1986~1990
具体的にそれと示すキーワードは歌詞中にひとつも登場しないのだけども、明らかに「同窓会」をモチーフにしたシチュエーションソング。 しかも、友達以上恋人未満だった相手と、久しぶりに再開した同窓会でいい感じになる、という漫画のようなベタな展開*1だ…
1980年代後半日本。この浮かれまくった時代に存在したあらゆる事象に「バブル」の影を語りたがるのは、極論すぎる以前にワンパターンで気が引ける。 実際、この稿の書き出しを、 「24時間戦えますか?」というイカレたキャッチコピーが何の違和感もなく受け…
主人公は、今で言う「中二病」をこじらせているように思う。 説明するまでも無いかもしれないが、中二病なる俗語の意味するところを要約すると、 自分やその周辺に何らかの「妄想的設定」*1を設け、その設定を達成するために自らにキャラ付け*2をしたり、強…
いい大人になってから、不良っぽさへのあこがれを持ってしまうと 人の見てくれっていうのは、こうなってしまうのかなぁ。 この頃の長渕剛に対する印象は、まさにそんな感じだった。 「♪好きです好きです心から愛していますよと 甘い言葉の裏には一人暮らしの…
中山競馬場のGⅠファンファーレ( )にも代表される稀代のファンファーレの名手、作曲家・すぎやまこういちの面目躍如というべきだろう。 表題曲においては、Aパートのファンファーレを、トランペットが高らかに歌い上げる。 一転ゆったりとおとなし目のBパー…
一番の疑問点は、これって誰の視点?ということだろう。 人知れず悩みを抱える相手に対し、 「♪悩み事を隠すの、案外下手だね。」と声をかけた、 その視点の主あるじとは一体? ◇仮説 1 【恋人(彼氏・彼女)】 これが一番仮定しやすい、視点の主だろう。 …
「♪この木なんの木 気になる木 見たこともない木ですから 見たことのない花が咲くでしょう」 言わずと知れたCMソングの雄である。「この木なんの木」こと『日立の樹』。 CMソングをはじめ、映画やテレビ、舞台などのタイトル曲やサウンドトラックなど、 何か…
「困るんだよな、こういうの。」 いかにも嫌味な上司が言いがちな感想を持ってしまうほど、困る。 なにが困るって、そりゃぁこういう、さりげなくていい曲ってのは、 言葉で説明がつけられないから、本当に困るのだ。 もう、聴いちゃって聴いちゃって。 いち…
カッティングと残響音のコントラストを利かせたギターによる導入から、 間をおいて、跳ねるようなドラムが、続いてピアノとベースがフィルインしてくる*1。 そしてNOKKOの抑えつつも勢いのあるボーカルを迎えるころには いかにも、バンド然、とした王道のサ…
イカしているということと、イカレているということは その文字ヅラ以上に紙一重だということに気づかされる。 大槻ケンヂの、イカレたボーカルや、狂気の物語世界の影に隠れているが、 バックを固めるアンサンブルの、まあ達者なことよ。 これぞメタルの王…
おそらく、何かのオムニバスCDに収録されていたものを 何の気も無くソングリストに加えていたのであろう。 これまで幾度となく玉石取り混ぜ聴いていたために、聴き知る曲となったが、 この稿を書くにあたって、はたと困ってしまった。 だれの歌う、なんて曲…
当時、何故あれほどまでに毛嫌いしたのか自分でもわからないくらい、今になって聴くとなかなかにハッピーな佳曲じゃないか。 それぞれ趣の異なる、サビ、Aメロ、Bメロの組み合わせや、主旋律とオブリガード*1の逆転箇所、ゆがんだ和音を響かせるエンディング…
正直言って、未だにこの『Get Wild』という曲を どうやって評価していいものだか、決めかねている。 「100名曲」に入れようともしたし、その後も何回か書きかけては、 書きあぐねて、書けなくて、その繰り返し。 その後のミュージックシーンの、ひとつの転換…
てっきり昭和の歌だと思っていたが、案外平成の歌だった。 といっても昭和も明けたてホヤホヤの平成元年のこと。 イケイケに唸り上げるエレキギターのイントロに導かれ 飛び出した言葉は、「♪つわものどもが夢の跡だね」。 思いもかけず芭蕉の句が飛び出てき…
メロディーラインを無視して伴奏だけ聴いていると、なんだかものすごく不穏な空気が流れていることに気付く。 ドッド、、、、ドッド、、、と、ゆっくり迫りくるようなバスドラムの音や、時折不協和音のように1拍だけ挟まれる違和感のある和音コードなど、ま…
ようやくコツをつかんだ、 きっとそんな状況なんだろう。 「♪わかり始めたMy Revolution 明日を乱すことさ 誰かに伝えたいよ My Tears, My Dreams 今すぐ!」 本人は何か決定的なポイントを掴んだつもりなんだろうが、 周りからすれば、何を言っているのかわ…
“作者のもっとも言いたかったことは何か?” というかなりの無茶問題が、しばしば国語のテストに見受けられる。 「知るかボケ」 が最も適切かつ適格な答えだと思うが、 今も昔もそんな答えは許されないようなので テストに於いてはそれっぽい回答を用意しなく…
知っててワザと勘違いされるように言っているとしか思えない。 「♪私を動かすのは ダイアモンド」 時代の熱気に浮かれまくった若き女性たち。 とびっきり高価なものをちらつかせない限り、絶対になびかない。 そんな偏見に満ちた世の中に、挑戦状のように あ…
時系列から整理していこう。 時は平成元年。 昭和天皇の崩御*1に伴い、1月8日に始まった平成という時代のわずか4日目に、この曲はシングルカットされた。 平成元年(1989年)1月11日のこと。 以下、昭和と平成の境目を反復するように時をたどる。 さかのぼって…
「江戸っ子だってねェ。」 「おぅ、神田の生まれよォ。」 どこの誰だか知らないけれど、誰もがみんな知っている(by『月光仮面は誰でしょう』(近藤よし子/1958年/)。 まさにそんな感じの、誰が言ったか知らないが、昭和生まれならだれもがみんな知ってい…
通常「和製ボブ・ディラン」といえば吉田拓郎のことを指すが、いやいや和製ディランであれば、むしろ井上陽水のことだろう、と常々思っている。 これはどうやら、世間の持つボブ・ディランのイメージと、自分の持つボブ・ディランのイメージに隔たりがあるこ…
まず第一に、小林武史によるアレンジが秀逸。 トーンチャイム*1とハープの中間のような音の 静かなイントロから導かれる 桑田佳祐のつぶやくような歌い出しに、 切なさがあふれている。 ゴテゴテした装飾の一切ない、 シンプルアレンジの一本鎗で、 桑田のボ…
あらかじめ回数を決めた、ポンピングブレーキ*1はやめましょう。 とっても危ないことこの上ない。 「♪ブレーキランプ5回点滅 ア・イ・シ・テ・ルのサイン」 かくいう自分も、若かりし頃に(恥ずかしながら)何回か実行したことがある。が、 去り際にやっても…
あらためて歌詞をみて初めて気づいたのだが、 別れた相手を想い出にできなくて苦しい、 という単純な歌とは、どうやら違うらしい。 彼に言われた別れの言葉が、 いつまでも頭の中でリフレインしていて、逃れられない。 だけどなぜか、愛しさを忘れることがで…
ブルーハーツの最大の良さは ひとえにその、わかりやすさ、にあると思う。 「♪見えない自由が欲しくて」 「♪見えない銃を撃ちまくる」 「♪どんな記念日なんかより」 「♪どんな記念碑なんかより」 ダジャレ一歩手前の*1、韻を踏んだ歌詞と、 どんなことがあっ…