日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『Pride』 今井美樹 ~ コワモテ兄ちゃんの乙女な一面をどう扱おうか

いったいぜんたい、どのツラ提げて作詞・・・作曲 布袋寅泰

あのコワモテのあんちゃんが、よりによって
「♪私は今 南の一つ星を見上げて誓った」だなんて、、、

決してヒトを顔面だけで判断するものではないが、
普段のあの、あからさまに作ったキャラクターのような言動と、
喜びも悲しみも一抱えに生きようと誓う女性を描く歌詞との
ギャップをどう補ったらいいかがわからない。

後に布袋が今井美樹と結婚に至ったこと*1をもって、
その隙間を埋めるパズルのピースを見つけた気になりかけたが、
心のどこかでやっぱり腑に落ちない自分がいる。


ミュージシャンっていう人種は、結局、ロマンチストなんだな、と思う。
じゃなければ、表題曲のわずか数か月前に
「♪天国は幻さ 何処にもありゃしない 気まぐれな神様の 笑えないジョーク」
(『命は燃やし尽くすためのもの』 布袋寅泰 by
なんて歌っていたことこそ、ジョークになってしまう。

PRIDE シングルジャケット/amazonより
PRIDE

PRIDE

 
  • 作詞・作曲・編曲 布袋寅泰
  • 1996年(平成8年)11月4日、フォーライフレコードよりリリース
  • オリコン最高位1位(年間6位/1997年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:PRIDE 今井美樹 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:PRIDE (今井美樹の曲) - Wikipedia

  • いかにもリードギタリスト、というアレンジ。
    一定のリズムで和音を刻んだり、決まったフレーズを繰り返す気はさらさらないらしく、
    途切れることなく即興的なフレーズを奏でる、右チャンネルのエレキギター
    そして、2番以降になると左チャンネルから時折聞こえるようになる、
    クラシックギターの大人びた滑らかな音色が花を添える。

    これに今井美樹のボーカルをのせたものに、
    あとからドラム、ベースとコーラスを、
    邪魔にならないようにささやかに加えていった、といった趣が感じられる。
    実際どうだったのか知る由はないけれど、まあそんなところだろうと思う。



    ギターの音色に耳を傾けているうちに、曲も終盤に差し掛かり、
    自分が誓いを立てた南の一つ星を、
    今度は、相手にも見上げてほしいと願うところで物語は終わる。

    想いは実を結ばなかったけれども、自分の心は今こんなにも輝いている、
    貴方への愛を貫いたことが、そういう今の私を育て上げたんだ。
    そんな意思表明のように。



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    PRIDE

    プライド。小難しい言葉で言うと自尊心。
    ここでは、心を強く保つためのモチベーション、くらいの意味合いだろう。
    たぶん、布袋が歌ったのなら負け惜しみに聞こえてしまうだろうが、
    今井美樹が歌うことにより、前を向いて振り返らない
    決意表明の歌になった気がする。



    南のひとつ星

    「南の一つ星」の異名をとる星が実際にある。
    みなみのうお座の一等星、フォーマルハウトだ。

    この星を意識した歌詞なのかどうかはさておき、
    フォーマルハウトは結構低い位置にあるので、「見上げる」といっても
    坂本九上を向いて歩こう』(1961年/ by
    のように、「涙がこぼれない」ほどに振り仰ぐ必要はなく、
    下向きの目線を、正面やや上にあげる程度でいい。

    未来を見据えるには、ちょうどいい角度じゃないだろうか。


    現在入手可能な音源

    【オリジナルアルバム】
    PRIDE

    PRIDE

    • アーティスト:今井美樹
    • 発売日: 1997/07/16
    • メディア: CD
    やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
    ▼ 今井美樹
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。




    脚注

    *1:【後に布袋が今井美樹と結婚に至った】ちなみにこの時は、布袋は前の奥さん、山下久美子と婚姻関係にあった。当時今井美樹と不倫関係があったかどうかは不明だが、布袋が本当のところを暴露したとしても、誰も素直に信じないだろうキャラクターを持っている。キャラがあるって得だよな。