日本百名曲 -20世紀篇-

20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介(500名曲もやるぜよ)

『Diamonds』 プリンセス・プリンセス ~ 偏見に突き付けた、若き挑戦状

知ってて勘違いされるように言っているとしか思えない。

 「♪私を動かすのは ダイアモンド」

 

時代の熱気に浮かれまくった若き女性たち。

とびっきり高価なものをちらつかせない限り、絶対になびかない。

そんな偏見に満ちた世の中に、挑戦状のように

あえてこんな歌詞をたたきつけた。

「♪好きな服を着てるだけ。悪いことしてないよ?」

 

決して良いとはいえない、むしろ小馬鹿にしたようなイメージに、

あえて便乗するように、

「♪楽しむことにくぎ付け」

「♪プレゼントの山 埋もれもがいて」

「♪欲張りなのは生まれつき」

世間の持つ、イケイケの若い女性のイメージを積み重ねていく。

 

いったい、どうしてここまで人を刺激しようとするのだろう。

 

 

DIAMONDS
シングルジャケット/amazonより
DIAMONDS (ダイアモンド)

DIAMONDS (ダイアモンド)

  • プリンセス プリンセス
  • J-Pop
  • ¥250
 
  • 作詞 中山加奈子、作曲 奥居香、編曲 Princess Princess
  • 1989年(平成元年)4月21日、CBSソニーより発売
  • オリコン最高位1位(年間1位/1989年)
  • 歌詞はうたまっぷへ:Diamonds PRINCESS PRINCESS 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
  • 曲にまつわる背景などはwikipediaにくわしい:Diamonds - Wikipedia
  •  

     

    だけどこの曲の本質は、煌めくような実体験、

    「♪金のハンドルで 街を飛び回れ」

     貪欲にドキドキワクワクを追い求めること。

    そうして得られる実体験を、ダイヤモンドにたとえているだけだ。

    宝石よこせと歌っているわけではない。

     

    決してテレビで見るだけでは得られない、

    今の感覚でいうと、ネットの情報だけでは決して得られない、

    その時、その瞬間、その場所でしか得られない、

    ダイヤモンドを追い求めるうた。

     

     

    長年歌詞を勘違いしていた部分がある。

    「♪プレゼントの山 埋もれもがいても」の後、

     

    「楽しむわけにいかない」だと思っていた。

     

    正解は「♪まだ死ぬわけにいかない」らしい。

    余命宣告を受けたがゆえに思い切り生きようとしている、わけではなく、

    好奇心を失ったら、それは死んだも同じこと。とのたまう。

    そんな刹那的な生き方は、まさに若者の特権。

     

    時には失敗もするし、後悔もするけど、

    「♪眠たくっても 嫌われても 年をとっても やめられない」

    いずれ輝きが薄れていくことに、うすうす気づいているからこそ、

    がむしゃらに求めるのだろう。

     

    「♪耳で溶けて流れ込む 媚薬たちを閉じ込めろ」

    「♪コインなんかじゃ売れない」

    心地のいい甘い言葉や、お金なんかじゃ動かされない。

    お金を得るのは、今のためじゃないから。

     

     

    「♪今、私を動かすのは ダイヤモンド」

     

    まさに『今』、その瞬間の輝きのため。

     

    明日のためじゃない。

     

     

     

     

     

    名曲・聴きドコロ★マニアックス

    音だけ聞いている分には絶対わからないけど、

    このバンド、女性メンバーだけのガールズバンド。

    女性だけでこの骨太サウンドが出せるメジャーバンドはほかに知らない。*1

     

    そのくせ異様にポップ。

    サビのオクターブ上がる部分なんて

    ドレミファソラシドなんじゃないかと

    勘違いしてしまうほどシンプル*2で、

    しかも短いフレーズの繰り返しが多く、

    ポップスのお手本のような構成だ。

     

    等身大の女性を歌った歌詞、

    パワフルなバンドサウンド、

    ポップなメロディ。

    これらがほどよく混ざり合っているのが

    プリプリがあれほどまでにヒットした要因なのだろう。

     

     

    意味が知りたい★ここんとこ 深読み&ななめ読み

    スカイスクレイパー

    日本語でいうと摩天楼マテンロー。要するに超高層ビルのこと。

     

     

    「ブラウン管」

    そういや近年とんと見なくなったな。ブラウン管。

    このページ見に来るような人間はみんな知っていると思うけど、

    ちょっと前までテレビはみんな、

    ブラウン管という名の巨大な電球だったのだよ。

    大変暖かいので、猫のいい寝床だった。

     

     

    「針が落ちる瞬間」

    針は針でもレコード針

    スイッチを入れると、レコードが回転すると同時に自動でアームが動いて、

    サイズ指定さえ間違えていなければ、ちゃんと曲頭に針を落としてくれた。

    プツッ、という小さな音とともに。*3

     

    だけどこの曲が発売されたのはCD時代の幕開けのころ。

    生まれた瞬間から時代に取り残される運命の歌詞だったことになる。

     

     

     

    amazonで現在入手可能な収録CD 15曲目/試聴可能

    シングルズ 1987-1992

    シングルズ 1987-1992

     

    脚注

    *1:よく考えたら、まったくの同時代にSHOW-YAがあった。まあいいか。

    *2:実際はドドレミファソラド

    *3:知ったようなことを書いているが、家にあったステレオセットは、物心つくかつかないかのうちに、自分が壊してしまったらしく、レコードというものに慣れ親しんだことはなかった。そのためうちでは結構早い時期からCDプレイヤーがあった。当時のCDはジャケット内に図入りで取り扱い方などの説明が書いてあったりした。レコードプレイヤーを買ったのは遥か後年。ちょうどプレイステーション2が発売されたのと同時期に購入した。ソニーのロゴの入った箱を見た友人の「プレステ2?」という問いかけに、それより数百世代進んだようなネーミングの、PS-V800と書いた箱を見せたのを思い出す