日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『明日の行方』 Smile ~ 嘘と希望と逃避のはざまに

訥々と語るセリフからは、夢見るロマンチストを気取っているのかと思いきや、 実はすべて、主人公の現実逃避の言葉であることに気づいてからは、 いったい何があったのか、気になってしょうがなくなってしまった。 この主人公、とにかく明日が来るのが怖くて…

『夜桜お七』 坂本冬美 ~ 蜃気楼のごとく、一瞬かいま見えた演歌の未来

こと音楽に関しては、基本的にかなりの雑食であるつもりなので、 今更ジャンルにこだわったり、ジャンル談義をするつもりはさらさらない。 というよりも、ジャンルの違いというものを よく理解していないがゆえの雑食とも言えるのでなおさらだ。 ジャンル談…

『夏だね』 TUBE ~ 全季夏へと強制連行 TUBEは夏の季語に違いない

思考の跳躍っぷりが半端ない。 第一声、「春一番」で始まった歌が、わずか8小節足らずのうちに「6月」になり、 16小節に達する頃には、遥か「夏休み」にまで達する。 この間、文字数にしてわずか36文字。 「♪春一番が 小さな過去へと遠くなる六月 心はウワの…

『Bye For Now』 T-BOLAN ~ 照れ隠しのコツは、トコトンカッコつけるべし

くだらない駄洒落でしかないと、自分でもわかっているのだが、 いけないと思いつつ、どうしても頭をよぎってしまう、連想してしまう、 そんなフレーズが多々ある。 歌詞に「別れ」という言葉があれば、 それは半ば自動的に「ワカメ」という言葉に脳内変換さ…

『いくじなし』 筋肉少女帯 ~ 狂気の中毒性に注意。迷宮に迷い込んで3アウト。

イカしているということと、イカレているということは その文字ヅラ以上に紙一重だということに気づかされる。 大槻ケンヂの、イカレたボーカルや、狂気の物語世界の影に隠れているが、 バックを固めるアンサンブルの、まあ達者なことよ。 これぞメタルの王…

『青いスタスィオン』河合その子 ~ 青色は、空の青さと青春。スタスィオンは若気の到りか。

おそらく、何かのオムニバスCDに収録されていたものを 何の気も無くソングリストに加えていたのであろう。 これまで幾度となく玉石取り混ぜ聴いていたために、聴き知る曲となったが、 この稿を書くにあたって、はたと困ってしまった。 だれの歌う、なんて曲…

『パラダイス銀河』 光GENJI  ~ 大人の目の届かない夢の世界のはずが、まさかの夢オチ

当時、何故あれほどこの曲を毛嫌いしたか、自分でもわからないくらい 今聴くとなかなかにハッピーな佳曲じゃないか。 趣の異なるサビ、Aメロ、Bメロの組み合わせや、 主旋律とオブリガード*1の逆転、ゆがんだ和音を響かせるエンディングなどなど 展開もなか…

『Get Wild』TM Network ~ 強迫観念に負けないよう、ワイルド願望にすがる二人

正直言って、未だにこの『Get Wild』という曲を どうやって評価していいものだか、決めかねている。 「100名曲」に入れようともしたし、その後も何回か書きかけては、 書きあぐねて、書けなくて、その繰り返し。 その後のミュージックシーンの、ひとつの転換…

『津軽平野』千昌夫 ~ にっぽんのふるさと。家族の絆を歌う。

いやいや、だって演歌だし、とか、だって千昌夫だし、とか 食わず嫌いしていないでこの曲を聴いてごらんなさいヨ。 びっくりするほど美しい曲だから。 出だしのオーボエとアコースティックギターの絡みと、遠くで聞こえる拍子木の音なんか、 日本人の心にズ…

『まちぶせ』 石川ひとみ ~ ストーカーという概念の有無で、曲の印象がまるで違う!

この曲の作者である、ユーミンこと松任谷由実が のちに「荒井由実」名義でセルフカバーしたときには ストーカー気質の怖い女扱いされた、この曲の主人公だが、 まぁ、確かに文字通り捉えるならばかなり怖い女だ。 「あなた」と「あの娘」の恋人同士のテーブ…

『精霊流し』グレープ ~ 人物相関図、考えすぎると複雑になり妄想が暴走する

『案山子』(さだまさし/1977年/※試聴環境がないようです by)にしても同様なことが言えるが、 この『精霊流し』という曲は、場面が進んで、人間関係が判明していくにしたがって、 どんどんその相関図が不可解になっていくのはなぜなのだろう。 この歌に登…

『そして、神戸』内山田洋とクールファイブ ~ 全編クライマックス!(の一歩手前)

「♪コォぉぉぉべぇ~~~~」 最初聴いた時は、冗談なのかと思った。 いや、今でもこの出だしは冗談なんじゃないかと思っている。 テンション高めのイントロを受けた、 肩透かしのように意表を突くこの歌いだしから始まり、 息つぐ間もなく曲が高揚感を増し…

『だれかが風の中で』 上條恒彦 ~ サムライは荒野にはいないんじゃないかなぁ

これがまさかの時代劇*1の主題歌だと知ったのは、 曲を知ってからずっと後のことで、 最初は、同名異曲だろうとしか思わなかった。 時代劇のイメージとはかけ離れているうえに、 いかにもでありがちな、カッコつけのタイトルだからね。 「♪雲は焼け 道は乾き…

『バン・バン・バン』 ザ・スパイダース ~ 脳内ババンバンがとまらない!

グループサウンズの東の雄、ザ・スパイダースと言えば、 その現役時代の足跡の大きさもさることながら、 解散後、元メンバーたちが音楽のみならず才能を発揮し、 もはや元スパイダース、という肩書すら不要になったほどの錚々たるメンツ揃いで、 その後の元…

『学生時代』 ペギー葉山 ~ 思い出が美しすぎるにも限度がある

「青山学院の第二の校歌」とも呼ばれているというから、 すっかり青山学院大学のことだと思っていたのだが 青山学院といっても、実は青山学院高等部ゆかりの歌らしい。 (ところで、「高等部」って声に出して言うと、「後頭部」とまったく同じだよな。) 少…

『旅の夜風』 霧島昇・ミスコロムビア ~ 夜の比叡山を行くのは修験者だけじゃないらしい

気が付けば、もはや昭和という時代も、 すでに歴史時代のひとつとなりつつあって、 現代というよりは近代、の扱いになってきているような気がする。 自分が幼少の頃を過ごした昭和の終わりの時代 -自分にとってはそれが歴史時代という感覚はまったくない-…

▼番外▼/『ガイア幻想紀』 川崎康宏  ~ テンションマックス、新説ワールドミュージック

今回は番外も番外。ゲームのBGMです。 タイトルを見てピンと来た方、もしくは、検索で直接こちらに来られた方、 イイもの取り揃えております。ごゆっくりどうぞ。 なにそれ?な方、ここはおそらく求めるものは無いので、 良ければこのサイト内の別のページで…

『Last Smile』 ラブ・サイケデリコ ~ 思わせぶりなそぶりに囚われたハナタレ小僧

この曲を聴くに思うは、 カッコいいことと退屈であることは、まさに紙一重であって ちょっと何かのボタンを掛け違えただけで、 かなりつまらない曲になったであろうことは想像に難くない。 かつて思い誤ってカラオケでこれを選曲してしまったがために シラー…

『恋愛レボリューション21』 モーニング娘。 ~ 発つ世紀末鳥あとを濁しまくれ!

なぜだ。なぜなんだ。 昔からずっと疑問だった。 (この出だしの登場は『Mr.サマータイム』に続いて2回目) 誰も気づかないのか。 気づいていても馬鹿らしくてやらないのか。 それとも著作権者の許可が下りないのか。 それとも実はやったけど不発だったのか*…

『楓』 スピッツ ~ 意味深でありすぎることは、深い意味が無いに近しい

スピッツの歌詞の世界は、かくも意味深であって 深読みしようとすればするほど、各々聴き手の妄想の世界に突入していってしまう。 タイトルにしたって、物語のどこに楓が登場するかっていう問題に対し、 歌詞の中に木立の一本も見えないところを見ると*1 僕…

『ロカ』遊佐未森 ~ 変拍子をもクリアに透きとおらせる濾過装置

なにもこんなマイナーな曲を採り上げなくても、と思いつつ、 もしかしたらマニアックな層の来客を期待するスケベ心も持ちながら*1、 物陰からコッソリと声を大にして言いたいのは、 この歌がまれにみる5拍子の歌であるということ! 数少ない5拍子の曲として…

『One more time, One more chance』 山崎まさよし ~ 待ち人来たらず。だって待ち合わせていないので。

個人的願望としては、ここに歌われている「君」には なんとしてでも、生きていてもらいたい。 亡くした人に対して遂げられなかった思いを 夢のような奇跡の物語で叶えるなんて話は もはやあらゆるジャンルの物語で、手を変え品を変え語りつくされており 正直…

『ALICE』My Little Lover ~ 時計の針も逆さに回る、文字化けの森のアリス

たしか中学2年の時だったと思う。 英語の授業において実にトンデモないことが流行した。 たとえば、日本語訳が『Aが~すると、決まってBは…になる』 という英語構文があったとする。 この「~」や「…」を「ピー」とか「プー」などと読むのだ。 『Aがピーする…

『グロリアス』 GLAY ~ あの頃の俺選手権、いつまでも夢見ていたい代表

ちょっと面白いことに、 この曲、一聴してシンプルな印象を受けるのに 聴きこんでいくと、意外に展開していることに気づく。 要は、構成が凝っているのだ。 わかりやすいところで例を挙げると、 曲のタイトルである「グロリアス」 これが歌われるのは1番のク…

『借金大王』 ウルフルズ ~ 胸の中で毒づくけどホントは声に出して言いたい日本語

ドコを切り取っても、純度100パーセント、 混じりっけナシのロックンロール。 そりゃあもう、『完全無欠のロックンローラー』(1981年/アラジン/※試聴環境がないようです by) なんか、まるっきりメじゃないほど完全無欠なロックンロール。 チャック・…

『DA. YO. NE』 EAST END×YURI ~ だってラッパーちゃんだから、何でもありだYo。

あえて小難しい言葉でいうならば、 この曲が「ラップ」なる音楽的指向の 市井における嚆矢であることに関して是非に及ばず、 といえる。 難しい言葉にすることには、自己満足以外の意味がないので、 解るように砕けた言い方をすると、 やっぱ、どーあがいて…

『まゆみ』 KAN ~ 無償の愛、受ける側には結構ありがたくない

たぶん守秘義務があるので、詳しいことは言えないが ときどき仕事で有名無名のミュージシャンの動向を知ることがある。 世間的には、『愛は勝つ』(1990年/※試聴環境がないようです by)で 一発屋として知られるKAN(失礼)が 「弾き語りばったり」とかいう…

『YAH YAH YAH』 Chage&ASKA ~ 宗教勧誘と見紛うばかりのポジティブリード

ずいぶん紆余曲折をするグループだよなと思っていた。 谷村新司と堀内孝雄のダブルボーカルグループ・アリスのような、 歌謡曲風のフォークロック 『ひとり咲き』(1979年/※試聴環境がないようです by)でデビューし、 あからさまなアジアンテイストの 『万…

『WOMAN』 アン・ルイス ~ 刺激的なコト言っちゃうし。難解なコトやっちゃうし。

てっきり昭和の歌だと思っていたが、案外平成の歌だった。 といっても昭和も明けたてホヤホヤの平成元年のこと。 イケイケに唸り上げるエレキギターのイントロに導かれ 飛び出した言葉は、「♪つわものどもが夢の跡だね」。 思いもかけず芭蕉の句が飛び出てき…

『涙のリクエスト』チェッカーズ ~ 呪いの言葉を隠したリクエスト

ウルフルズにとってのそれは、 古きよきロックンロールに、現代の演奏テクニックを導入することであり、 ゆずにとってのそれは、 古きよきフォークソングに、ポップスのリズムを導入することであり、 チェッカーズにとってのそれは、 古きよきロカビリーに、…