1996~2000
宇多田ヒカルの二番煎じ、のような扱いで ほとんど何の前触れもなく突如ミュージックシーンに登場した倉木麻衣だが、 比較されるようになった一番のきっかけは、この二人の声質が似ていたからだろう。 本人やその周辺の意図したものではなかったのかも知れな…
幾重にも重ねられ、ぶアツい壁をつくり上げるギターサウンド。 そのアツさ(厚さ・熱さ・篤さのトリプルアツさ)に包み込まれながら、 しっとりと歌い上げられるボーカル。 そのどちらにも強い違和感を覚える。 これってなんかいつもと違う。 相川七瀬の楽曲…
やべぇ。出だしから歌詞をすごい勘違いしてた。 「♪ I am the last child」(私は最後の子ども)だとばかり思っていたのに、 正しくは「♪ I am God's child」(私は神の子)だったらしい。 どっちにしてもえらく大層で印象的な歌い出しであることに違いはな…
いったいぜんたい、どのツラ提げて作詞・・・作曲 布袋寅泰。 あのコワモテのあんちゃんが、よりによって 「♪私は今 南の一つ星を見上げて誓った」だなんて、、、 決してヒトを顔面だけで判断するものではないが、 普段のあの、あからさまに作ったキャラクタ…
ああ、なんだかこの曲、唯一無二感がすごくない? 妙にリアルな架空のラジオ番組をでっちあげて*1、 ト書き(ナレーション)やモノローグ(心の内の声)の一つも用いることなく、 番組のはじめから終わりまでを、シミュレート再現するというもの。 実に本物…
かつては、タイトルや歌い手を間違えて覚えていたために いくら探しても見つからない曲、というものが存在しえた。 ネット時代の今日では、些細な手がかりであっても おおよその情報は(誤情報も含めて)ググって得ることができるが、 それ以前は、その方面…
この曲に限らず、日本市場向けの作品であるにも関わらず 英語詞だけで構成されている曲は、古くからいくつか存在する。 つのだ☆ひろの『メリー・ジェーン』(1971年/※試聴環境がないようです by )をはじめ、 『モンキー・マジック』(1978年/※試聴環境がな…
やけに耳障りな音だ。 不安になるような不協和音とは違う、人の息遣いを感じない電子音とも違う、 もっと実在的で、物の気配を感じ取れるような音。 まるで機械がけたたましく連続音を発生させる、町工場の界隈のような。 そう、喧噪という言葉がぴったりか…
さて、どこからツッコんでやろうか。 脈絡なんか考えずに、片っ端から行ってみようか。 曲自体、見どころツッコミどころ満載の支離滅裂さだから それくらいがちょうどいいかもしれない。 アジアの純真、のタイトルよろしく、歌詞は北京からスタートする。 し…
この曲を聴くに思うは、 カッコいいことと退屈であることは、まさに紙一重であって ちょっと何かのボタンを掛け違えただけで、 かなりつまらない曲になったであろうことは想像に難くない。 かつて思い誤ってカラオケでこれを選曲してしまったがために シラー…
なぜだ。なぜなんだ。 昔からずっと疑問だった。 (この出だしの登場は『Mr.サマータイム』に続いて2回目) 誰も気づかないのか。 気づいていても馬鹿らしくてやらないのか。 それとも著作権者の許可が下りないのか。 それとも実はやったけど不発だったのか*…
スピッツの歌詞の世界は、かくも意味深であって 深読みしようとすればするほど、各々聴き手の妄想の世界に突入していってしまう。 タイトルにしたって、物語のどこに楓が登場するかっていう問題に対し、 歌詞の中に木立の一本も見えないところを見ると*1 僕…
なにもこんなマイナーな曲を採り上げなくても、と思いつつ、 もしかしたらマニアックな層の来客を期待するスケベ心も持ちながら*1、 物陰からコッソリと声を大にして言いたいのは、 この歌がまれにみる5拍子の歌であるということ! 数少ない5拍子の曲として…
個人的願望としては、ここに歌われている「君」には なんとしてでも、生きていてもらいたい。 亡くした人に対して遂げられなかった思いを 夢のような奇跡の物語で叶えるなんて話は もはやあらゆるジャンルの物語で、手を変え品を変え語りつくされており 正直…
たしか中学2年の時だったと思う。 英語の授業においてトンデモないことが流行した。 たとえば、日本語訳が『Aが~すると、決まってBは…になる』 という英語構文があったとする。 この「~」を「ピー」、「…」を「プー」などと読むのだ。 たったそれだけのこ…
ちょっと面白いことにこの曲、 一聴してシンプルな印象を受けるのに 聴きこんでいくと、意外に展開していることに気づく。 要は、構成が凝っているのだ。 わかりやすいところで例を挙げると、 曲のタイトルである「グロリアス」 これが歌われるのは1番のクラ…
女を酒に酔わせて、どうこうしようという妄想を抱くお話である。 以上、歌の解説、おしまい! いや、、、これで終わっては身も蓋もない。 もう少し具体的に内容を詰めていこう。 彼氏持ちの女友達。密かに想いを寄せるそんな相手に対し この主人公、どういう…
曲の終盤にあらわれる、しつこいぐらいの念押しが 主人公の今の心のありようを物語っている。 「♪まるで全てが そう、まるで何もかも全てが 全てのことが」 メロディーの進行を捻じ曲げてまで、 しつこく、しつこく、しつこく、しつこく。 「♪うまくいってい…
ラルクこと、L'Arc~en~Cielというバンドの存在自体は 結構早い段階から認識していた。 というのも、うちの弟が地元ミュージシャンの黒夢*1とセット(?)で インディーズのアルバムCDやビデオを所持していたためだが、 それらのジャケットの退廃的な雰囲気…
街灯もまばらな夜道。 妙に輪郭のはっきりとした自分の影を足元に見つけ 思わず背後を振り仰ぐと、そこには、ぽっかりと満月が浮かんでいたりする。 月の光って意外と明るいんだよね。 いつか、今夜の月のように光り輝くんだ、という なんだか少し遠慮がち聞…
『田園』という、本文中にカケラも登場しないタイトルもさることながら 歌詞にしたって、結局のところ何が言いたいのか正直よくわからない。 難しい言葉なんて何ひとつ使われていないのに。 「僕」は、石ころを蹴飛ばし、夕陽に泣き、 陽だまりの中、がむし…
なんでこの歌には名前が無いんだろう。 そんな本質とは離れた、比較的どうでもいいことを深く考え始めると 本来悩まなくてよいはずのところで、思考はドツボにはまっていく。 名前がない状態というのには、いくつかパターンがあると思う。 ひとつは、まだ名…
甘えるような猫なで声が、歌詞の青さと相まって、 幼さの残る年頃の、恋物語を引き立てている。 男目線の歌を女性がボーカルをとることで、さらに主人公たちの幼さを連想させる。 たぶん、中学生くらいなんだろうな。 「♪友達見つけて離れて歩いた」 男女二…
つまりは、この「花火」っていうのは、 恋心のことなんだよな。たぶん。 理由はわからないけど、どうしてもあきらめなければいけない恋。 「♪夏の星座にぶら下がって 上から花火を見下ろして」 一歩引いた位置から俯瞰するように、客観的に自分の恋心を眺め…
あぁしまった!そうだった! と関西弁で叫んでいるようにしか聞こえないが、 「そぉや~ん!!」こと、『So Young』。 頑なまでに日本語にこだわり、最後まで英単語のひとつも使わず*1に 絞り出すように、ラストにしてようやく叫んだ英語でもある。 チャラチ…
カラオケでこの曲を選曲した人がいたならば、 ぜひとも勝手にハモりパートを歌って迷惑がられたいと 常日頃から思ってやまないのだが、ついぞその機会に巡り合わない。 というより、今の今までただの一度も、この曲やこのグループの話題が 会話に登場したこ…
歌い出しに現れる無音の瞬間にゾクっとくる。 曲の随所にみられる、そういう"古臭い"テイストが、この曲のキモだったりする。 古臭いといっても、世代を超えた大昔ではなく、 ひとりの人間が、ふと余裕をもって振り返ることができる程度の過去。 どこかで見…
時は、大航海時代。 何かの物語の主題歌ではないことが不思議なくらいな、 なんとも寓話的なシチュエーション。 それにしても視点が斬新。 主人公の役どころは、なんと「悪魔のささやき」。 自分が悪女と思われることもいとわず、むしろ余裕しゃくしゃくとば…
何とも奔放なギターが、ある意味ほほえましい。 YUKIのヘタウマ*1なボーカルの後ろで、ちょこまかと動き回るさま*2は、 テレビ中継のレポーターの後ろのほうで、画面に映り込もうと跳びはねる悪ガキどものようだ。 リズムとか音程とか本当にこれでいいの? と…
せつない内容の歌なのに、なんでだろう。なんだかとってもオシャレ。 ピアノを中心として、ベース、ギター、ドラムスといった アコースティック*1の楽器を並べ、 トランペットを中心にしたブラスアンサンブルとストリングスで飾り立てることで、 ニクいまで…