昭和生まれの小学生には身近な曲だったってことだ。 パチンコ屋なんかに出入りしてはいなかったけど、 当然のこととして、昭和の娯楽・パチンコの代名詞的な曲だと認識していた。 で、おそらく、「パチンコ」→「チンコ」→「キンタマ」的な 小学生大喜びパターンの替え…

『ミュージックアワー』 ポルノグラフィティ ~ ありそうでなかったリアルシミュレート

ああ、なんだかこの曲、唯一無二感がすごくない? 妙にリアルな架空のラジオ番組をでっちあげて*1、 ト書き(ナレーション)やモノローグ(心の内の声)の一つも用いることなく、 番組のはじめから終わりまでを、シミュレート再現するというもの。 実に本物っぽいDJのタイトルコールから始まり、 「This Program brought to you by Porno Graffitti. See you next time!」 (この番組はポルノグラフィティがお送りいたしました。また次…

『涙の天使に微笑みを』原由子 ~ 本当に自分の記憶違いなのか。いまだに世界を疑っている

かつては、タイトルや歌い手を間違えて覚えていたために いくら探しても見つからない曲、というものが存在しえた。 ネット時代の今日では、些細な手がかりであっても おおよその情報は(誤情報も含めて)ググって得ることができるが、 それ以前は、その方面に明るそうな人に尋ねるか、 さもなくばCDショップ店頭や、レンタルCDなどで ジャケット情報をもとに、しらみつぶしていくのが常套手段だった。 そんなだから、ジャケットに収録曲の記載がないCDを運任せで購入して 玉砕することも当然の成り行き…

『CRUCIFY MY LOVE』 X JAPAN ~ ニホンゴで歌わんかいっ

この曲に限らず、日本市場向けの作品であるにも関わらず 英語詞だけで構成されている曲は、古くからいくつか存在する。 つのだ☆ひろの『メリー・ジェーン』(1971年/※試聴環境がないようです by )をはじめ、 『モンキー・マジック』(1978年/※試聴環境がないようです by )などのゴダイゴの一連の楽曲*1、 ショーグンの『Bad City』(1979年/※試聴環境がないようです by ) トミー・スナイダーの『Super Hero』(1977年/※試聴環境がないようです b…

『息子』奥田民生 ~ エア息子とロマンチ母ちゃん

10代の頃、どういうわけかこの曲が大のお気に入りだった。 サウンドだけでなく、この歌詞世界にしてやられていたような気がする。 くだけた口調で、無限とも錯覚できる世界の大きさと、人生の可能性を語る、 そのアベコベさにだ。 「♪半人前が いっちょ前に 部屋の隅っこ ずっと見てやがる おぅ メシも食わず 生意気なヤツだ」 感情移入したのは、なぜかオヤジの方。 10代の身空で、息子がいるはずもなく、 奥さんどころか彼女の影すらもなかった時分なのに。 ところが実際、子をもって知ったこと…

『新しいラプソディー』 井上陽水 ~ ”I Love You”の最強呪文が解き放つ夢幻の世界

「困るんだよな、こういうの。」 いかにも嫌味な上司が言いがちな感想を持ってしまうほど、困る。 なにが困るって、そりゃぁこういう、さりげなくていい曲ってのは、 言葉で説明がつけられないから、本当に困るのだ。 もう、聴いちゃって聴いちゃって。 いちいちオイラの駄文なんか読んでからじゃなくていいからさ。 陽水のボーカルが始まった瞬間から、世界に引き込まれるから。 シングルジャケット/amazonより 新しいラプソディー井上陽水J-Pop¥250provided courtesy o…

『ラズベリー・ドリーム』 レベッカ ~ フィーリングで演り、フィーリングで聴くべし

カッティングと残響音のコントラストを利かせたギターによる導入から、 間をおいて、跳ねるようなドラムが、続いてピアノとベースがフィルインしてくる*1。 そしてNOKKOの抑えつつも勢いのあるボーカルを迎えるころには いかにも、バンド然、とした王道のサウンドが繰り広げられる。 新鮮さはないが、これが実に心地よい。 新鮮さがない、という表現にはいささか語弊があるかもしれない。 日本にバンドブームを巻き起すひとつのきっかけになったという レベッカという、このバンドのサウンドこそが、 …

『夏をあきらめて』 研ナオコ ~ ナイスカバー? yes. ナイスカバー。

ひとの持ち歌を歌うことを「カバー」という。 レコードにかぶせて歌うから、カバー。 つまりは、カラオケのイメージ。 ・・だと思っていたが、どうも違うらしい。 英語で"cover for ××"(××は人を指す) で、「××の代わりを務める」 という意味から来ている表現だそうで、要するに代役のこと。 なんだリメイクだと思っていたら、スペアだったか。 しかし、そんな本来の意味通りの代役や、 だれもが認める名曲を××が歌い上げる・・・というようなカラオケ状態のものではなく、 カーペン…

『銀河鉄道999』 ゴダイゴ ~ 隠された意味を探そうにも、そんなものは無いのが現実。

この超名曲を、なぜに百名曲に選ばずに、500名曲としてしまったか。 あえて言い訳を述べるならば、まったくの個人的嗜好に行き着く。 短いフレーズをリピートしながらフェードアウトする曲が好きではないという、 そんな限りなく個人的な事情に、ただただ申し訳なく思う。 さて、999スリーナインの名を冠した名曲ってのはいくつか存在し、 ささきいさおのスリーナイン (『銀河鉄道999』1978年/試聴はこの先から)もいいし、 アルフィーのスリーナイン (『Brave Love〜Galaxy…

『真冬の帰り道』 ザ・ランチャーズ ~ 大人になれない大人が、地団駄を踏むか、否か。

「♪あなたの肩先に ひらひらこぼれてる プラタナスの枯葉 寒そな枯葉」 この曲ではそんな風に歌われるプラタナス。 「♪プラタナスの枯葉舞う 冬の道で プラタナスの散る音に 振り返る」 (『風』はしだのりひことシューベルツ/1969年/※試聴環境がないようです by) 「♪そよぐプラタナス ふたつの靴音 ああ恋の夜」 (敏いとうとハッピー&ブルー『星降る街角』/1977年/※試聴環境がないようです by) 「♪プラタナスの葉陰に ネオンがこぼれ 想い出が還る 並木通り」 (『た…

『青春サイクリング』 小坂一也 ~ 小坂は名古屋人なので、たぶんこう呼んでいたに違いない

のっけから余談から始まって*1申し訳ないが、 個人的に方言というものにあれこれ興味を持ちはじめたのは、 インターネット前夜の時代のこと。 当時、地域の言語差をうかがい知れたのは、主にテレビや物語世界だけであったが、 親の転勤によって、いやがおうに別体系の方言世界に投げ込まれ これ以上ないほどの衝撃を受けた言葉がある。 「ケッタマシーン」 マシーンという外来語がついているが、れっきとした日本の方言である。 濃尾地方*2に伝わる由緒正しき方言名詞で、通称「ケッタ」 。 その正体は…

『銀座カンカン娘』高峰秀子 ~ 「銀座」は残った 柳とともに いつまでも

流行を取り入れた歌詞が、時代とともに早々に廃れてしまうことは 『洒落男』(1929年/二村定一)の回で触れたとおりだが、 この『銀座カンカン娘』はというと、驚くべきことに 一語たりとも死語というものがないように見える。 「カンカン娘」という造語 ーーおそらくはイマドキの若い女性たちの総称として名付けた、 特にこれといった意味のない雰囲気名称と思われる*1ーーはともかくとして、 それ以外登場する語句は、今でも普通に使用されるものばかりだ。 言い回しに文語調の古めかしい表現が見受…