日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『新しいラプソディー』 井上陽水 ~ ”I Love You”の最強呪文が解き放つ夢幻の世界

「困るんだよな、こういうの。」
いかにも嫌味な上司が言いがちな感想を持ってしまうほど、困る。
なにが困るって、そりゃぁこういう、さりげなくていい曲ってのは、
言葉で説明がつけられないから、本当に困るのだ。

もう、聴いちゃって聴いちゃって。
いちいちオイラの駄文なんか読んでからじゃなくていいからさ。
陽水のボーカルが始まった瞬間から、世界に引き込まれるから。

新しいラプソディー [EPレコード 7inch] シングルジャケット/amazonより
新しいラプソディー

新しいラプソディー

 
  • 作詞・作曲 井上陽水、編曲 星勝
  • 1986年5月21日、フォーライフレコードより発売
  • オリコン最高位25位
  • 歌詞はうたまっぷへ:新しいラプソディー 井上陽水 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaに全然詳しくない:井上陽水 - Wikipedia

  • 天にも昇る気持ちとはまさにこのことだろう。
    「I Love You」
    その魔法の言葉を唱えるだけで
    街は、輝かしい未来に向け突っ走り、
    星は、はじけ飛ぶように夜空に輝きだす。

    懐かしい旋律メロディー、散りばめた宝石ジュエリー、憧れの記憶モリー ・・・
    それらすべてが、まるで自分を祝福しているように感じてしまう。
    そんな目まぐるしくうつりかわる、狂想曲ラプソディ

    井上陽水の紡ぎだす、意味よりもイメージ先行な言葉の数々が
    恍惚たる愛の世界を、きらびやかな白昼夢のように描き出す。



    翻って現実にぐぐいと引き戻す。
    個人的に気になるのは、この曲に関する情報の少なさだろう。
    シングルのみの発売で、アルバム収録曲じゃないという側面もあるのだろうけど、
    ライナーノーツ*1を見る限り、シングルにも、ベストアルバムにも、
    歌詞のみの記載で、クレジットがあるのは、
    作詞・作曲の井上陽水と、編曲の毎度おなじみ星勝の二人のみで
    参加ミュージシャンの記載は一切なし。

    Wikipediaに至っては、この曲の項目すらない*2始末。
    冒頭で述べたように、非常に言葉にしにくいのは確かだとしても
    これだけの有名曲において、ネットで取り上げる人も少なく、ちょっと異常な気がする。



    サウンドはいかにも「80年代」の、「オシャレな音」で、
    人の息遣いや汗臭さを感じさせない音作りになっている。
    現代感覚では、ひょっとすると打ち込みによる自動演奏なんじゃないか?
    と思わせる音がそこかしこに見られる。
    プロミュージシャンによる、寸分の隙も無い完璧な演奏なのか、
    当時まだ「新しいもの」の範疇だった、コンピューターをメインにした演奏なのか。

    ザ・ミュージシャン の雰囲気の濃い井上陽水星勝のコンビが
    前者を選ぶとは思いにくいのだが・・・音だけ聞くと後者の気がする。
    バックコーラスは、まんまGeneralMIDI規格に見られるような
    機械的な「Aah」音と「Ooh」音で、その疑惑に拍車をかけているが、
    ホント実際のところどうなのだろう。


    果たして?
    その答えはいまだにヒントも見つけられずにいる。



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    ラプソディー
    曲調や曲想が目まぐるしく変化する自由形式の曲のこと。
    以前『東京ラプソディー』の回でこのことにはふれているので、
    くわしくはそちらをどうぞ。
    songs20thcentury.hateblo.jp


    瞳をとじて
    ちょくちょく見かける表現だけど、変な言葉だよな
    眼じゃなくて瞳をとじるということは、
    まぶたを閉じる、まばたきをするのではなく、
    黒目の部分、つまりは瞳孔をとじるということ。
    むやみに明るいフラッシュにしてやられない限り
    人間様にはこのような芸当は困難だろう。
    そんなことができるのは、猫じゃなければ目玉のオヤジくらいなもんだ。


    ジャンボリー
    Wikipediaの記述によれば、ジャンボリーとは
    ”19世紀に出現したアメリカの俗語で、「賑やかな宴会」”
    とのことだが、陽水含む世代におけるジャンボリーといえば
    中津川フォークジャンボリー」だろう。

    野外フェスの世界的な先駆けともいわれるイベントだそうで、
    昔、親に連れられて会場の椛の湖に行ったことがあるが、
    往時の状況を記した、朽ちかけたような立看板を見ても全くピンとこず、
    あとから日本歌謡史をたどるようになってから初めて
    ああ、あそこがあの、と思い至った。*3

    こんな山の中でそんな大きなイベントが開かれたことが
    にわかに信じられないような静かなところだったが、
    いまでいうフジロックの会場と同じようなものだと思えば、
    まあ、そんなモンかなとも思う。



    現在入手可能な収録CD/視聴可能
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    ▼ 井上陽水
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。




    脚注

    *1:レコードについているジャケットやブックレットの類

    *2:2019年8月現在

    *3:今行ったとしても、特に何の感慨もないだろうけど