日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『そして、神戸』内山田洋とクールファイブ ~ 全編クライマックス!(の一歩手前)

「♪コォぉぉぉべぇ~~~~」
最初聴いた時は、冗談なのかと思った。
いや、今でもこの出だしは冗談なんじゃないかと思っている。

テンション高めのイントロを受けた、
肩透かしのように意表を突くこの歌いだしから始まり、
息つぐ間もなく曲が高揚感を増していき、ついには昇天一歩手前に差し掛かったところで、
またもや「♪コォぉぉぉべぇ~~~~」とかまされる。
(ここはズッコケた方がいいのかしらん?)


それにしても終始異様なテンションだ。
といっても、むやみに騒々しいのとはワケが違う。
本来の文字通りの緊張感テンションを内に秘め、
前川清のうわずったボーカルが、
歪みかけのギターが、
小気味いいタメを利かせるトランペット群が、
やばいくらいに静かに互いに高めあいながら、
時に肩透かしを食わせつつも、けれども緊張感を失わず、
最後には、放り出されるのように音が途絶える*1

ああ!このふつふつと押し上げられた、やり場のない高揚感を、
いったいどこに吐き出せばいいんだろう!


まさに全編クライマックス。緊張感が半端ない。
そしてそれ以上に、絶頂に達しそうで達しない高揚感が、
もどかしいこと限りない。

f:id:outofjis:20180920233337j:plain シングルジャケット(ひろいもの←いけません)
そして神戸

そして神戸

  • 前川 清
  • 演歌
  • ¥250
これは後年のセルフカバー
  • 作詞 千家和也、作曲 浜圭介、編曲 森岡賢一郎
  • 1972年(昭和47年)11月15日、ビクター音産より発売
  • オリコン最高位6位(年間32位/1973年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:そして神戸 内山田洋とクールファイブ 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:そして、神戸 - Wikipedia

  • 捨てられ、傷ついた恋に、
    たかだか、ひとつの恋が終わっただけ、と自分に言い聞かせ、
    さぁ、次の恋だ、と気丈に振舞おうとする。
    今度こそは、最期まで自分を想ってくれるーそれがたとえ虚構であってもー
    そんな、居もしない人を求めるむなしさを歌っている。


    主人公は、若いのか年嵩なのか、
    女なのか男なのか*2
    自分を捨てた相手を追って、神戸にたどり着いた。
    そこで我に返る。自分は何やっているんだと。

    はるばるきたぜ神戸!
    と歌い切るのではなく、
    おそるおそる、「♪こ~べ~」と歌うのは 
    つまりはそういうことなのかもしれない。

    恨み節ではなく、少なくとも言葉の上では
    希望を前面に出した歌であることが、哀しい中の救いだろう。



    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    全文日本語訳行ってみよう。
    不倫の唄説も根強いようだが、不必要にドラマチックな設定にするのは好まないため、
    そんな前提は用いないことにする。

    神戸まで来て、やっと正気に返った。
    泣いて何が変わるっていうのだろう。
    捨てられた自分が、もっと可哀そうになるだけじゃない。

    船の灯りが映る、神戸港の真っ黒な海。
    よどんだ水面に、ヒールの折れた靴を投げ捨ててやった。

    たかが、ひとつの恋が終わっただけじゃない。
    すぐに、違う恋が始まるに決まっているじゃない。
    今度は、いつまでも自分を幻滅させない、
    そんな人を見つけてやるんだから。


    あの人を追いかけて、神戸まで来てしまったけれど、
    私が会いに来たからって、
    戻ってくれる人じゃないってことは、解ってる。
    心の傷がさらに深くなるだけだってことも。

    せっかく神戸まで来たけど、やっぱり会いに行くのはやめた。
    足元に、けなげに咲く名もない花を見つけた。
    ぐりぐりと踏み潰してやった。ざまあみろ。

    たかが、ひとつの恋が終わっただけじゃない。
    すぐに、違う恋が始まるに決まっているじゃない。

    今度は、「ふり」でもいいから、自分を裏切らない人を、
    そんな人を見つけてやるんだから。




    現在入手可能な収録CD/視聴可能
    やっぱ生で聴きたい人は、ライブ・イベント情報&チケット
    前川清&クールファイブ
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    ※該当曲を聴ける保証はありません。




    脚注

    *1:えぇっ、これで終わり?

    *2:女言葉だがオネェの可能性もある