サビでは、力強く。
そしてそれ以外の部分では、囁くように。
遠い町に行ってしまう恋人に、
一緒に来て欲しいと言われたものの、一度は断ったのだろう。
しかし後悔と未練は募るばかりで断ち切れない。
すべてを捨てて、かつての恋人のもとへと旅立つ。
中森明菜の変幻自在のボーカルに歌われる
大まかな筋はそんな内容だが、
要所要所がルー化*1しているために要点がつかみにくい。
しかし、その点を日本語化してしまえば、意外と暗喩もなくシンプル。
ついでに、抽象的な日本語もすべて意訳して再構築してみよう。
不思議なのは愛。私を惹き寄せる。
愛は不思議ね。不思議な力で惹き寄せる。
映画の一場面のように、
なにもかも捨て去って飛行機に飛び乗る。
北発着場から、今夜ひとり彼のもとに旅立つ。
一度はあきらめた男性。
あの涙で断ち切って、忘れたつもりだった。
それなのに、私は飛行機に飛び乗ってしまった。
街の明かりがだんだんと遠く小さくなっていく。
夢のように嘘みたいな行動。
深夜の飛行機であなたを追いかけている。
愛は不思議ね。海を渡っている私。
不安がないわけじゃない。
日付が変わるころには、
昨日までの苦悩は嘘のように晴れていた。
この雲の下に、あなたの住む霧の街があるのね。
しまい込んでいた恋を揺り起こし、見知らぬ地へ。
まだ現実感がない、夜間飛行。
不思議なのは愛。言葉なんていらない。
なにも告げずにいきなり現れて、あなたの胸に飛び込む。
それが私の答えよ。
不思議なのは愛。あなたは私を惹き寄せる。
愛は不思議ね。不思議な力で惹き寄せる。
不思議なのは愛。二人は恋の魔法にかかっている。
永遠の不思議。心の奥底から私はあなたを抱きしめる。
果たして結末は、いかに?
結末に関して以前から気になっていた部分がある。
間奏中に突然掻き鳴るピアノの音。
「♪それが返事よ」
の後に続く間奏の最後に現れる。
鍵盤の上に何かを落としてしまったかのような
あえて字で書くのであれば
グゥァラガシャーン、というような響きの音。
演奏を失敗したにしては大胆すぎるので、
何らかの意図で入れられたものと思う。
ひょっとして
破局を暗示している音、、、なのだろうか?
名曲・聴きドコロ★マニアックス
この曲、どういうわけか
歌謡曲扱いされて敬遠されることが多い。
おそらくはストリングスが目立っているせいだと思う。
あるいはブラスアンサンブルでやっていたら
おそらくポップ、ロックの枠組みで
語られたんじゃないかと思う。
どういうわけか、今も昔も歌謡曲は
非常に軽んじられる傾向にあるので、
なんか損な役回りしているよな、この曲は、と思う。
しかし、そんな思いとは裏腹に、
歌謡曲は終焉に向かう長い時を迎え、
いよいよ待ちに待ったロック・バンドの時代に突入してゆく。
意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み
「北ウイング」
成田空港の発着ロビー。北南にあるうちの北の方。
この歌で一躍有名になった。
というか、この曲で存在を知った人の方が多いのでは。
「霧の街」
ロンドンだという説が根強いが、もしかしたら釧路かもしれない。
釧路よろしく。釧路のそこかしこで時折見かけるしょうもない回文*3。
全文訳したせいで、今回も書くことがないな。
ちなみに、ヒット曲に時折あることだが、
この曲は続編が作成されている。
『ドラマティック・エアポート』(1984年/ by)
という曲がある。ご丁寧に副題は「北ウイング partII」。
余計な副題をつけなきゃいいのにと思う。
女が男を追いかけるのではなく、
去っていった男が飛行機で帰って来るのを迎えに行く女の話。
どうやら直接的な話の続きというわけではないようだ。
現在入手可能な収録CD/視聴可能
やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
※該当曲を聴ける保証はありません。(ていうか、ライブやる可能性あるのかなぁ?)